アトピーのかゆみをやわらげるコツ

かゆみ対策

この記事の重要度:

アトピーでいちばんつらいのが、全身のかゆみ。全身から局所まで、効率的にかゆみをとる方法をいろいろとご紹介。エプソムソルトや重曹、竹酢液、クエン酸、リンゴ酢、うがい薬、冷水(氷)、蒸しタオル、エッセンシャルオイルなどを利用したかゆみ対策です。

試してよかったかゆみ対策

全身のかゆみは、アトピーの症状のなかでもっともつらい症状です。部分的にかゆみがあるだけでも、仕事が手につかない。だれかとの会話はいつもうわの空。これが全身となると、本当に頭がどうにかなりそうでした。

わたしが試してよかった、かゆみをとる方法を一挙に紹介します。

1.重曹風呂

重曹

重曹風呂がかゆみに効く(個人差は大きい)と知り、実際に試した見たらわりと効果を感じました。

まずは浴槽に熱めのお湯を張り、500gの重曹を入れてかき混ぜる。そして、身体を沈める。当時ひどいかゆみに悩まされていましたが、少し楽になったのを記憶しています。

重曹は、1000gくらい入れてもいいようです。が、半身浴やサウナのほうがずっとかゆみを減らせたことはつけくわえておきます。

コップ1杯の白湯に重曹小さじ半分(ティースプーン1杯)を入れて飲んだら、全身のかゆみが数分で消えた、という体験話をある書籍で目にしました。重曹によって体内で化学反応が起こり、酸性に傾いた身体がアルカリ化する、あるいは酸性状態を中和するからだそうです。

真偽のほどをたしかめてやろうと思って試しましたが、残念ながらわたしは目立った効果を感じませんでした。が、その本には「効果のある人とない人がいる」と書いてあります。家に重曹があるなら、一度試してみる手もありますね。

重曹風呂とならび、かゆみどめによく利用される入浴法にエプソムソルト風呂があります。こちらのほうが保湿効果も高く、おすすめかもしれません。

このほか、わたしがよかったと感じたのは、竹酢液木酢液を入浴剤として用いる方法です。

2.塩マッサージ

お風呂でのかゆみ対策としていちばん効果があったのは、天然塩を直接患部にもみこむという方法です。

肌が傷ついているときは、もちろん猛烈に沁みます。でもその瞬間、かゆみはウソみたいに散っていきます。入浴後もしばらくはすっきりしています。塩でよくマッサージすることで、皮膚の直下にあるかゆみの誘発成分が排泄されるからではないかと思います。

ただしスキンケアという観点から見ると、この方法は微妙です。肌のバリア機能を損なうような気もします。

3.冷水シャワー、氷、塩素除去

氷

よく知られた方法ですから、行なったことがある方や、実践中の方も少なくないと思います。冷水シャワーや氷をかゆみのある部位に当てるだけ。その部分は麻痺しますから、かゆみも当然やわらぎます。

ただし、効果は持続しません。熱い風呂につかると元の木阿弥です。とくに水道水の塩素は、かゆみを確実にひどくします。冷水シャワーを患部にかけるなら、脱塩素シャワーを使うといいと思います。

4.蒸しタオル

蒸しタオルでかゆみがとれる

冷水シャワーや氷とは反対に、熱でかゆみを散らすのが蒸しタオル。わたしにはこちらのほうが断然効果的でした。

タオルを水をひたして軽くしぼり、電子レンジで温めます。500ワットで2分、600ワットなら1分30秒が目安。タオルを手のひらサイズに折りたたんで、かゆみの強い場所にぐいと押しつけます(やけどに注意)。そのまま冷めるまでじっと待つだけ。個人的には、冷やすよりずっと効き目がありました。しかも、効果が長続きします。

高温の刺激が、血管や細胞を活性化させるのでしょう。血行がよくなり、老廃物や毒素(かゆみを引きおこす原因)がどっと押し流される感じがしたものです。

毛穴が広がりますので、汗腺から毒素が一気に押しだされ、一時的に症状が悪化することがありますが、これはあくまで一時的なもの。1日3回で十分です。身体を活性化させるのが目的ですから、何度もやると効果が薄れます。

5.うがい薬(リステリン)とリンゴ酢

リステリンとリンゴ酢

うがい薬(リステリンなど)やリンゴ酢も、局所的なかゆみをやわらげるのに役立ちます。頭皮にも使えます。フケも抑えられます。

6.エッセンシャルオイル(精油)

ティーツリーオイル、オレガノオイル、ペパーミントオイル

エッセンシャルオイル(精油)も、局所的なかゆみ対策としてよく利用されています。わたしが利用してよかったのは、この3つ。

  • ティーツリーオイル
  • オレガノオイル
  • ペパーミントオイル

ただし、いずれも刺激がかなり強い。皮膚が傷ついていたり、弱っていたりすると、痛みを感じることがあります(肌が引き締まる感じがして、わたしは気持ちがよかったですが)。

ティーツリーオイルオレガノオイルペパーミントオイル
殺菌力がとても強い。ばい菌もウイルスも真菌(カビ)も一網打尽。皮膚カンジダに用いたら、98%の患者が完治か大幅改善した、という臨床研究も。天然の抗生物質と呼ばれている。ちがいは、医薬品のような副作用がないこと。抗カビ、抗菌、抗ウイルス、抗酸化作用が強い。カンジダ対策によく利用される。ペパーミントオイルにもやはり、抗カビ、抗菌作用がある。麻酔作用やかゆみどめの作用を持っていて、皮膚につけると爽快感とともにかゆみがスッとやわらぐ。
エッセンシャルオイル(精油)はどう使う?

そのままでは刺激が強すぎます。オリーブオイルやココナッツオイルなどのキャリアオイルで薄めて使うのがふつうです。濃度の目安は、

  • 直接肌につける場合、1~2.5%
  • 入浴剤に使う場合、3~5滴

瓶からの1滴は、0.05ml。つまり、小さじ一杯(5ml)のキャリアオイルに2~5滴が目安。刺激が強いので、患部がただれることもあります。初めて使う際はかならず、パッチテストを行ないましょう。

パッチテストのやり方ですが、1%に希釈したオイルを2か所(太ももや二の腕など)に塗って、絆創膏を貼りつけます。そして24間後と48時間後にひとつずつ剥がし異常がないかどうかを確認するのです。

さいごに

かゆみどめは、医薬品や医薬部外品としてもいろいろ発売されています。が、なるべく以上のような自然な方法を用いるべきだとわたしは思います(リステリンは自然なものではないですが)。副作用の心配がないからです。

体内の浄化が始まり、まっ先に減ってくるのがかゆみです。そうなれば、確実に完治の第一歩を踏みだしたと実感できるはずです。

さて、これで第六章はおしまいです。

5つのステップの最後の章、第七章「アレルギー対策(炎症沈静化)」はこちらから。