アトピーに悪い食べ物が、治癒の足を引っ張っている

アトピーに悪い食べ物

この記事の重要度:

アトピーの方が口にしてはいけない食品について解説します。食べ物に含まれる毒(食毒)はいたるところにあふれています。お店で何気なく食べ物を選んでいると、毎日まちがいなく多くの毒をからだに入れることになります。自分や家族を守るのは、知識と意識です。

アトピーに悪い食べ物

アトピーの完治をめざしている方が食べてはいけないものを漏れなくご紹介。完治させる気がない方も、やめるか減らすかするだけで、いまよりずっと生きやすくなるはず。

一挙に全部やめるというのはなかなか難しいと思いますので、2~3か月かけて徐々に決別していくというのが現実的だと思います。

1.砂糖、甘いもの

砂糖

グラニュー糖、三温糖、黒糖、きび砂糖、てんさい糖なども砂糖と同じ精製糖質。こうした甘味料のほか、それを使用したお菓子やケーキなどもアトピーを悪化させています。

甘いものを控えると、それだけで症状がぐんと楽になります。摂取すると、あきらかに症状が悪化するからです。アトピーの方はみな、(理由はわからなくても)経験的にこのことを知っているはず。

ではなぜ、砂糖を食べるとアトピーが悪くなるのか。あっという間に体内に吸収されて血管に流れこみ、血糖値を急上昇させるからです。血糖地が上昇すると、炎症レベルもアップします。すると、たちまち皮膚の症状が悪化し、強いかゆみに襲われるのです。このとき血液はどろどろです。

さらに問題なのが、悪玉菌とカンジダの増殖をまねくこと。それと、急上昇した血糖値をさげるため身体が大量のインスリンを分泌し、すぐに血糖値が急降下することです。そのため疲労感やいらいら、不眠、集中力の欠如、気分の落ちこみがあらわれます。

これをやわらげようと、身体はさらに甘いものを求めます。白砂糖は麻薬、といわれるゆえんですね。

じつは白米や小麦食品(パンやパスタ、ラーメンなど)でも同じことが起こっています。

さらに血糖値の急上昇と急降下(インスリンの過剰分泌)を繰り返していると、やがてすい臓と副腎が弱り、副腎疲労や糖尿病になります。

というわけですので、まず砂糖を完全にやめる必要があります。わたしは砂糖の代わりに次のような甘味料を使用しています。アトピーの方が問題なく使えるものばかりです。

エリスリトール、キシリトール、ステビア、オリゴ糖、生蜂蜜

左へ行くほど血糖への影響が小さくなります。

とくにエリスリトールとキシリトール、ステビアは、体内でほとんど代謝されませんから、血糖への影響はほぼゼロ。症状の悪化を招きませんし、悪玉菌やカンジダも増やしません。それどころかキシリトールには、カンジダの増殖を抑える働きがあります。

ただし善玉菌のエサにもなりません。毒にも薬にもならないわけです。この点、オリゴ糖や生蜂蜜(ローハニー)には、善玉菌を増やし腸内環境を整えてくれるという利点があります。

生蜂蜜

わたしの最愛の生蜂蜜。オーガニックだから、農薬の心配なし。常温で固まっていますが、これこそ安心のしるし。常温でさらっとしたものは、収穫時期の早すぎる(熟成度の低い)ものが多く、添加物を足していることも少なくないそうです。蜂蜜は「生」のみOK。ふつうの蜂蜜は血糖への影響が大きいうえ、熱殺菌によって酵素や栄養素も破壊されています。

中国産蜂蜜

中国産の蜂蜜。キッチンの片隅にうち捨てられていました。室温で液体状。妻によると、1000円を切っていたとか。安いけれど、中国産は要注意。人工甘味料や水あめなどで嵩を増しているものが多いのです。数年前の中国政府の検査では「純粋はちみつ」のラベルをつけていながら、規約に反して人工甘味料などの混入が疑われた商品が検査対象の約2割にのぼったそうです。

