世界一よくわかる、アトピーの原因

原因

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アトピーになったのは、腸が壊れたから。では、腸が壊れる原因とはなにか。いちばんは不健康な食生活です。ついで便秘。このほか水分不足やストレスも腸の健康と密接にかかわっています。アトピーの本当の原因を、世界一わかりやすく解説していきます。

アトピーの原因は、弱った腸と壊れた腸粘膜

アトピーになったのは、腸が壊れたから――これはもうわかりました。まだわからない、という方は、2つ前の記事からどうぞ。

ここからは、どうして腸が壊れてしまったのか、その原因をお話ししていきます。腸を弱らせた原因を知ることは、アトピーを完治させるためのいちばん重要な手掛かりです。

アトピーの4つの原因

アトピーの原因(腸が弱る原因)を重要な順番に挙げます。

  1. 食生活
  2. 便秘
  3. 水不足
  4. ストレス

抗生物質やピル、ステロイドなどの薬、水道水の塩素、運動不足など、ほかにもいろいろとありますが、いちばんの原因はやはり食事です。

アトピーの原因1.食生活

  • 肉食中心
  • 野菜不足
  • 外食やコンビニ弁当が多い
  • ジャンクフードの食べすぎ
  • 甘いものが好き

現代人は多かれ少なかれこうした食生活の泥沼にハマって抜けだせなくなってます。これがゆっくりと、しかし確実に健康を蝕んでいます。腸内にさまざまな食毒(食べ物に含まれる毒素)が溜まり、腸粘膜や腸壁を傷つけています。

不健康な食生活で腸内の善玉菌が激減。代わって悪玉菌が台頭。悪玉菌のつくりだす毒素も腸にさらなるダメージを与えています。

こうなると、さらに大きな問題が起きます。善玉菌が抑えこんでいたカビや細菌、ウイルスが爆発的に増殖するのです。

とくに危険なのが、日和見菌(ふだんはおとなしい腸内細菌)のひとつであるカンジダ菌がまたたく間に増えることです。カンジダは通常、善玉菌の監視下でおとなしくしているのですが、善玉菌が弱体化すると悪玉菌とグルになって、悪事を働きはじめます。

毒素を出して、腸粘膜や腸壁をめためたに破壊するのです。

悪玉菌と日和見菌(カンジダ菌)が善玉菌を尻目に腸壁を破壊

通常の腸は、善玉菌2割(理想は3割)に対し、悪玉菌1割、日和見菌7割のバランス。アトピーの腸は、善玉菌と悪玉菌の割合が逆転。さらに日和見菌のカンジダが急増しています。

アトピーの身体の腸内細菌のパワーバランスは完ぺきに崩壊しています。

カンジダ菌とは?

単細胞菌類(カビの仲間)で、地球上のすべてのヒトの腸管と粘膜に棲息しています。女性の膣内感染から赤ん坊のおむつかぶれまで、カンジダが原因です。

通常は、善玉菌や免疫システムが増殖を抑えていて、健康被害が起きるのを防いでいます。善玉菌が減ったり、免疫力が低下したりすると、たちまち増殖。カンジダ症を引きおこします。

カンジダ症は特定がむずかしく、世界中の多くの人がそれと気づかぬままに苦しんでいます。典型的な症状は、粘膜や皮膚の感染、倦怠感、うつ、アレルギー症状など。

アトピーの原因2.便秘

便秘で、腸のなかに食べ物が長時間とどまっている状態になると、食べたものは発酵します。つまり腐敗する。腐った食べ物のある環境は、悪玉菌やカンジダの増殖には恰好の舞台です。

彼らが出す毒素だけでなく、腐敗した食べ物から出る有毒ガスも腸を傷つけていきます。脱獄をもくろむ囚人のスプーンのように、腐敗ガスが腸壁に毎日確実にトンネルを掘っていくのです。

ここで注意したいのは、毎日便通があるからといって安心できないという点。重症だったころのわたしも、毎日1度はかならず便通がありました。それでも腸内に宿便(腐敗便)が溜まっているといったことは少なくないのです。

便秘の原因はさまざまです。食生活や水分不足、ストレスのほか、運動不足や薬の副作用なども排泄トラブルを引きおこしています。

腸粘膜と腸壁が弱るとどうなるか?

