アトピー完治への近道は、1日30分の運動

運動

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アトピーは遺伝かアレルギー疾患だから、健康状態とは無関係という方がいます。きつい運動をしたところで改善なんてしないと。大間違いです。運動で鍛えられるのは筋肉だけではありません。毒素排泄を担う肝臓、腎臓、腸、呼吸器、皮膚の全部が強くなります。血流とリンパの流れも改善します。するとデトックスと体内浄化はさらに進むのです。

アトピーを癒やすのに運動は不可欠

ジョギングシューズ

ジョギングやウォーキングに道具は必要ありません。今日からでもはじめられます。靴だけはきちんとしたものを選んだほうがいいようです。足にピタリと合う靴を履くと、足首や膝への負担がかなり軽減できます。疲労感がまるでちがいます。

書店でぱらぱらと健康本をめくっていたら、「〇〇ダイエットなら面倒な運動も不要」というようなことを現役の医師が書いていて、眼を丸くしました。

動物である人間に運動が無用なはずがありません。ヒトの身体は動くためにデザインされているのです。健康であろうが、病気であろうが、動けるうちは毎日しっかり身体を動かす、それが健康維持や健康回復には不可欠です。運動しないで毎日食っちゃ寝していたら、だれだってあっという間に病気になります。

昔の人はことさらに身体を動かすことを意識しなくても、日々の生活のなかに過酷な労働が組み込まれていました。でもわたしたちは違います。現代人のほとんどが野良仕事や芝刈りから開放され、料理や洗濯、掃除はすべて電化製品任せ。移動も大抵、電車かクルマ、自転車です。

意識的に身体を動かすことが必要な時代なのです。

ここではアトピーの方が運動するとどうなるか、運動をさぼるとどうなるかを簡単にお話しします。

あ、ひどく長い文章になってしまいましたので、要点だけ先に書いておきますね。

1回30分の運動を最低週3回行なう。そうすれば、体内の毒素をスムーズに排泄できる。血がきれいになり、免疫力アップと不眠症解消に役立つ。身体に老廃物が溜まりにくくなる。

わたしは1回60分を毎日実施。そのぶんデトックスと体内浄化が進んだと感じる。運動は、ウォーキング(早歩き)やジョギング、サイクリングなどがベター。筋トレも並行して行なうとなおよい。

運動の効果

運動の効果1.体内浄化とデトックスが進む

運動によって、呼吸器と循環器が活性化します。肺が大量の酸素を血液に送り込み、心臓は酸素たっぷりの血液を大量に全身に送りだす。その結果、全身の細胞と器官が目を覚まし、体内の浄化とデトックスが活発になります。

リンパの流れもよくなります。

体内(血管の外)にある老廃物や毒素などはリンパ液が拾い集めて、鎖骨のあたりで血管に引き渡すのですが、このリンパ液を流しているのは筋肉です。だから筋肉を動かすことで、体内に停滞している老廃物や毒素などのゴミをスムーズに肝臓に送り込むことができるのです。そうすれば肝臓はゴミをろ過して、体外へ排出してくれます。

リンパのしくみはリンパマッサージの方法に関する記事がくわしいです。

運動の効果2.たっぷり汗をかくと毒素の排泄が進む

運動で汗をかくと、皮膚からの毒素排泄も進みます。咳や痰による排毒も進みます。腎臓の血流量も増えますから、排尿によるデトックスも促進します。

運動することで、血液もリンパも組織も、そして細胞一つひとつまでどんどんきれいになっていくのです。アトピーの治癒が進むだけでなく、若返りもはっきり実感できます。

運動の効果3.免疫力が高まる

周知のとおり、風邪を引いたとき、身体が熱を出すのは免疫力を高めるためです。

体温が1度あがると免疫力は6倍アップし、白血球は体温が37度を超えると活性化することがわかっています。運動して体温をあげてやると、免疫力はぐっと高まるわけです。

体温の上昇は、体内の老廃物を燃焼させることにもつながります。

運動の効果4.夜眠れるようになる、食事がおいしくなる

昼間きちんと運動しておけば、夜はよく眠れます。

「眠れないのですが、どうすればいいですか」という相談を受けることがあります。かゆみのせいももちろんあると思いますが、よくよく聞いてみると不眠は交感神経と副交感神経のアンバランスが原因ではないかと感じることが多いのです。日光を浴びて運動することは、そのバランスを正常に引き戻すのにとても役立ちます。

