このブログの方法でアトピーが完治したのち、ひょんなことからカンジダ症になりました。
食事の乱れが原因です。炭水化物、とくに甘いものや辛いものの食べすぎ、さらにワインの飲みすぎなどが関係していたと思います。それで腸内環境が悪化した。たぶんまちがいない。
わたし自身の名誉のためにお断りしておきますが、食生活が乱れたのには理由があります。その話は後回しにするとして、まずはカンジダ症というものがなにかについてを簡潔にお話しします。
カンジダ症
カンジダは真菌(カビ)の一種です。イースト菌(酵母菌)に分類されます。女性のカンジダ膣症などを引き起こす菌ですね。腸内常在菌ですから、健康な人の腸にはかならずいます。必要だからですね。乳酸菌やビフィズス菌といった善玉菌たちの栄養源なのです。
問題が起こるのは、カンジダが大繁殖してしまった場合です。
原因はひとつ。腸内細菌のバランスが崩れることです。いつもカンジダの増殖を抑えこんでいる善玉菌がなにかの拍子に減ってしまうと、カンジダが腸内フローラの勢力地図を塗り替える、という筋書き。
すると、さまざまな支障が出ます。
いちばんの問題は毒素をまきちらし、腸粘膜を傷つけること。くわしくはリーキーガットの記事に書きましたが、まずこんな症状があらわれます。
- 便秘、下痢
- 胃腸の不快感、不調
- 膣炎(カンジダ膣炎)
- カンジダアレルギー
カンジダ症の原因
カンジダ症を引き起こす原因は、善玉菌の減少です。では、善玉菌を減らすのはどんなものなのか。
1.抗生物質の内服
抗生物質を内服すると、腸内の細菌が全滅します。善玉菌も悪玉菌も根こそぎやオダブツです。やってくるのは、カンジダの天下統一です。
2.食生活の乱れ
炭水化物の食べすぎはカンジダを増やします。糖質は彼らの餌なのです。砂糖や炭水化物(とくに精製されたもの)を食べると、カンジダが大喜びします。
このほか、お酒(アルコール)やコーヒーの飲みすぎ、辛いもの、食品添加物、農薬、魚に含まれる重金属なども、腸内細菌のバランスを崩す一因となっています。
3.水道水の残留塩素
日本の水道水は、先進国のなかでも目立って塩素濃度が高い。世界トップです。都市部※家庭の蛇口における残留塩素濃度はおおむね1ppm弱。プールの法定残留塩素濃度が0.4ppm~1ppmですから、プールの水より飲み水の塩素のほうが濃いわけです。
水道水に塩素を添加するのは、大腸菌の消毒が目的ですが、善玉菌も大腸菌と細菌ですから、水道水は真綿で首を絞めるように善玉菌までじわじわと殺しているのです。
※東京の水は最近浄化が進んでいます。東京都水道局は、都内の残留塩素濃度の目標を0.1~0.4ppmとしているようです。
4.薬
抗生物質以外にも、腸内細菌が間接的にダメージを受ける薬があります。
ステロイドや頭痛薬などです。ステロイドは免疫力を低下させ、腸内に細菌やウイルス、カビを招きいれます。すると善玉菌が弱ります。ピルや頭痛薬(イブプロフェン、アスピリン、インドメタシンなど)も腸粘膜を弱らせ、腸内を善玉菌にとって居心地の悪い環境に変えてしまいます。
5.そのほか
免疫不全、化学物質や環境ホルモン、寄生虫、甲状腺の機能低下、ビタミン不足なども、カンジダの増殖にひと役買っています。
また、糖尿病やブドウ糖代謝障害、副腎疲労の方も、カンジダ症を発症しやすいことが知られています。高血糖となった体内は、糖質を好むカンジダたちにとっては楽園なのです。
カンジダアレルギーとイースト菌アレルギー(イーストコネクション)
カンジダ症が引きおこす症状にはこんなものがあります。
赤ちゃんや子どものアトピーの原因になっているケースも多いそうです。