黒糖

波照間島の黒糖。波照間には、石垣島からフェリーに乗って行ったことがあります。キビ畑の広がる、のどかで美しい島でした。島内の黒糖工場の見学もしました。この思い出から、波照間の黒糖をとても気に入っています。沖縄の黒糖は島ごとに風味が異なり、食べ比べると楽しいものです。ビタミンとミネラルを非常にバランスよく含んでいて、砂糖と比べるとずっとヘルシー。でも黒糖は血糖への影響は大きいので、アトピーが治るまではやめておきます。

甘味料についてはこの記事がくわしいです。なにが大丈夫で、なにがダメか、その理由もきちんと解説しています。

2.白米、小麦食品(精製穀類)

白米おにぎり

日本人の主食を放棄する、ということへの抵抗感や、その必要はないだろう、という反発がわたしにもありました。でも考えてみれば、わたしたちの主食は米であって、白米ではないのです。

白米やパン、ラーメン、うどん、ピザ、パスタといった白い穀類はすべて中止しました。

これらは精製過程でビタミンミネラルを削ぎ落とした、純粋な糖質です。砂糖のような強烈な甘みはありませんが、身体のなかでのふるまいは砂糖となんら変わるところがありません。糖質制限でアトピーがやわらぐのもこのためと考えられます。

アトピーの方がやめるべき穀類は、次のようなものです。

  • 白米
  • 食パン、菓子パン、惣菜パン
  • うどん、そうめん
  • ラーメン、焼きそば(中華麺)

代わりになにを主食とすればいいのか。前の記事にも書きましたが、

  • 玄米
  • そば(十割)
  • オートミール
  • 黒パン(ライ麦パン)
  • ひえ、あわ、きび、押し麦(雑穀)
  • キヌア
  • アマランサス

なお、いきなり玄米食に切り替えるのが難しい場合、ほかの未精製穀類を取り入れながら、たまに白米を食べるぶんには差し支えないと思います。白米をやめると食後の悪化がぐっと減らせるのはたしかですし、治癒も早まると思いますが、わたしも療養中に白米を食べることはありました(毎日ではありません)。

全粒小麦(未精製の小麦)はダメなのか? という疑問を抱かれる方もおられると思いますが、小麦の糖質は精白、未精白にかかわらず、砂糖以上に血糖値をあげることがわかっています。さらにグルテン(小麦たんぱく)が腸粘膜の炎症を加速させることもわかっています。上のリストでそばを「十割」と書いているのもそのため。それ以外のそばには小麦が使われています。

3.食品添加物

原材料表示

アトピーがきっかけで、わたしは買い物の際、かならずパッケージをひっくり返して原材料表示をチェックするようになりました。

日本は食品添加物の天国です。わが国は国民より企業の利益が最優先ですから、規制がとてもゆるい。認可添加物の数はヨーロッパと比較するとひと桁多く、あらゆる食品に危険な添加物がたっぷり使われています。無意識に暮らしていると、どんどん身体に入ってくる。怖いですね。アトピーや花粉症などの急増の背景には、食品添加物と農薬(世界屈指の使用量を誇る)、さらに水道の水の塩素(世界一の濃度)が大きく関与している、という声もあります。

「食」に関して、日本は安全だと思っている方が多いのですが、実情は違います。マスコミがなにかというとすぐに中国を引き合いに出すから、そう感じるだけです。狂牛病の問題しかり、常態化する食品偽装しかり、放射能汚染の問題しかり、日本の「食」の安全神話はとうの昔に崩壊しています。安全なのは「治安」だけです。

菜食主義やローフード、ナチュラルフード、高アルカリ食、ローカーボ、グルテンフリー、ファスティング(断食)など、さまざまなダイエット(食事療法食事制限のこと)の発信地であり、健康意識の高い人が多く暮らす欧米では、オーガニックや無添加の食品も豊富。しかも需要があるから、安価に手に入ります。

