ヨーグルトはやめるべき!? おすすめ一覧、食べ方、注意点

ヨーグルト

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アトピーやアレルギーの抑制効果があるヨーグルトを一覧とともにご紹介。ヨーグルトを手づくりする方法や、アトピーの方が実践するべき食べ方、ヨーグルトを食べることによる健康リスクまでをわかりやすく説明しています。ヨーグルトなんて食べても意味がない、という意見とその理由もお話します。

ヨーグルト

生蜂蜜かオリゴ糖を書けて。季節のフルーツを入れて食べるのもおいしいものです。

アトピーに効果のあるヨーグルト

一時期、わたしは熱心にヨーグルトを食べていました。ふつうはデザート感覚だと思いますが、わたしの場合は食事そのものでした(笑)。

もちろん乳酸菌の力を使って、腸内の細菌バランスを改善するのが目的。乳酸菌やビフィズス菌は悪玉菌やカンジダを減らし、粘膜を保護し、アレルギーを緩和してくれることで知られていますからね。

海外ではリーキーガットカンジダの治療を目的に、ケフィアヨーグルトを食べる人も多いそうです。

ヨーグルトに含まれる乳酸菌にもさまざまなものがあります。なかには、アレルギーやアトピーの改善に効果があると謳っているものもあります。タカナシの「おなかへGO!」や、オハヨーの「L-55」、小岩井の「KW乳酸菌」などです。

ヨーグルトと自分の腸内細菌との相性は、1日200gを7~10日間食べつづけ、身体の様子が変わってきたかどうかをチェックするのがいいそうです。

アトピー改善効果のあるヨーグルト

以下はアトピー改善に役立ちそうなヨーグルトです。試すつもりで調べました。

メーカー商品名菌種健康機能
フジッコカスピ海ヨーグルトクレモリス菌FC株アトピー抑制、免疫活性、肌荒れ改善、整腸、
グリコおいしいカスピ海クレモリス乳酸菌CHCC2907株アトピー改善、免疫活性、整腸
メイトー増加型ビフィズス菌LKM512ヨーグルトビフィズス菌LKM512アトピー抑制、腸内ビフィズス菌増加、整腸
メイトーおなかにおいしいヨーグルトビフィズス菌LKM512アトピー抑制、腸内ビフィズス菌増加、整腸
タカナシおなかへGG!LGG乳酸菌アトピー抑制、アレルギー抑制、整腸
小岩井大人の元気ヨーグルトKW3110株アトピー抑制、アレルギー抑制、整腸
オハヨーL-55L-55乳酸菌アレルギー抑制、整腸
あせひらあせひらヨーグルトLP28株乳酸菌アレルギー抑制、免疫活性、整腸
明治ブルガリアLB81乳酸菌肌荒れ改善、整腸
雪印ナチュレ恵ガゼリ菌SP株、ビフィズス菌SP株免疫活性、整腸、メタボ、抗酸化作用
カゴメ植物性乳酸菌ラブレプレーン(ドリンク)ラブレ菌免疫活性、整腸
森永ビヒダスBB536株免疫活性、整腸
ヤクルトヤクルト(ドリンク)シロタ株免疫活性、整腸 ※砂糖使用
よつ葉北海道十勝プレーンヨーグルト生乳100ビフィズス菌Bb-12免疫活性、整腸
明治R-1R-1乳酸菌整腸、インフルエンザ、風邪
セブンプレミアム北海道ヨーグルトLA-2乳酸菌整腸

ちなみにわたしが手始めに食べたのは、セブンプレミアムの「北海道ヨーグルト」。何の変化も感じられなかったので、次は「カスピ海ヨーグルト」。てきめんでした。夜食べたら、放屁がとまらず、その日の夜にはもう排便。翌日から便通がぐっと改善。ヨーグルトジプシーにならずにすみました。1日600グラムほど食べていました(笑)。

というわけで、上に挙げているヨーグルトの大半を食べていませんが、ほんとうはいろいろ試してみたかった。酸味の強いもの、コクのあるもの、さっぱりしたものと、それぞれ味わいに差がありますので、食べくらべるのも楽しいですからね。

ヨーグルトの食べ方

ヨーグルトはいつ食べる?

