ステロイドに対する、わたしの姿勢

ステロイド

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アトピー治療におけるステロイドの使用については賛否両論があります。「強い副作用がある」「副作用などない」と侃々諤々の議論を呼んでいます。いったいなにが本当なのか? 脱ステロイド(脱ステ)は正しいのか? 少し考えてみることにします。

ステロイドのイメージ

アトピーとステロイド

アトピーの方ならステロイドのことはよくご存じだろうと思い、このサイトでは過去あまり触れていませんでした。それに、ステロイドに対する意見には賛否両論があって、もう長いあいだ、実社会でもネットでも肯定派と否定派が侃々諤々やりあっているという状況です。

肯定派とは、主に医療関係者や、ステロイドを使用せざるをえない患者のみなさん。否定派とは、ステロイドの使用で難治化したと感じている患者さん。それから、脱ステロイド治療を手掛ける一部の皮膚科医(脱ステ医)です。あ、アトピービジネスの方々もそうですね(笑)。

たがいに非難しあっています。どちらにも与したくないですし、その論争に参加したくもありません。

先日、娘に湿疹ができて、かかりつけの小児科の先生に相談したとき、ステロイドの話が出ました。わたし自身は、ステロイドの連用による副作用で大変な思いをした経験があります。それで「ステロイドは使わないで様子を見たいのです」と伝えたところ、柔和だったその先生がぐいと身を乗りだし、怖い顔をして、説教を始めました。

「最近、そういう親が多くて困る。それは間違った考え。ステロイドを使わないというのはあなたのエゴ。娘さんがかわいそうだ」

あまりに一方的で、参ってしまいました。意見が違うからといって、なにも批判することはなかろう、と。

ステロイドがヒトの身体に深刻なダメージを与えることは事実です。連用すると効かなくなってくるし、皮膚炎は悪化します。事実というと、語弊があるかもしれません。わたしにとっての体験的真実なのです。それはちがう、そんな臨床データはない、とおっしゃるかもしれませんが、アトピーを発症してからの10年以上、ずっと自分の肉体を見つめつづけてきて、そう感じるのです。事実誤認といわれても仕方がない。

アトピーの方には、同じような感覚を抱いている方も少なくないように感じます。だからといって、ステロイドの使用を否定するつもりはありませんが。

ステロイドはアトピーの悪化原因なのか

わたし自身は、ステロイドとプロトピック(免疫抑制剤)の外用薬を使いつづけるうちに重症化、難治化しました。

医師には「ぱっと症状を抑えて、あとは保湿剤でコントロールしなさい」と言われましたが、ぱっと症状を抑えるということなど不可能でした。だらだらと塗りつづけてしまった。ステロイドの使い方が悪かったのかもしれません。

その結果、ステロイドなしには生活できなくなり(ステロイド依存症)、最後はまったく薬が効かなくなって、首がまわらなくなり――副作用の象皮症で皮膚が硬直し、文字どおり首がまわりませんでした――薬をやめましたが、その後のリバウンド(ステロイドの離脱症状)はそれはもう悲惨なものでした。

数年間、仕事も日常生活もめちゃくちゃになりました。家族には大きな負担をかけてしまった。だからこそ、安易に脱ステロイドをすすめることはできないのです。

ステロイドがアトピーの悪化原因になっているかどうかたしかなことはわかりませんが、抗生物質やピル、頭痛薬など、どんな薬も使わないにこしたことはありません。が、もし薬で症状がずっと抑えられるなら、いまの生活や仕事を維持するためにやむを得ないのかもしれません。

ステロイドの副作用

ステロイドの副作用をさらっとまとめておきます。医師の説明やマスメディアなどで耳にしたことのある話ばかりだと思います。Webにて「ステロイド」で検索した結果、上位に表示されていた、行政機関(千葉県)のホームページの記載情報を下敷きにしています。

※2013年時点。2014年には、このページはなぜか削除されました。

ステロイドは人間の生命活動に不可欠な物資で、全身の臓器に働きかけて、さまざまな調節機能を担います。元来、体内で産生されるホルモンですので、点滴注射や経口で体外から人工的に投与をつづけると、身体がつくりだすステロイドが減ってしまい、薬を中止するのが困難になります。

