原因(リーキーガット症候群)

最近注目を集めるリーキーガット症候群(LGS)。食生活の乱れ、精製炭水化物、食品添加物、農薬、水道の塩素、薬(抗生物質、制酸剤、頭痛薬、ステロイドなど)、歯科用充填剤ほか、さまざまなものが引き起こす腸粘膜の損傷です。これがアトピーの原因です。

リーキーガット症候群(漏れている腸)

最終更新日:2017/02/06
この情報のお役立ち度:

最近、海外でにわかに注目を浴びているのが、リーキーガット症候群。英語で書くと「Leaky Gut Syndrome」。

略すと「LGS」。訳すと「漏れている(Leaky)消化器官(Gut)症候群(Syndrome)」

つまり腸粘膜のバリア機能が壊れている状態のこと。当ブログが再三書いているアトピーの原因「傷ついた腸壁」の危険性に、専門家もいよいよ目を向けはじめたようです。

といっても、もっか侃々諤々(かんかんがくがく)の議論をしているまっ最中。日本ではリーキーガットの研究さえはじまってはいません。それどころか、リーキーガットという単語(日本語で「腸管壁浸漏症候群」)を知っている医師すらわずかだそうです。

というわけで、あまたの海外サイトを参考に、海の向こうでリーキーガットがどんなふうに位置づけられているか調べてみることにしました。ひょっとすると、なにか有用な新情報が手に入るかもしれません。

リーキーガットが引き起こす症状、病気

リーキーガットの最も代表的なシグナルは、

  • にきび、乾癬、発疹、湿疹

しかし、これはほんの一部。どんなかたちで表面化するかは人それぞれ。ほかにもこれだけの疾患にかかわっているといわれています。

 

リーキーガット症候群が引き起こす症状、病気

 

アトピーもしっかり含まれています。とにかく、こうした不定愁訴があったら要注意。リーキーガットを疑いなさい、ということです。

リーキーガットとは?

リーキーガットは腸に穴が開いた状態。体内と外界をへだてる扉がつねに開いている、ということですから、危険きわまりない。腸はヒトの免疫システムの中枢です。免疫細胞の7割が腸に集中しています。

ちなみに、健康な腸はざっと5つの役割を担っています。どれもたいへん重要。

  1. 消化・吸収
  2. 不要なものの排泄
  3. 人体に有害なものブロックして、体内に入れない
  4. 化学物質の解毒
  5. 腸の免疫細胞が外敵(細菌、ウイルス、カビなど)を排除

リーキーガットになると、これらが全部滞るわけですから、健康を損なって当然。多くの慢性病を引き起こして当然なのです。

アトピーの方は1に注目。消化器が元気なら、食べたものはきちんと消化されて吸収されますが、リーキーガットだとこれがうまくいかない。

本来は、炭水化物はブドウ糖に、たんぱく質はアミノ酸に、脂肪と油は脂肪酸とグリセリンに分解されなければいけない。ところが、腸のバリア機能が不完全だと、食べ物のかけらが分解されないで体内に侵入してしまいます。

この未分解のたんぱく質が、食物アレルギーの原因です。からだはこれを異物(敵)と認識し、免疫系は戦闘態勢をとり、抗体をつくりだして対抗。過剰な免疫反応を引き起こします。しかも、食べ物のたんぱく質には人間の細胞に似た構造のものがあるので、自己免疫疾患を発症することもある。

自己免疫疾患というのは、免疫が自分の組織を攻撃する病気。代表的なものに、円形脱毛症、関節リウマチ、慢性疲労症候群、白斑、クローン病、1型糖尿病、全身性エリテマトーデスなどがあり、このうち3分の2はリーキーガットが引き金だと推測されています。

リーキーガットの原因

リーキーガットの原因には、次のようなものがあります。

  • 食生活の乱れ
  • 精製炭水化物(白砂糖、白小麦など)
  • グルテン(小麦のたんぱく質)
  • レクチン(一部の野菜に含まれるたんぱく質)
  • アルコール
  • カフェイン
  • 食品添加物
  • 食べ物の残留農薬
  • 水道水の塩素
  • 重金属
  • 化学物質
  • 石油化学製品
  • 環境ホルモン
  • 放射性物質
  • 抗生物質
  • 制酸剤(胃薬)
  • 頭痛薬(アスピリン、イブプロフェン、インドメタシン)
  • ホルモン剤(ステロイド、ピル)
  • 免疫抑制剤
  • 歯科用充填剤(詰め物)
  • ウイルス、細菌
  • カビ(カンジダなど)
  • ストレス
  • ほかの病気