食事はずっとおいしくなります。食べたものの消化吸収も促進されます。身体が軽くなって、動作もキビキビしてきます。

運動することにデメリットなど、ひとつもありません。

ヨガグッズ

ストレッチやヨガも、交感神経と副交感神経のアンバランスを是正してくれます。わたしがヨガを行なうのは就寝前。リラックスできる音楽を流し、ヨガ特有の呼吸法を意識しながらポーズをとっていると、日中に刺激されていた神経がゆるみ、気持ちが次第に落ち着いてきます。ぐっすり眠れます。ヨガには、老廃物を排出する高い効果もあります。

運動しないとアトピーはまちがいなく悪化する

運動を怠ると、ここまでお話ししてきたことと正反対のことが起こります。

運動不足の弊害1.老廃物や毒素が溜まリ、血がどろどろに

老廃物や毒素は身体に溜まる一方です。血管もリンパ管も詰まってしまい、血液やリンパ液はどろどろになります。全身が汚れ放題に汚れていきます。

運動不足の弊害2.不眠がひどくなる

運動不足は睡眠障害の大きな要因のひとつ。神経が昂ぶっているのに肉体が十分に疲れていないから、横になっても副交感神経優位の状態に切り替わらないのです。

アトピーの方は、交感神経と副交感神経のバランスが崩壊しているケースの多いことで知られています。その結果、不眠に悩む方がとても多い。運動不足は、アトピーの方の不眠に拍車をかけます。

運動不足の弊害3.免疫力と腸の働きが低下する

「冷え」はあらゆる生活習慣病のもと。アトピーの方のなかにも「冷え」が慢性化している方は少なくありません。

「冷え」のいちばんの原因は、運動不足です。運動不足によって筋肉が落ちてくると、基礎代謝が下がります。基礎代謝が低下すると、慢性的な「冷え」が起こるのです。

では「冷え」になるとなにが困るのか。

  • 代謝が低下して、老廃物の排泄がストップする。
  • 免疫力がガクンと落ちる。
  • 腸の働きが悪くなる。
※人間の身体というのは通常、36度5分以上で正常に働くようにできています。体温が1度下がると、代謝が10%以上、白血球の働きが30%以上低下するそうです。腸は白血球と同じ免疫器官のひとつですので、腸の働きもつられて低下してしまうのです。

ダンベル

筋肉量をアップするには、やはり筋トレがいちばん。下半身の筋肉量はスクワットでキープ。上半身は腕立て伏せと腹筋とダンベルで鍛えます。手前のダンベルは5キロ。20年使っていますから、サビが浮いています。奥のは20キロ。男性の場合、5キロではすぐ物足りなくなります。

運動不足の弊害4.全身に慢性炎症を引き起こす

運動不足による体力の低下は、中高年の生活習慣病の根本原因にもなっています。

加齢と運動不足が原因で基礎体力が落ちてくると、全身に慢性的な炎症が起こりはじめます。細胞内のミトコンドリアが劣化する身体そうです。ミトコンドリアが劣化すると、炎症性物質が筋肉や臓器で産生され、血中に放出されるようになるそうです。

信州大学の実験チームが中高年者を対象に行なった調査では、5か月間のトレーニングによって炎症促進遺伝子が不活性化し、反対に炎症抑制因子がことごとく活性化することをつきとめたそうです。

生活習慣病(アトピーもそのひとつ)の症状改善に運動が役立つことが、遺伝子のレベルでも立証された、ということです。

面倒でも、アトピーなら前のめりで運動すべき

アトピーで人は出不精になります。顔や首筋、腕、手など人目に触れる部分の肌がぼろぼろでは、だれだってそうなります。あるいは重症化していたり、脱ステのリバウンドに襲われているときは、全身の皮膚がゴワゴワ。関節を動かすことさえつらいものです。