また、投与をしばらくつづけると、全身に変化があらわれます。

たとえば、ムーンフェイス(顔がまるくなる)、吹き出物ができやすくなる、毛深くなる、皮下組織が減る、ほっぺたが赤くなるといったものです。しかし、もっと重要な副作用がほかにあります。

  • 感染症に抵抗力がなくなって、結核などに罹患しやすくなる。
  • 白内障や緑内障の罹患リスクがあがる。
  • 高血圧や糖尿病、骨粗しょう症にかかりやすくなる。
  • 消化性潰瘍にかかりやすくなる。
  • 筋萎縮を起こす。

といったものです。全身に影響がでるのは、ステロイドが人間の身体のしくみと密接に関わっているからです。これを具体的にみていくと、

  • ステロイドは、細胞内にあるステロイド受容体のたんぱく質と結合し作用する。
  • さまざまな体内たんぱくの合成に関係している。
  • 体外からつづけざまに投与することで、身体のステロイドに対する反応が鈍くなる。これをステロイド不応症と呼ぶ。
  • ステロイド不応症のおきやすさには個人差がある。

といったことが挙げられます。

さて、ここまでステロイドの副作用を列挙してきましたが、この半面、それだけヒトの身体への作用が強力で、効果が高い、ということもいえるわけです。ほかの薬が効かない難治性の病気では、めざましい効果が見込めます。アレルギー系疾患には卓効がありますから、上手に使うことが必要です。

(千葉県ホームページの「QA」から)

さらにくわしく各副作用の症状について知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。ご自分の症状、あるいは症状の悪化がステロイドに起因するものなのかどうか知りたい方のお役に立つはずです。

脱ステロイド

前述のように、ステロイドはわたしたちの生命維持に深く関わっているホルモンですので、長期間使用すれば副作用はさまざまなかたちであらわれます。対症療法――ステロイドは表面的な皮膚症状を抑えるだけで、アトピーを根本から治す薬ではない――とはいえ、よく効く薬。それだけに副作用も強いのだと思います。

引用部分に「点滴注射や経口による投与で」とありますが、わたしの場合は(たぶん)外用薬のみで、ムーンフェイスや多毛症、吹き出物、感染症、筋萎縮があらわれました。そして最終的にまったく効かなくなりました。ステロイド不応症もあったのだと思います。

皮膚は萎縮して薄く硬くなり、ちょっとひっかいただけで破れて血がにじみました。炎症もかゆみも、薬を使いつづけるうちに初期症状からは想像もつかないくらい悪化しました。藁にもすがる思いであちこちの皮膚科をめぐりましたが、その先生たちが同情から顔をゆがめるほどにひどいありさまでした。うちでは手のほどこしようがない、と匙を投げられたこともあります。

食事を見直しても、入浴方法を変えても、サプリメントに頼っても、毎日運動をして汗をかいても、なにをやっても一向に改善しません。

使えば使うほどに症状がわるくなっている。そんな気がしてならない。

脱ステロイド以外に、もう道は残されていませんでした。ステロイドが体内から排出されれば、事態は好転するはず。

3年後――。

地獄のような苦しみからはほとんど解放されていました。あくまでわたしの個人的体験です。医師や肯定派の方々から、

「その脱ステロイド前のひどい症状とやらは、副作用などでなく、元々のアトピーが悪化していただけです。薬をやめてよくなったのも、たまたまそのタイミングでアトピーが治癒に向かっただけです」

そういわれたら、反論するだけの材料は用意できません。その後、アトピーが再発したのもほかの記事に書いたとおりですからね。

しかしここで、ある疑問が生じます。

いくら腸内環境の健全化に精をだしても、ステロイドやプロトピックを使っているあいだは、症状が消えることはないのではないか。

さきほども書きましたが、この答えはわたしにとってはブラックボックスです。アトピーが治った現在、確認のしようがないからです。ステロイド否定派は脱ステの必要性を熱心に説きますが、脱ステの過程はそれはもう筆舌に尽くしがたいものです。

やはり生活習慣をあらためながら、徐々にステロイドの使用量を減らしていく、ということがいちばんだと思います。

ステロイドのみに頼るのは大間違い

こんな主旨のメールを以前いただきました。

厳しい食事制限を行なってまで、アトピーを治そうとは思わない。いまはでなんとかなっているのだし、これからもステロイドを使いながら、好きなものを食べて暮らしていきたい。イチローさんはどう思われますか?