食前です。食前に食べることで、おなかがふくれて、食べ過ぎを防げます。プレーンヨーグルトひと箱で300kcalくらいありますから、低脂肪のものを選ぶのも一手。

わたしは乳酸菌の餌になる生蜂蜜かオリゴ糖をかけていました。生蜂蜜の有機酸には善玉菌を増やす働きがあります。オリゴ糖は乳酸菌の大好物。砂糖のように、アトピーを直接悪化させることもありません。

といっても、使いすぎは禁物。カンジダも喜んでいますから。

ヨーグルトは温めて食べる

電子レンジで1分ほど温めれば(上写真)、胃腸を冷やさず、消化にもいいと聞き、しばらくそうしていました。

が、電磁波が生菌を殺すのではないかと思い、途中から電子レンジはやめ、湯煎に切り替えました。小鍋にお湯を用意して、容器ごとしばらく浸けておくだけです。乳酸菌は熱にとても弱いので、お湯は人肌です。

アトピーにヨーグルトは不向き?

さて、じつはここからが本題です。

運命のヨーグルトと出会ったわたしでしたが、毎日会っていたら倦怠期を迎えてしまったのです。乳製品の過敏症(遅延型食物アレルギー)になってしまった。どう考えても、ヨーグルトの食べ過ぎが原因ですね。乳製品を食べると具合が悪いと感じるようになり、犯人はひょっとしてこいつらではないかと疑いを持ちはじめました。

くわしい経緯は以下の記事に書きましたが、アレルギー検査を受けてみたら「クロ」だったのです。

乳たんぱくが弱った腸粘膜から体内に侵入し、気づかないうちに抗体がどんどん溜まっていったのでしょう。アトピーの人は乳製品や卵を頻繁に食べていると食物アレルギーになりやすいといわれますが、それを身をもって立証したわけですね。トホホ。

なお、過敏症(遅延型食物アレルギー)は、はっきりした自覚症状があらわれないこともあります。けれど原因となっている食物を食べつづけると、抗体と抗原の複合体が体内に蓄積し、長い目で見ると、肉体が大きなダメージを受けていきます。

この経験から、腸粘膜の再建が進むまで、アトピーならヨーグルトを毎日食べるのをよすべきだぞ、とわたしは考えるようになりました。せめて1日置きにしておけばよかった。

さらにあとで知ったのですが、乳製品アレルギーでなくても乳製品は毎日摂るべきではないのです。

ヨーグルトでは腸内細菌叢は変わらない?

ところで、腸内環境の改善を期待してヨーグルトを食べても無意味だという専門家もいるようです。その論旨はこう。

ヨーグルトは数のうえでも能力のうえでも力不足

わたしたちのには100兆個の微生物がいます。

  • 100,000,000,000,000個

1000兆個という説もあります。

  • 1,000,000,000,000,000個

これは地球上の全人口のおよそ1万5000倍に相当します。それがすべて、お腹のなかにいるわけです。

もし彼らのすべてが基本的にわたしたち人間に「友好的」だとしても、細菌同時が友好的な関係築いているかというとそうではありません。それぞれの種は仲間同士でかたまって、ほかの集団とつねに陣取り合戦を繰りひろげています。弱い相手は容赦なく叩きだします。仲間同士でも食べ物の争奪戦を展開しています。そして少しでも豊かな領土を求めて移動しています。そのための鞭毛を持っています。そんな戦場に、カップ入りヨーグルトの乳酸菌やビフィズス菌は入っていくのです。