運動をためらう理由はもうひとつあります。汗をかいたときの、あの強烈なかゆみです。このため、運動でアトピーが悪化する汗をかくと悪化する、という方は少なくありません。

でも、発汗からくるかゆみは、じつは最初のうちだけです。汗のかきはじめはたしかに猛烈にかゆい。ところがたっぷりとを飲んで、30分以上汗をかきつづけていると、どこかの時点でかゆみがすっと引きます。ほんとうです(わたしがそうでしたから)。炎症を引き起こしている物質が全部、汗で洗い流されてしまうのではないかと思います。

人に見られたくないなら、日が落ちてから夜道を走ればいいのです(わたしはそうしました)。関節の皮膚がガチガチなら、むしろ動かすべき。そこへ新鮮な血液を送り込んでやるのです。そして思い切り汗をかき、汗腺から毒素をどんどん排出するのです。

運動や半身浴でたくさん汗をかくと、蕁麻疹が出ることがあります。「コリン性蕁麻疹」と呼ばれるものです。

汗とともに分泌される神経伝達物質が関係しているといわれますが、わたしは血行が一気によくなることで、組織や細胞に付着していた毒素が押しだされるのだと思います。これがうまく排泄できないため、アレルギーを引きおこすのです。アトピーの方は運動不足や、薬や保湿剤の連用によって汗腺が詰まっていることが多いですからね。

わたしの場合も、アトピーが治るにつれて、蕁麻疹が起きる頻度が少なくなり、症状も軽くなり、やがてまったく顔を出さなくなりました。

サイクリングマシーン

外へ出るのが億劫なら、いっそサイクリングマシン(エアロバイク)を利用する手も。家の中でもしっかり運動できます。わたしは雨の日、映画やドキュメンタリー作品を観ながら漕ぎます。15分でもう汗みずく。花粉症の時期にも重宝しますね。

身体の各部位と身体全体とは、それぞれ密接に関連しあっています。数年前、中国の有名な足つぼマッサージ師の方に施術してもらったとき、わたしはそのことをはっきり実感しました。

そのマッサージ師はわたしの足の裏を触っただけで、わたしがそのとき逆流性食道炎で悩んでいたことを見抜いたのです。そればかりか、胃酸逆流の症状がマッサージ後にはぴたっと治まっていた。

不思議に思えますけれど、わたしたちの身体が宇宙の縮図であるように、体内の各部分に身体全体の縮図があっても不思議はないのかもしれません。運動によって腸や肝臓を直接鍛えたり健全化することはできません。でも身体を外側から健康にすることで、内側も健康になっていく、そうわたしは感じます

そろそろ運動する気になってきたのでは。わたしは以上のようなことを知って、やる気がムクムク湧いてきました。

アトピーに向いている運動

  • ウォーキング
  • サイクリング
  • ジョギング
  • 水泳
  • テニス

屋外で楽しみながらやれる運動ならなんでもいいのです。

わたしは毎日1時間程度、サイクリングかジョギングに出かけていました。汗をたくさんかいて、体内の毒素を一刻も早く排泄したかったからです。注意していたのは、楽しみながら走れるくらいの運動強度にしておくということ。ゼイゼイハアハアと息を切らし、苦しみながら走るようでは、もはや健康のための運動とはいえません。疲労物質が溜まって、かえって肝臓や腎臓に負担をかけることになります。

習慣的につづける運動としてもっとも推奨されているのは、ウォーキングです。身体に過度の負担をかけることなく、筋肉から肺、心臓までをしっかり鍛えていくことができます。ただし、だらだら歩いていてもあまり効果がありません。屋外の早歩きがベスト。リズミカルに呼吸するように意識すると、運動の効果は倍増します。