とくに注意すべきは薬だそうです。抗生物質を内服すると、腸内細菌が全滅します。すると、いつもは善玉菌が監視しているカビやウイルス、細菌が一気に繁殖。なかんずく多いのは、カンジダの異常発生(カンジダ症)です。

カンジダはもともとヒトの腸に棲んでいる常在菌(イースト菌の一種)。ふだんは善玉菌に押さえつけられておとなしくしていますが、善玉菌がいなくなると、いまがチャンスとばかりに領土を広げ、腸内に毒素をまき散らすのです。

これが、腸粘膜を傷つけ、リーキーガットを引き起こす。

原因が抗生物質以外のケースでも、リーキーガットの人の腸内では、カンジダがのさばっていることが多いそうです。とにかくは上記のような原因物質が腸に入ってくると、善玉菌が減少し、悪玉菌やほかの細菌、ウイルス、カビ、カンジダなどが増えていく。連中は、腸内毒素を大量発生させ、腸粘膜を痛めつけるのです。

リーキーガットの一丁あがりです。

しかも、このときすでに腸粘膜の保護や修復をする善玉菌は虫の息。だから、腸粘膜はいつまでも傷ついたままです。原因物質と毒素のダブルパンチを食らい、腸はますますぼろぼろになっていくのです。

警察や軍隊のいない無法国家と化した腸。悪者が幅を利かせ放題、悪事のかぎりを尽くしています。

リーキーガットが恐ろしいのは、原因物質や毒素、病原菌、カビがなだれを打って体内に侵入してくること。さきほど書いたように、食べ物のたんぱく質も未消化のまま体内に入りこんできます。これらは血流に乗って全身を駆けめぐり、炎症を起こしてからだを痛めつけます。未消化の食物たんぱくが引き起こす食物アレルギーが、さらに炎症に拍車をかけます。

※食物過敏症といったほうが正確。リーキーガットは、即時型と遅延型の両方のアレルギーを引き起こします。じつは、生来的な食物アレルギーというのはごくわずかで、リーキーガットによる過敏症のほうがずっと多いとか。食物アレルギーを発症しやすいのは、卵、乳製品、小麦、大豆、イースト菌(パン酵母、醸造用酵母など)、豆類など。

 

血液のろ過や解毒のため、肝臓はフル稼働して対処しますが、そのうち肝臓も疲れはて、処理が追いつかなくなって、全身の細胞が慢性的な炎症に蝕まれていくのです。

すでに栄養の吸収もままならない状態ですから、もはや腸粘膜の修復など到底不可能。完全に負のスパイラルにおちいってしまいます。

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リーキーガットの検査方法

リーキーガットかどうかを見分ける方法があります。

  • 腸の透過性を調べる検査
  • 便を分析し、細菌バランスなどをチェックする検査
  • カンジダの抗体検査

ただし、わが国ではこれらの検査を受けるのは難しいそうです。

でも、食物アレルギーの検査は比較的容易にできます。リーキーガットなら、以前は問題のなかった複数の食べ物にアレルギーがみつかるはず。これを特定し、毎日の食卓から除去してやれば、負のスパイラルに「待った」をかけることができます。

IgE抗体検査(即時型アレルギー検査)は皮膚科や内科でできますし、IgA抗体検査やIgG抗体検査(遅延型食物アレルギー検査)は日本ではできませんが、自費でキットを買って米国に送れば検査可能です。このキットをとりあつかっている病院も探せばあります。

リーキーガットの治し方

ほうっておいても治りません。

負のスパイラルに突入したが最後、リーキーガットはますます進行するばかり。本人が策を講じる必要があるのです。

どうすればいいのか。医師には診断できない病気ですから、病院はアテにならない。いまのところ、次の4つが有効だとされています。
 

1.腸を癒やしてくれるものをとる

まずは、野菜をたっぷり食べること。ビタミンやミネラルは炎症を抑えてくれます。とくに生野菜の消化酵素は消化を助け、腸の仕事を減らします。果物も抗酸化物質が質富。ただし、食べすぎはNG。糖質はカンジダのエサです。適量ならOK。そのほか、カンジダの増殖を抑制するココナッツや、デトックスに欠かせない清浄な水などをしっかりとります。

