1日2食&少食 〜アトピーに必要なのは栄養でなく休養

少食、朝食抜き

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過食は万病のもと。アトピー完治への第一歩は、朝食抜きの1日2食の食生活から始まります。さらに小食によって、胃腸に十分な休養を与える。すると腸の修復が進みます。隙間だらけの腸粘膜から体内に侵入していたアレルゲンをブロックできるようになれば、肌の炎症は消えます。

朝食抜きの1日2食が、アトピー完治への第一歩

1日3食しっかり食べていると、胃腸は1日中働きどおしで、休む暇がありません。すると傷ついた腸壁を修復する時間がとれません。そればかりか、消化力の落ちた状態で過食すると、食べたものを完全に消化できなくなります。

これが宿便になります。

宿便は大抵、数週間で発酵、分解されて消えてしまいますが、その過程で腐敗が進みます。腐敗毒素が血液に乗って全身にまわり、さまざまな病気を引き起こすのです。

もちろんアトピーもそのひとつ。

さらに消化しきれなかった食物たんぱくや、食品中の添加物農薬カビ、重金属などの有害物質、宿便の毒素……こうしたものがすかすかの腸壁から体内に侵入し、血流に乗って全身に運ばれていき、炎症を引き起こしているのです。

朝は水か青汁、あるいはニンジンリンゴジュースだけにする

青汁

朝1杯の青汁は、腸の再建や体内浄化、デトックスに必要な栄養素を補給するのにうってつけです。

朝は、青汁を400~500cc飲むだけの1日2食がベストです。

大切なのは、夕食から翌日の昼食まで、最低16~18時間は空けるということ。昼食が12時なら、前日の夕食は18時ごろには食べ終える。どんなに遅くとも20時までには夕食をすませるべきです。

朝しっかり食べておかないと力が出ない、脳に栄養がいきわたらず勉強や仕事に支障が出る、そういう話をよく聞きますが、慣れれば問題ありません。

ひと昔前まで、脳のエネルギー源はブドウ糖だけだと考えられていましたが、これはまちがいだとわかっています。血中のブドウ糖が不足すると、わたしたちの身体は脂肪や老廃物からエネルギーをつくりだして利用することがわかっています。

脂肪や老廃物が減ると、そのぶん肌もきれいになります。一石二鳥ですね。

ニンジンリンゴジュースで毎朝、ビタミンとミネラルを補給

いきなり朝食を抜くのがつらいとか、身体がついていかないというなら、ニンジンリンゴジュースがおすすめです。

わたしも最初のころは毎朝、ニンジンとリンゴでコップ2杯分のフレッシュジュースをつくって飲んでいました。

現代食はビタミンやミネラルが不足しがちです。精製された食品からは、ビタミンやミネラルが削ぎ落とされているからです。さらに糖質過多の食生活は、体内のビタミンとミネラルを過剰に消費しています。

お米の脱穀というのはつまり、ビタミンやミネラルをたっぷり含んだ胚芽をとりのぞくということ。砂糖も同じ。黒糖から砂糖をつくる過程で、ビタミンとミネラルを含む糖みつを遠心分離器で除去します。

ニンジンには、ヒトの身体に必要な約130種のビタミンとミネラルがすべて含まれています。リンゴも栄養満点。自然な糖分が血糖値をあげてくれるから、低血糖で朝から頭がぼんやりする、ということもありません。

朝食なしの生活に身体が慣れるまでは、ニンジンリンゴジュースに頼るのもいいと思います。飲みだすと、やめられなくなりますが(笑)。

ニンジンリンゴジュース

絞りたてのニンジンリンゴジュースのうまさたるや、言葉では表現できないほど。起き抜けの身体が息を吹き返すのがわかります。リンゴ酸には消炎作用がありますし、リンゴを入れることで風味がぐっとよくなります。デトックス効果の非常に高い1杯です。

胃腸を休ませると排毒が盛んになり、宿便も出る

ヒトの身体は消化の最中、排泄作業をストップします。

だから過食は、老廃物や毒素を体内に溜めこむ原因なのです。反対に胃腸を休ませると、これまで消化に使っていたエネルギーを排泄や解毒にまわすことができます。体内に堆積した化学物質や毒素、老廃物を外へ押し出す働きが活発化するのです。

宿便も出ます。

1日2食にして1か月ほど経ったころ、わたしは夕食後、連続5回もトイレに駆け込む羽目になりました。黒く異臭を放つ便が大量に出ました。排便後、皮膚の炎症がみるみる癒え、お肌がすべすべになったのをはっきりと覚えています。

これはほんの一時的なものではありましたが、肌のコンディシヨンは血液の状態をダイレクトに反映しているのだと実感した体験でした。

1日2食にして腸を休ませることで、滞っていた便通が改善します。そうなれば、治癒は飛躍的に早まるのです。

治癒をさらに早めたいなら、1日1食でもいいくらいです。ビートたけしさんやタモリさんはデビュー当時から1日1食だそうです。このほか水谷豊さん、千葉真一さん、GACKTさん、京本政樹さん、未唯さん(元ピンクレディー)なども健康のために1日1食を実践されています。みなさん、お元気そうです。