彼らはいわばよそ者。人生初の海外旅行に浮かれている、農協のおじさんたちみたいなものです。もちろんそこが戦場だということはご存知ない。栄養豊富なヨーグルトでのんびりしているおじさんたちは、数でいうと100億ほど。いまから見知らぬ土地の戦闘に巻きこまれるのです。100億個と聞くとそれなりの数に思えますが、1000兆個に比べるとゼロが5つも足りない。

  • 1,000,000,000,000,000個
  • 10,000,000,000個

いかにも頼りない集団ですね。

しかしおじさんたちはひとりで10万の敵に立ち向かわないといけない。卵から孵化したばかりの稚魚が大海原に投げだされて戸惑うように、ヨーグルトにいた菌も行き先を見失っておろおろします。そこへ腹をすかせて待ちかまえている先住部族が襲いかかる。それを退け、自分たちの居場所を確保するのは並大抵のことではありません。

旅行者は数の面で不利なばかりでなく、戦闘能力にも大きなハンデがあるのです。旅行者はみんな同じ遺伝子を持つ細菌ですから、同じ戦い方しかできないのです。

腸内にうごめく1000種以上の先住菌たちには数百万という遺伝子があるといわれています。その数だけの戦術を有しているということです。

でも旅行者の戦い方はワンパターン。ヨーグルトにわたしたちの健康状態に貢献する力があったとしても、宿主の腸内できちんと仕事がこなせなければ、わたしたち自身もその利益を享受できませんね。

以上のようなことが、ヨーグルトなんて食べても無意味だ、という方たちの論拠です。

逃げだす乳酸菌

さいごに

そんなふうに筋道立てて説得されると、なんだかそんな気がしてきます(笑)。

が、カスピ海ヨーグルトがわたしのおなかの健康に貢献してくれたのも事実。1日600グラムも食べていたからでしょうか。10万人に7~8人で立ち向かえば、なんとかなるのでしょうか。はたまたカスピ海ヨーグルトの菌たちは、一騎当千の強者ぞろいなのでしょうか。あるいはわたしの気のせいだったのか――。

ヨーグルトが食べられなくなってから、わたしはぬか漬けザワークラウトを手づくりするようになりました。乳酸菌サプリ(参考:乳酸菌サプリ比較)にも目を向けはじめました。すると、ヨーグルトを食べていたころよりさらにおなかの調子はよくなりました。

これもまた事実。

ヨーグルトは動物性のたんぱく質と脂肪のかたまりです。消化に悪い。おなかにもたれることがあります。悪玉菌も増やします。その点、植物性の乳酸菌やサプリなら安心。カロリーもほとんどありませんからね。

そんなわけで、遅まきながら、ぬか漬けとザワークラウトをおすすめしておきます。

以下のページでは、乳酸菌やビフィズス菌のアトピー改善効果、免疫活性作用、腸粘膜保護機能に関する、最新の研究データを盛りだくさんで紹介しています。プロバイオティクス(生きている有用微生物)が直接あるいは間接的にアトピーを癒やしてくれるのはたしかです。そして微生物の力を借りる方法は、ヨーグルトのほかにもたくさんあるということを知っておいてくださいね。


『なぜ「牛乳」は体に悪いのか ―医学界の権威が明かす、牛乳の健康被害』(東洋経済新報社)フランク・オスキー・著、『牛乳・乳製品の知識』(幸書房)堂迫俊一・著、『医者いらずの食 (veggy Books) 』(キラジェンヌ)内海聡・著、『アレルギー医療革命 花粉症も食物アレルギーも治せる時代に!』(文藝春秋)NHKスペシャル取材班・著、『食べるな、危険!』(講談社)日本子孫基金・著、『最新 食べるな、危険! その不調の原因はここにある。』(幻冬舎)小若順一・著、『「強い体」をつくる食べ方』(マキノ出版)内海聡・著、『あなたの体は9割が細菌: 微生物の生態系が崩れはじめた』(河出書房新社)アランナ・コリン・著、『失われてゆく、我々の内なる細菌』(みすず書房)マーティン・J・ブレイザー・著