休職、退職、無職、休学~自宅療養は自分を磨くチャンス

仕事(休職、退職、無職、休学)と自宅療養

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「休職中」「会社を辞めた」「無職」「休学中」。立場はいろいろでしょうが、アトピーで自宅療養をしいられる方は少なくありません。わたしもそうでした。ツラい状況です。が、これはチャンス。この期間に自分を磨けば、完治してからの人生ががらりと変わります。

勉強机のイメージ

ブログ開設から、はや数年――。痛感するのは、アトピーが、発症した人のその後の人生に無視できない影響を与えるということです。わたしも人生設計が大きく狂いました。

このブログを開設した動機はそのあたりにありました。

十数年前にこんなブログがあれば、十数年もの長期にわたり、病魔にふりまわされることはなかった。食物アレルギーだって発症していなかった。生き方がだいぶ違っていたはずだ。いまいる場所が全然異なっていただろう。そんなふうに思ったからです。同じような苦しみの途にある方たちに、わたしと同じ轍を踏まないでほしい、と。

ブログを運営するにあたって、なにより気をつけようと思ったのは、巷間のブログに漂う「ステロイドのせいでこんな目に遭っている」とか「医者なんて信用できない」といった怨嗟や悲壮感を、読者の方が感じることがないようにしたい、ということでした。

気持ちがパッと明るくなるような内容にしたい。わたしの持論ですが、(こうしたブログも含めて)あらゆる表現には「希望」が必要です。他者の「希望」を奪いとるようなものには価値はなく、そういう人には表現を行なう資格がない。

――人生をめちゃくちゃにされた。

アトピーが重症化すると精神的にも肉体的にもやがて限界がきます。ストレスは最高潮。そんなとき、だれしもがこんなふうに思います。

――なんで自分だけがこんな目に遭わなくちゃいけないんだ。

炭が燻(くすぶ)るような感情が身体のなかで渦を巻きます。家族に当たり散らす方、になる方もいます。「もう死にたい」と思う方も少なくないようです。

――でも、ちょっと待て。

と思うのです。

アトピーは肉体の切実な叫び声。その人の健康を守るため、肉体が発するシグナルです。それがなければ、人生を “めちゃくちゃにされる” どころか、いまごろ人生を失っていたかもしれない。この世にいないかもしれない。そう考えると、アトピーを恨むのはとんだ筋違いです。むしろ感謝すべき。相対的に自分を見つめたら、病気も自分を構成する要素のひとつです。結局はそれもひっくるめて建設的に生きていくほかなかろう、というところへ帰着します。

口幅ったいことをいうようですが、病気でさえプラスに変換してしまうような前向きな心、行動力、想像力を獲得すべきなのかもしれません。ウジウジしていてもなにも始まりませんからね。大病を経て、人生をより深く、より丁寧に楽しむ達人になる方も少なくはありません。

というわけで、この記事は、アトピーに人世を狂わされた、といった雑念をはらいおとし、メンタルを立て直し、ポジティブに生きるための提案です。

わたしがイメージしている読者はおもに、

  • 症状が悪化しすぎて働けなくなり休職中。
  • 本気で治そうと決意して休職中、あるいはその予定。

という方。とにかく自由な時間をお持ちの方です。

もちろん、退職して失業中、という方や、これまでまともに働いた経験がない方もつづきをお読みください。それから、大学休学中という方も。

お子さんが休学中、という親御さんは、さぞかしご心配なことでしょう。とくに受験をひかえていると。けれども最近は自宅で有名学習塾の講義が見られる便利サービスなどもあります。われわれの時代にはそういうものはありませんでした。うらやましいかぎりです。

ちなみに「自分探し」を奨励するつもりは毛頭ありません。世の中、探したって実現するほどの自分がない人間が大半だ、とだれかがいっていましたが、そうだよなあ、と思いますもので(笑)。