腸壁がどんどん薄くなっていきます。あちこちに穴が開きます。その穴は次第に大きくなっていきます。すると、消化されていない食物たんぱくがそのまま体内に入ってしまう。

悪血症(腸壁から毒素やたんぱく質が体内へ侵入し、血液やリンパが汚染される)

たんぱく質だけでなく、いろんな毒素がいっせいに侵入してきます。腸管には血管やリンパ管がつながっています。血液やリンパ液をまず汚染し、それから全身に運ばれていくのです。

この状態を「悪血症」といいます。

悪血症が、アトピーだけでなく、さまざまな生活習慣病の原因になっていると指摘する専門家も少なくありません。この結果、解毒と排泄のシステムがパンクします。毒素は新しい出口を求め、皮膚から外へ出てこようとするわけです。

食物アレルギーの発症がスタートするのは、この段階です。

ここで手を打っておけば、アトピーなどという大問題に発展せずにすんだのですが、当時のわたしはなにも知らなかった。そのため抗体がどんどん増えていき、いつしか複数の食べ物に対するアレルギーが定着してしまったのです。

ファミレスやコンビニ、ファストフード店の食べ物は、血液を酸性に傾けます。お肉や甘いものも、です。

血液の酸性度が増すと、これを中和しようとして、身体は大きな負担を強いられます。人間の血液は、つねに弱アルカリ性に保たれています。これが少しでも上下すると命にかかわりますから、身体は必死にコントロールしようとするのです。

排泄どころの騒ぎではなくなってしまうのです。正当な排泄機能がうまく機能しなくなります。有害物質や老廃物、毒素は行き場をなくしてしまう。そうして汗腺から押しだされてくるのです。

アトピーの原因3.飲み水

排泄、と聞くと、ほとんどのひとは「排便」を思い浮かべます。が、「おしっこ」も「汗」も「息」も排泄。わたしたちの身体は、4つの排泄機能を持っています。

排便、排尿、発汗、呼吸

これらがたがいに協調しあい、正常に働いている状態なら、アトピーになどならないのです。

飲み水が不足すると、「排尿」がうまくいきません。毎日しっかりと排尿を行なって、毒素を排泄するためには、十分な量の水が必要だからです。十分で、きれいな水です。

健康本などによく「1日に2リットルの水を飲みなさい」と書かれています。正しい。でも「きれいな」が抜けています。

ジュースやコーヒー、お茶などで2リットル以上飲んでいる、という方は少なくありません。が、そういうものはノーカウントです。健康な排尿には必要なのは、「きれいで十分な量の水」なのです。

アトピーの原因4.ストレス

  • 怒り
  • 憎しみ
  • 恨み
  • 悲しみ
  • 後悔

こういった感情が活性酸素をつくり、身体を酸化させることは、多くの研究が明らかにしています。ストレスで便秘になったり、腸内細菌のバランスを崩すこともよく知られた事実です。

他人に悪感情を抱くことで、わたしたちは自分の身体を傷つけるのです(自分が正しくても、です)。ネガティブな精神状態というのは、身体に悪いものを食べたとき以上に体内を酸化させるそうです。

なにかの本で、怒りに震えているひとの汗を調べたら毒素が見つかった、とありました。激しい恐怖で白髪になる、というのもほんとうの話です。育児ノイローゼの母親の母乳の質が低下していることもよく知られています。

心と身体を切り離して考えることはできないのです。このことは胸に留めておくべきです。

アトピーの原因である腸の状態は、身体の健康状態そのもの

以上のような原因のいくつかが同時に起こり、腸は壊れたのです。

もう十分におわかりだと思いますが、腸の働きは健康全般に強い影響をおよぼしています。いますぐケアしないと、いつかもっと重篤な病を発症する恐れもある。病名は違っても原因は同じ。腸の不調こそ、現代社会にはびこるあまたの生活習慣病を大きな原因なのです。

わが国で、アトピーなどの慢性皮膚病と腸との関係について語られるようになったのはここ数年のことですが、海外では半世紀前から注目していた専門家がいます。それよりずっと以前から、東洋医学や伝統医学では皮膚疾患を内臓の病と捉えていました。そして最近、世界中で「リーキーガット症候群」に注目が集まっています。日本語で「腸管壁浸漏症候群」。漏れている腸、という意味ですから、ここまで説明してきた内容とほぼ同じですね。