夜食と間食をやめる

夜食や間食はつつしみました。

消化には順番があるからです。夜食や間食はこれを邪魔します。消化器に負担をかけるうえ、食べたものがきちんと消化されなくなってしまいます。さきほどもお話ししたように、これは皮膚の症状の大きな悪化要因です。

消化の順番って?
胃に送られた食物は胃液と混ぜ合わされ、たんぱく質はポリペプチドに分解されます。次の小腸では、すい液や胆汁、腸液を分泌。これらは弱アルカリなので、胃酸の酸性を中和します。

たんぱく質やポリペプチドをアミノ酸に、脂肪を脂肪酸とグリセリンに、炭水化物をブドウ糖などに分解したら、腸壁から吸収。

最後の大腸では消化酵素の分泌はありません。水分の吸収が中心。残った不消化物や消化液などは便として排泄されます。

少食にする(食事の量を腹6分目まで減らす)

朝食抜きに慣れてきたら、食べる量を減らすということを意識するようにしました。

腹8分目からはじめて、最終的には腹6分目。休んでいた消化器をいたわるという意味で、とくに昼食はなるべく軽くすませるようにします。

食べる際はよく噛みます。50~100回咀嚼してから飲みこむようにすると、唾液の酵素が消化を手助けしてくれます。満腹中枢がほどよく刺激されて、少量でもお腹がふくれます。

食事の際は、食欲や胃腸や肝臓のキャパシティをうわまわる量の食べ物をおなかに詰めこんではいけません。野菜はわたしたちの身体と腸内細菌の両方に栄養を届け、健康の鍵を握る腸内細菌たちのバランスを整えてくれることを忘れないようにしましょう。

少食生活の利点

少食生活には、アトピーを癒やすだけでなく、健康寿命を伸ばす、細胞内解毒を促進するなど、ほかにもメリットがいろいろあります。せっかくですので、ついでにここでお話ししておきます。

ちょっと話が脱線しますので、時間のない方は読み飛ばしてください。

1.少食で、動物は健康に長生きできる

欧米の医学や栄養学の世界では何十年も前から、摂取カロリーを30~40%に制限した動物の寿命は、好き放題食べている動物に比べて格段に長く、がんの発症や老化が遅くなる、という研究がたくさん発表されています。

米国の国立老化研究所では、摂取カロリーを60%に抑えると、寄生虫からサルまで、寿命が50%も延びることが動物実験でたしかめられたそうです。

究極的なカロリー制限ともいえる断食では、皮膚の若返りが著しく、シワが消え、そばかすや発疹、吹き出物が消えていく、と複数の専門家が指摘しています。

カロリー制限(少食)は、免疫力や抗炎症作用を高め、糖尿病のリスクを減らし、心臓を強くするのです。老化の速度は遅くなり、健康寿命も延びるのです。

1日2食の少食生活は、アトピーの完治に役立ったばかりでなく、こうしたメリットも同時に与えてくれたのです。まさにいいことずくめです。

2.1日2食は、自然免疫力を高める食事

1日2食というのは、じつは武士の食事と同じです。武士というのは、命を張る職業です。そのため健康管理には万全の注意を払っていたといいます。体調を崩すことは死に直結したからです。

そんな武士たちが武芸とならんで重要視していたのが、粗食なのです。「玄米と一汁一菜」「1日2食」が基本でした。はほとんど口にしなかったそうです。

現代栄養学から見ると、これは不健康な食生活ということになります。たんぱく質と脂肪が欠乏した、きわめてバランスの悪い食事です。でも彼らは病気なんてほとんどせず、いつも知力胆力を全身にみなぎらせていました。貴族たちが美食して、身体を壊してばかりいたのと対照的に。

粗食や少食は、健康維持の観点から見てもほんとうは理にかなっています。たとえば空腹は、オートファジー(細胞内解毒システム)のスイッチをオンにします。オートファジーについては断食のところで説明しますが、体内に溜まったゴミを細胞がみずからエネルギーに変えて利用してくれるという、自浄作用のひとつです。

こうした面からも、健康を守るには空腹を感じることがとても大切なのです。

ただし、朝昼晩とどんぶり飯をかっこんでいた方がいきなり1日2食にするのは無理があるかもしれません。そういう場合、まずは間食と夜食をやめる、次に朝食をニンジンリンゴジュースか青汁だけでする、それから食べる量を少しずつ減らしていく、というふうに、段階を踏むとうまくいくのではないかと思います。

朝食抜きの少食で便秘になったら?

食事の回数と量を減らすと、最初は便秘がちになります。

そんなときは緩下剤の水酸化マグネシウムが便利です。一般の便秘薬は腸壁をただれさせ、強引に排便を促すしくみですが、水酸化マグネシウムは腸内に水分を蓄えて便を出すので、腸への負担がなく、腹痛が起こることもありません。習慣性も副作用もないとされています。

さいごに

食事制限をあまりガチガチにやると、ストレスの種になってしまいます。ストレスはアトピーの天敵です。

食事内容や量をセーブしているからこそ、わたしは「食」から無理に目をそむけるのでなく、貴重な食を楽しむ、ということに目を向けました。ストレスからどか食い、なんてことになると元も子もありませんからね。