良質の油(オメガ3系脂肪酸)も大切。亜麻仁油やえごま油、青魚などに多く含まれます。とくに青魚はおすすめ。魚の油は、人体が利用しやすいからです。オメガ3系脂肪酸は、免疫強化やアレルギー抑制、腸の炎症の沈静化などに非常に役立ちます。消化酵素や亜鉛(腸の細胞の修復を手助け)も◎。

ほかにも腸粘膜の修復に役立つ成分として、ビタミンC、L-グルタミン、天草、アカレニ樹皮、アルテア根、ケルセチン、N-アセチルグルコサミンなどが代表的だそうです。わたしには、初めて耳にするものが多かったです。

 

2.腸を傷つけているものをやめる

精製炭水化物(白砂糖、白小麦、白米など)や、アルコール、カフェイン、薬など、先述の「リーキーガットの原因」を全部やめます。アレルギーのある食べ物もやめるのが正解。なににアレルギーがあるか不明なら、怪しい食べ物はやめるか、1~2週間やめてから食べてみて体調の変化を観察して特定する手があります。

イースト菌を使った食品もNG。リーキーガットの人がカンジダ症を発症しているケースが多いのは先に書いたとおりですが、イースト菌はこのカンジダの仲間。このため、イースト過敏症を発症している可能性も高いのです。といっても、イースト菌を使った食品は、パンや醸造酒(日本酒、ビール、ワイン)などですから、すでに除去リストに入っています。

 

3.腸内に善玉菌を繁殖させる

プロバイオティクス(腸内有益菌)を腸へ補給してやります。もともとヒトの腸内に棲みついている菌がベター。ビフィズス菌、アシドフィルス菌、ガセリ菌などです。これらはどれもカンジダと戦える菌。悪玉菌を減らし、腸粘膜の破壊活動をやめさせてくれます。

発酵食品も活用。味噌や納豆、ぬか漬け、キムチ、ザワークラウト、ヨーグルトは天然のプロバイオティクス。が、キムチは辛み成分が腸壁を荒らすのでNG。ヨーグルトもNG。乳たんぱくが腸壁の炎症を加速させる可能性があるそうです。

(注)味噌やぬか漬けにはイースト菌が使われていますが、メリットのほうがはるかに大きいのでOK。

 

なお、発酵食品の乳酸菌がどのくらい腸に定着し、どの程度働いてくれるかははっきりしていませんし、効果ものんびりしています。治療開始後数週間は、サプリメントの利用が望ましいとされています。

最後に

リーキーガット症候群(LGS)について調べていると、このブログにこれまで書いたことを復習しているような気分になりました。

リーキーガットの治し方についても、白砂糖や白米、小麦をやめ、生野菜を食べて、乳酸菌を摂取し、オメガ3系脂肪酸をとって……とまったく同じ。やはりこのブログの方法はひとつの正解なのだろうなあ、と感じた次第です。

ただし、カンジダが腸内で大発生しているなら、話は別。腸内環境の健全化と同時にカンジダ対策をやる必要があります。そう思うのも、じつはわたし自身の経験から。これについては、長くなるのでこちら「カンジダ症(イーストコネクション)」に書きました。

慢性疾患のほとんどが、現代の医学では原因も治療法も解明されていません。リーキーガット症候群の研究が、そういう疾患に苦しむ方たちの希望の光となってくれることを期待して、この記事をしめくくりたいと思います。

【参考サイト】NHS ChoicesWebMDWikipediaWomen to Women、U.S.News、Integrated Medicinebody+soulFOX NEWSほか

※イラスト内テキスト/リーキーガットの症状、病気:抜け毛、花粉症、慢性疲労、化学物質過敏症、食物過敏症、食物アレルギー、食物不耐症、過敏性腸症候群(IBS)、偏頭痛、ぜんそく、筋肉痛、肥満症、やせすぎ、栄養失調、炎症腸疾患、潰瘍性大腸炎、関節炎、関節リウマチ、便秘、下痢、胸焼け、腹部膨満感、げっぷ、疥癬、乾癬、発疹、湿疹、アトピー性皮膚炎、酒さ、にきび、じんましん、集中力低下、慢性頭痛、うつ、不安症、自閉症、ADHD(注意欠陥多動性障害)

 

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管理人/イチロー

アトピー歴十数年。妻と娘との三人暮らし。数年前、ずっと目をそむけてきたアトピーが仕事もできないほど悪化。否応なく病気とがっぷり四つに組み、百日かけてねじふせました。その実践術のすべてを公開します。ひとりでも多くの方が、あの苦しみから逃れられますように。
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