当ブログにも解説記事があります。興味のある方はご一読ください。

アトピーの原因のまとめ

腸が壊れた原因、すなわちアトピーの原因を時系例にならべてみます。

アトピーが進行する過程

  1. 誤った食生活が腸を痛めつける。
  2. 慢性便秘になり、宿便がたまっていく。
  3. 腐敗便の有毒ガスが腸を破壊する。
  4. 腸内細菌バランスが崩壊していく。
  5. 悪玉菌とカンジダが増殖。
  6. 彼らの放出する毒素が腸をさらに壊す。
  7. 腸壁が薄くなり、穴が開く。
  8. 破れた腸壁から毒素が体内へ入り、血液を汚染。
  9. 解毒と排泄のシステムがパンクする。
  10. 肌に症状が出る(汗腺からの毒素排出)。
  11. 腸壁の穴がますます広がっていく。
  12. 腸壁から食物たんぱくが侵入するようになる。
  13. 食物アレルギーになる。
  14. 食物アレルギーを起こす食べ物が増えていく。
  15. それぞれの食べ物のアレルギースコアがあがっていく。

10番目までが発病初期の段階です。

解毒と排泄のシステムが血中の毒素を必死で処理しようとしたけれど、追いつかなくなった。つまり、毒素の流入量が排泄量をうわまわった。このために皮膚から無理やり押しだされてきた。これがすべての始まりだったのです。

感覚的には、最初に症状が表面化するまでに数年(最低でも2~3年)は要していると思います。その間、水面下でじわじわと身体が汚れていっていたのです。

いったん症状が表面化したら、あとは早い。さまざまな食べ物にアレルギー反応を起こすようになるまで1年もあれば十分でした。

ひとり暮らしをはじめて(食生活が乱れて)から、3年ほどして湿疹が出るようになりました。やがて慢性化し、かゆみが強くなってきたため、皮膚科を受診しました。

そのときのアレルギー検査では陰性。総IgE値も基準値内。医師は「アトピーでもアレルギーでもないわね。この湿疹はなにかしら。変ね」なんていっていました。

仕方なく薬を使って抑えていたのですが、どんどん湿疹は悪化。1年後に別のクリニックで再検査をしたところ、多くの食物で高スコアのアレルギーを発症していました。当然、医師からはアトピー宣告を受けました。

健康な人でも肌に吹き出物ができたり、湿疹があらわれることはよくあります。身体によくないものを食べすぎたりして、一時的に皮膚から押しだされてくるのです。

ふつうはそこで終わる。

アトピーの場合、これが慢性化し、にっちもさっちもいかなくなっているのです。そして、この問題を放置していたために事態はますます深刻になってしまった。

11番目からは本格的なアトピーに突入していきます。

この段階を越えると、もはやなにを食べても反応してしまいます。医師が「アレルギー体質」と呼ぶものの正体はこれだと思います。

ステロイドなどの薬でその場しのぎを続け、現実に目をそむけているあいだも、身体はダメージを受けつづけています。その結果、こんなマイナススパイラルにハマっていく。

  • 新たな食物アレルギーを次々に発症。
  • それぞれのスコアがどんどんあがっていく。
  • 外用薬でも症状を抑えられなくなる。
  • 副腎疲労を起こす。
  • 悪血が冷え、身体のあちこちに滞留する。
  • カンジダに全身が蝕まれていく。

わたしも昔は、ステロイドやプロトピック、アレグラ(抗ヒスタミン剤)が手放せませんでした。薬ででけ焼き刃の治療を続けていたから、症状はますますひどくなり、難治化させてしまったのです。

この記事でいちばん大切なポイントは、

アトピーとは、食生活、便秘、水不足、ストレスが同時並行的に腸を弱らせているため、身体が毒素を適切に処理できない状態。

通常の解毒排泄器官がパンクしているために、皮膚にそのしわよせがきている、ということです。

わたしはアトピーをもう病気とは考えていません。アトピーをひとつの状態、「解毒と排泄のプロセス」ととらえると、いろんなことが腹にストンと落ちるからです。

最後にもうひとつ大切なポイントをお話しします――。

アトピーというプロセスを放置すると、食べられないものが日々増えていく。早く手を打たないと、いつか手遅れになる日がやってくる。

さいごに

アトピーは自然治癒力そのものです。湿疹やかゆみをともなう症状はすべて、出る必要があるから出ている。それを薬で封じこめるのは最悪のやり方だったと反省しています。

その結果、目をそむけた原因がさらに大きな不調をまねいたのです。あのとき自然治癒にただ身をゆだねておけばよかったのかもしれない。

湿疹もかゆみも炎症も悪者はない、ということです。不快な症状はすべて、身体が自分を治そうとしているあかしであり、それができなくなったときにこそ本物の病気に襲われるのです。

大切なのは、生活習慣を見直して、症状から自力で回復できる身体をつくることです。

次の記事は、アトピーという不健康なこの「状態」から抜ける方法は存在するのか、という話です。