炭酸飲料やスナック菓子、砂糖、食品添加物のたくさん使われたファストフードや加工食品がアトピーによくないのは承知しているが、やめたくはないとのことでした。

それはそれでひとつの考え方だな、とそのときは思いました。

でも、アトピーであることを続けていると、食べられないものが増えていく恐れがあります。腸に穴が開いた状態(俗にいうリーキーガット)では、食べたものがきちんと分解されず体内に侵入してきます。身体は未分解の食物たんぱくに日常的にさらされます。すると、食物アレルギーを起こす食べ物が当然ながら増えていく。それを放置していると、抗体が体内にどんどんと増えていく、アレルギーのスコアはあがっていきます。

わたしもそうでした。

もちろん治したいと思わなかったのではなく、治し方がわからなかったのですが、ともかく原因とはつゆ知らず10年も放置したため、昔はなんの問題もなかった乳製品や卵が食べられなくなっていました。

こうなると外食が非常にしづらくなります。ファミレスのアレルゲン情報をみると、ほとんどのメニューに一方あるいは両方が使われていますからね。人付き合いに支障をきたすことも出てきます。

アトピーと診断されたら、即刻手を打つべき、わたしのようになるまえに治すべきし、と痛烈に感じています。


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管理人/イチロー

アトピー歴十数年。数年前、ずっと目をそむけてきたアトピーが仕事もできないほど悪化。否応なく病気とがっぷり四つに組み、100日かけてねじふせました。その実践術のすべてを公開します。また食生活アドバイザー(社団法人FLAネットワーク協会認定)の視点から、健康に暮らしていくための正しい食事法を提案。ひとりでも多くの方が、あの苦しみから逃れられますように。
ステロイドに対する、わたしの姿勢” への2件のフィードバック
  1. ちょる 返信

    はじめまして、ホームページ拝見させていただきました。私はもともとアトピーが幼少期あり大人になるうちに手湿疹がたまに出るのみで落ち着いていました。しかし、1年前の27歳のとき頬に湿疹が出来てステロイド(テラコートリル軟膏)を使うと一旦おさまり、また湿疹が出てきてを繰り返しています。医師からはアトピー素因による慢性湿疹と言われました。以前一ヶ月間脱ステを試みましたが、頬が痒くてつらくて耐えられず薬を塗ってしまいます。やはり塗っているままだと食生活等改善しても治るのは難しいですか?ステロイドを塗らないと生活が出来なくなるほど痒くなります。

    • イチロー 投稿作成者返信

      ちょるさん、はじめまして^^

      うーん。ごめんなさい。これはわたしにはわかりません。

      ただひとつはっきりしているのは、ステロイドは薬ということです。どんな薬にも副作用があります。だから連用はよくない。医師は「ぱっと使って症状を抑えこんで、あとは保湿でね」なんていいますよね。だらだら使いつづけても大丈夫、という説明をした医師は、わたしが知るかぎりひとりもいません。

      ステロイドの副作用としてよく知られているのは、免疫力の低下、連用による副腎機能の衰退、ステロイド皮膚炎など。こうした副作用を知ったことと、ステロイドを使ってから症状がみるみる悪化していったこともあり、わたし自身は使用を打ち切った次第です。むろん正解だったと考えていますが、リバウンド※は筆舌に尽くしがたいものでした。

      ※もともとの炎症が表面化しただけで、ステロイドにリバウンドなんてないという専門家もいますけれど、免疫力が落ちていたり、副腎皮質ホルモンが体内でつくれなくなっていたりしていれば、使用を中止したら炎症はひどくなって当然ですし、それをリバウンドと呼んでもさしつかえなかろう、とわたしは考えています。

      いちばんいいのは、食生活の改善にとりくんで、減薬していく、という流れだと思います。ただ、冒頭に書いたようにこれが可能かどうかは、残念ながらわたしにはわかりません。

      あまり参考にならないお返事でごめんなさい。どうぞお大事になさってくださいね。いろいろうまくいくことをお祈りしています^^

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