アトピー改善に役立つビタミンとミネラル
アトピーの症状を抑え、治癒を早めるにはどのビタミン、ミネラルを摂ればいいのか。くわしく説明していきます。
なお、アトピーが治るまでと割り切って、わたしはサプリメントを利用しました。野菜をたっぷり食べているとはいえ、少食にしています。たまに断食も行ないます。長患いでぼろぼろの身体――腸や皮膚を癒やし、デトックスを促進するためには、現在の摂取量ではとても足りないと考えたからです。
治癒に役立つ栄養素をサプリメントで手っとり早く補えば、アトピーの完治までの時間を早められる、そう考えたわけです。
ビタミンB群
最初にわたしが注目したのは、ビタミンB群。そのなかでもビタミンB12は重要です。アトピーの炎症を悪化させる一酸化窒素を除去するのに役立ちます。
わが国の厚労省の定めたビタミンB12の必要摂取量は2.4μg。アトピーの場合は1000μgくらい摂らないと意味がないという専門家もいます。ビタミンB12はほかのビタミンB群と一緒に摂取することで、効率よく働きます。
ビタミンB群で次に目を向けるべきなのが、まずビタミンB1。ビタミンCとタッグを組んで、副腎の働きを促進させます。体内で自前の副腎皮質ホルモン(ステロイド)を分泌するのを手助けするのです。また、ビタミンB5は有害物質の排泄に役立ちます。1日50mg程度が摂取の目安といわれています。
ビタミンB2とB6は、アトピー特有の赤ら顔を改善する、という指摘があります。摂取目安はそれぞれ1日50mg。ちなみにビタミンB2が不足すると、皮膚炎が起きやすくなるそうです。ビタミンB6は、肌の潤いに欠かせないセラミドの生成に使われるビタミンです。
ビタミンB群のサプリメントを摂りはじめてからというもの、肌がしっとりしてきたように感じました。
●B12/干しのり77.6μg、カタクチイワシ64.5μg、シジミ62.4μg、赤貝59.2μg、筋子53.9μg●B1/豚ヒレ肉1.22mg、ボンレスハム0.9mg、たらこ0.71mg、炒りごま0.49mg、玄米0.41mg●B2/豚レバー3.6mg、牛レバー3mg、脱脂粉乳1.6mg、アーモンド(フライ)1.11mg、どじょう1.09mg●B6/ニンニク1.5mg、ピスタチオ(炒り)1.22mg、ひまわりの種(フライ)1.18mg、マグロ(赤身)1.08g、唐辛子1mg
ビタミンC
強力な抗酸化作用をもつビタミンです。皮膚のバリア機能を低下させる活性酸素を除去してくれます。
副腎の副腎皮質ホルモン(ステロイド)分泌に欠かせないビタミンでもあります。ステロイドは肌荒れを治し、湿疹を抑えるのに不可欠です。自分の身体がつくりだすステロイドにはもちろん、外用薬や内服薬のような副作用もありません。
ステロイドを長期間使用した方は、副腎疲労(副腎の機能低下)を起こしている可能性が高い。わたしも10年前、外用薬を数年間使いましたから、ビタミンCは大量に補給することに決めました。朝昼晩と就寝前の1日に4回、計5グラムをサプリメントから摂取していました。ビタミンCを多く含む柿の葉茶を飲んだり、ブロッコリーを食べたりもしていました。
なお、ビタミンCは歯を溶かします。かぶせ物の歯科金属も溶けます。飲んだあとは、しっかり口の中をすすぐようにします。
グァバ220mg、赤ピーマン170mg、芽キャベツ160mg、パセリ120mg、ブロッコリー120mg、ゴーヤ76mg、キウイ69mg
ビタミンD
ビタミンDは動物性食品からコレステロールとして体内に取り込まれ、日光をたっぷり浴びることでビタミンD3に変わります。免疫システムを強化し、糖尿病や心疾患、腎臓病、高血圧、不眠症、がんなどのリスクを低下させることで知られています。アトピーの改善あるいは悪化にも深く関わっています。
ところが現代人は総じてビタミンDが不足しがち。成人も子どもも半数以上が必要レベル未満だそうです。ましてや食事制限をしていたり、あまり外出しない方は、ビタミンDの不足傾向がかなり強い。摂取目安は、1日1000~2000IU。わたしはサプリメントから1日2000UIを摂取するように心がけました。
白キクラゲ(乾)970μg、白キクラゲ(茹で)93μg、しらす干し(半乾燥)61μg、身欠きニシン50μg、筋子47μg、鮭32μg
亜鉛(銅入り)
亜鉛は皮膚の健康と密接に関わっています。体内の約300種類の酵素の産生にも不可欠ですし、肌のコラーゲンの生成にも大きく関わってきます。痛んだ皮膚の修復に役立つ、ということです。摂取目安は、1日15~30mg。
亜鉛を摂取する際に注意すべきなのは、同時に銅を摂ることです。構造が似ているため、亜鉛をたくさん摂ると、銅の相対的な不足が起きることがあるそうです。亜鉛と銅の摂取比率は15対1が理想です。
亜鉛のサプリメントを飲むことで、傷の修復が早まった感じがありました。
牡蠣13.2mg、豚レバー6.9mg、鶏レバー6.9mg、ワタリガニ3.7mg、牛もも肉4mg、牛レバー3.8mg、ホタテ2.7mg
カルシウム
完治まで、肉と乳製品(ヨーグルト以外)を断っていました。症状がひどいときはお魚も食べませんでした。すると問題になってくるのは傷の修復が早まったが、カルシウムの不足です。これを回避するには、サプリメントが手っとり早い。1日850mgを摂取しました。食事に含まれるぶんも加味すれば、1日の必要摂取量は楽々クリアーできます。
干しエビ7100mg、カタクチイワシ(煮干し)2200mg、桜エビ(素干し)2000mg、パルメザンチーズ1300mg、炒りごま1200mg
さいごに
ビタミンAも皮膚や粘膜の修復、維持に欠かせない栄養素です。欠乏すると、肌荒れや粘膜のトラブルが起きやすいことで知られています。わたしはニンジンリンゴジュースで毎日たっぷりビタミンA(ベ-タカロテン)を摂っていましたので、ここにはリストアップしませんでした。
ビタミンやミネラル以外に乳酸菌やオメガ3のサプリも利用しました。
National Eczema Association、「Dietary supplements for established atopic eczema」iona J Bath-Hextall, Claire Jenkinson, Rosemary Humphreys, Hywel C Williams、The New York Times「The Miracle of Vitamin D: Sound Science, or Hype?」TARA PARKER-POPE