自宅療養の時間を無駄にせず、有効活用して、その後の人生を豊かにする、という明確なテーマで、実用的な記事をめざします。

それでは、本題に入ります。

仕事を離れても、仕事に役立つスキルを獲得する

ピンチはチャンスです。そう考えられるかどうかは、その人の生き方を大きく左右します。

もちろん、あまりに症状がひどいときはなにも考えられません。本も読めない、テレビさえ見る気がしない、という時期がわたしにもありました。が、療養に専念していれば、そのうち楽になってくるはず。そうなったら、ゴロゴロしたりテレビ見たりスマホいじったりして1日を過ごさず、自分のために有意義に使いましょう。

わたしも100日間はスキルの習得と自己研鑽にはげんでいました。社会から途絶した環境に身を置いていると、胸の内で不安が雪だるま式にふくらんでいきます。病状のこと仕事のこと……いろいろです。そして、症状が少し変化しただけで一喜一憂する。

でも、自分磨きに集中しているあいだは、そういう不安から開放されます。焦りを上手に解消できます。自己肯定感や自信が得られます。治らないのではないか、という不安からも忘れられます。

その方法を3つ紹介します。

1.スキルや語学力を身につける

ビジネススキルを磨いたり、語学力を習得しておけば、復職後の周囲の評価はぐっとアップ。転職・就職も有利です。病気療養していたのはマイナスポイントですが、その期間になにかに挑戦していたとあれば、

  • ポジティブで逆境に強い人物。
  • 向上心、向学心の高い人物。

といったイメージを世間は抱きます。

2.資格を取得する

自宅療養中に資格の勉強をして取得する、という手もあります。特定のスキルが自分にあることを証明する、一番わかりやすい方法ですからね。資格をもっていれば、

  • 就職、転職が有利になる
  • 資格によっては、独立や開業が可能
  • 社内評価がアップする

というメリットがあります。

3.自己研鑽

勉強ばかりではツマランですから、人生の幅と視野を広げるため、読書をおすすめします。

「幸か不幸か」でも「不幸中の幸い」でもありません。幸せなことにいま、肉体をオーバーホールし、脳みそを鍛えるのに十分な時間があるのです。わたしは哲学の本と小説をたくさん読んでいました。

哲学というのは、日本の義務教育ではほとんど教えませんが、本当は一番大切な学問です。といわれてもピンとこないと思いますが、現在ある学問はすべて、源流をさかのぼっていくと、古代ギリシア哲学に行き着くからです。だれでも知っているソクラテス、プラトン、アリストテレス――ああいう人がいなければ、数学も歴史学も生物学も物理学も化学も科学も医学もテクノロジーもなく、いまわたしやあなたの部屋にあるパソコンやスマホも存在していないのです。政治も経済もなく、人間の文化的な成熟もなかった。

ぜひ、かじってみてください。哲学を学ぶと、頭のなかに点在している知識が結びついていくのがわかる。哲学は人間の歴史そのものです。哲学を知れば、なじみの歴史知識の空白と浅学を思い知り、自分の知見に少し奥行きが出てくるような気がする。

この本あたりから入ると、投げださずにすみます。青少年向けだそうですが、大人が読んでも味わい深いです。

哲学の本など

『ソフィーの世界』は、いちばんやさしい哲学の本とされていて、ロングセラーです。映画化も。読み進むほどに地平が広がってゆくような爽快感が味わえます。山登りみたい。おすすめ。

楽器を練習するのもいいと思います。どうしても眠れない夜、わたしはギターを弾きます。

おまけ

そろそろ社会復帰できそうだな、となったら、転職活動をスタートしましょう。

うちの妻が以前、キャリアコンサルタントをしていまして、彼女に話によれば、転職支援会社を利用する際に注意すべきなのは、優秀な転職支援会社を活用するということだそうです。ダメなところへ行くと、次の3拍子がそろっているとか。

  1. ろくな案件がない。
  2. 売り込み方がへたくそ。
  3. 会社の利益を最優先させる。

転職サービスは複数利用が基本。いくつか登録してみて、スタッフ(キャリアコンサルタント)との相性のいいところをフル活用すればOKとのことですよ。