水泳もとてもいい運動になります。ウォーキング以上に身体への負担が少なく、それでいて循環器や呼吸器、全身の筋肉を満遍なく使えます。が、プールはNG。塩素が肌を傷つけます。きれいな海で泳ぎましょう。海水は肌を清めてくれます。皮膚へのいい刺激になります。毒素を外へ出す助けにもなります。人前で裸になることに抵抗があったとき、わたしは人の少ない海水浴場へ行き、端っこのほうで泳いでいました。夏しかできない運動なのが残念ですが、いちばんのおすすめ。海水浴はアトピーを劇的に癒やしてくれます。

ほんとうなら自律神経を整えるためにも、日差しを浴びながら運動するのが望ましいのですが、もちろん夜でもOK。なにもしないより、やったほうが断然よいのです。

運動時間と頻度はどのくらいがよいのか?

わたしは毎日1時間、身体をしっかりと動かすようにしていました。

1回30分を週3?5回、といったあたりが、運動時間と回数のひとつの目安になると考えています。わたしもいまはその程度の運動量ですし(筋トレを除く)、それで十分に健康をキープできているからです。

日ごろ運動不足なのに、いきなり毎日ハードな運動をはじめると、筋肉を痛めたり、疲労が蓄積し、身体を壊してしまう恐れもあります。1日置きの運動は身体への負担が少なく、一般にはもっとも効率的とされています。

もちろん慣れてきたら、毎日でも運動するといいと思います。排毒が進めば、それだけ早く治りますからね。ただ度を超した運動はコルチゾール(副腎皮質ホルモン)の生成を促し、血糖値を上昇させたり、免疫の働きを抑制したりします。なにごともほどほどが大切。

ダンスゲーム

ダンスゲームはかなり楽しいです。ジョギングよりずっとカロリーを燃焼できますし、ダンスには筋トレ効果もあって、基礎代謝がぐんとアップします。たまに妻や娘と汗みずくで踊っています(笑)。

アトピーに不向きな運動

サッカーのように他人と接触するような運動はNG。弱った肌を、摩擦でさらに傷つけるのは避けるべき。

次のような運動は避けたほうが無難です。まずやらないとは思いますが(笑)。

  • 柔道
  • 相撲
  • ラグビー
  • アメリカンフットボール

大切なのは、とにかく運動する時間をつくること。心身ともに元気になるいちばんの方法は、運動することです。

日々の疲れをとるのにも、運動はいちばん効果的です。血流がよくなると、体内に蓄積している疲労物質が押し流されるからです。寝不足で頭も身体も重く、今日は仕事がはかどらないぞ、と感じたら、わたしは朝から20?30分くらい走ることにしています。それだけでウソみたいにすっきりします。

運動中はプラス思考(それが難しいときは無心)を心がけましょう。マイナス思考にとらわれていたり、なにか悩みながら走ったり泳いだりしていると、せっかくの運動の効果も半減。楽しくありませんし、負の感情は体内毒素を生成し、身体を汚します。

さいごに

人生の楽しみも幸福も、目標の実現も、最後にものをいうのは体力です。

この場合の体力は、なにか記録に挑戦しようとかそういう類いのものではありません。健康を維持するための体力です。身体のそれぞれの組織と器官が強調して働いてくれる、病気になりにくい体力のことです。

速く走れなくてもいいのです。ゆっくりでいいから、1時間でも2時間でも歩きつづけることのできる体力を身につけるべきです。だれかに代わりにやってもらうわけにはいきません。お金で買うこともできません。自律的に行動し、手に入れるしかありません。

わたしは運動は食事と同じようなものだと思います。それくらい運動は、生命の維持に欠かせないものだからです。

忙しいとか面倒くさいといって、なかなか運動しない人も多いのですが、今日は雨が降っているから食事はやめておこう、そんなふうに考える人がいるでしょうか。

最後まで読んでもやる気が起きない??というなら、それはわたしの力不足。説得力の不足ですね。ごめんなさい。このページは閉じて、ほかのブログをお読みください。というのは冗談ですが、腰が重たいなら、まずはラジオ体操を朝夕2回というところからはじめてみるといいと思いますよ。それでもやらないよりはずっといいですからね。