知っておきたいのは、カンジダ症が慢性化すると、カンジダのアレルギーが生じ、やがてイースト菌全般に交叉反応があらわれる可能性が高いということです。カンジダの仲間であるパン酵母やビール酵母、ワイン酵母に対しても、身体がアレルギー反応を示すようになるのです。「イーストコネクション」と呼ばれる症状です。
イースト菌を使ってつくられる食品には、こうしたものがあります。
- パン
- ビール、清酒、ワイン
- 味噌、醤油
- みりん、お酢
こうしたものにアレルギーが生じるのです。イーストコネクションになると、日常生活に支障をきたします。
わたしも一時、日本酒やワイン、味噌にまで反応が出ていました。お尻の湿疹が熱を持って赤くなり、ひさしぶりにかゆみが出現しました。お酢もダメでした。最初はイーストコネクション(カンジダとイースト菌のアレルギー)と気づかず、安物のまがい物だからダメなのだ、などと考えて、値の張る「福島の黒酢」や「八丁味噌」を買いこみました。
でもダメ。首をひねりました。
なんだか日本人失格の烙印を押された気分でしたね。味噌や醤油なしでも生きていける国に引っ越すしかないぞ、と。もちろん、そんな経済的余裕はありません(笑)。だから自力でカンジダを治療してやると決意。海外ではイーストコネクションはわりあいポピュラーです。書籍などもたくさん刊行されています。
こうしたものを参考に、カンジダを一掃した次第です。徹底的にやりました。湿疹のある状態というのは、それだけで大きなストレス。気分が滅入ります。ちなみにカンジダ対策はそのままリーキーガットの治療になります。
カンジダ症、カンジダとイースト菌のアレルギーになった経緯
食物アレルギーの検査結果に従って、毎日の食事からアレルギーのある食べ物を除去すると、身体がぐっと楽になります。
このとき心に根ざすのは、
- これがアトピーの根本原因だったのではなかろうか。
- 原因物質さえ食べなければ、もう再発はないのではなかろうか。
という考えです。
乳製品や卵、グルテンのアレルギーが、わたしのアトピーの原因だったのではなかろうか? という疑問が湧いたのです。
その思いは日増しに強くなっていきました。ある日、思い切って確かめることにしました。なにしろ、わたしは生来、好奇心のかたまり。食事の制約をすべてとっぱらいました。
炭水化物や甘いものを好きに食べる。深夜だろうが明け方だろうがお腹が減ったら食べる。食品添加物の入った身体に悪そうなものもむさぼり食う。お酒もがぶがぶ飲む。また食べる。
控えめにしていた辛いものも解禁としました。そばを食べるときは、まっ赤になるくらい七味をかけ、料理には唐辛子をぽいぽい投げこむ。自分のぶんは、妻や娘が白目を剥くくらい激辛にしていました。
2か月ほど問題なくやり過ごしました。よしよし。安穏としていたら、今回の事態に発展したのでした。
○ 腸粘膜が傷つく → 食物アレルギーが起きる
やはりこういうことなのだなあ、と痛感しました。
しかし、まあ大丈夫。以前の食事法に戻せばすぐ元通りになるはず。ところが今回なぜかうまくいきませんでした。1週間たっても改善しない(お尻に発疹がたくさん出ていました)。お通じが悪くなっていたので、冷蔵庫にあったビール酵母(妻用)を飲んでみると、湿疹がわっとひどくなってあたふたしました。でも、やめたらもとに戻る。数日空けてもう1度飲んだら、またわっと悪くなる。
このあたりで、カンジダ症を疑いだしたのです。
カンジダ症の人は、同じイースト菌(酵母)のビール酵母に交叉反応があらわれることがあると、いつか小耳にはさんだことがあったからです。そういえば、ワインを飲むと、いつからか身体が変調をきたすようにもなっていました。
そこで、カンジダのセルフチェックをやってみたのでした。
大当たり。残念。