ところがわが国では需要そのものが少ないため、高価なうえに選択肢もほとんどありません。店頭にある商品はどれもこれも添加物がたっぷり。オーガニックや無添加の食品と聞くと、どこに売ってるの? という感じ。自然食レストランを探しても、日暮里や高田馬場にはなく、青山か目黒あたりに集中している印象です(あくまでわたしの勝手なイメージ)。

自分と家族の身体は自分で守る、わたしはこの意識を大切にしています。

ちょっと熱くなってしまいましたが、わたしが注意している添加物は以下のようなものです。

発色剤、着色料、人工甘味料、改良材、合成着色料、防カビ剤、殺菌剤、酸化防止剤、合成保存料、漂白剤、化学調味料

が、たとえば発色剤にも安全なものと危険なものがあります。そういうものを見分ける眼が必要になります。ここでは説明しきれませんから、次の記事を参考にしてください。

4.加工食品

加工食品

添加物のほか、加工食品のも、アトピーを確実に悪化させています。アレルギーを悪化させるオメガ6系脂肪酸(リノール酸)や、トランス脂肪酸が多く使われています。

食品添加物は、おもに加工食品にたっぷりと使われています。商品をひっくりかえして原材料表示をチェックすればすぐわかります。見慣れぬカタカナがずらずらならんでいたら要注意。避けるべきなのは、

  • 食肉加工品(ソーセージ、ハム、ベーコン、成型肉など)
  • 魚肉練り製品(かまぼこ、はんぺん、つみれ、さつま揚げ、ちくわなど)
  • レトルト食品(カレー、パスタソース、丼物の具、ハンバーグ、ミートボールなど)
  • 缶詰食品(、果物、おつまみ、スープ、ソース)
  • 調味料(ドレッシング、焼き肉のたれ、麺つゆなど)

納豆やがんもどき、厚揚げなども加工食品。こうしたものにも安定剤や化学調味料が使われていることが少なくないので(納豆のタレは使わない)、わたしは注意します。冷凍食品やお菓子もほとんどがNGです。

買い物の際はとにかく原材料表示をしっかり確認しましょう。これは食物アレルギーのある食べ物を避けるためでもあります。慣れてしまえば、時間はかかりません。わたしなんて、妻が「これ買っていい?」と持ってくる商品をさっと裏返し、1秒以内に合否判定をくだせるまでになりました。

デリケートな身体を守り、努力を無駄にしないためにも原材料表示の確認は習慣づける必要があります。

合成保存料で強引に新鮮さを保ち、家庭料理では考えられないくらい長い賞味期限のある加工食品は食べないこと。

5.反栄養素

野菜や穀類、ナッツのなかにも、身体を害したり腸粘膜を刺激する成分(反栄養素)を含んでいるものがあります。

反栄養素は気にしすぎるとキリがないので、わたしもあまり神経をとがらせていません。が、ナス科のレクチン(たんぱく質)だけは少し注意したほうがよさそうです。消化吸収を阻害したり、腸粘膜を傷つけ、炎症を引きおこしたりするのです。

ナス科の野菜:トマト、ナス、ピーマン、パプリカ、ジャガイモ、唐辛子

トマトやナス、ピーマンは好物ですので、よく食べていました。減らすかやめるかしていたら、腸が癒えるのはもっと早かったのかもしれません。

6.乳製品

乳製品は悪玉菌を増やします。消化されるのが遅く、腸内で発酵して腐敗ガスを発生します。これは腸粘膜を傷つけ、血液を汚します。さらに乳たんぱくのカゼインは、腸粘膜の炎症や食物アレルギーの原因になっている、というのが乳製品をやめるべき理由です。ヨーグルト乳酸菌の補給に役立ちますが、毎日食べるのはやはり得策ではないのです。

7.卵

自分で気づいていなくても、アトピーの方は卵にアレルギーを持っているケースが少なくありません。

なおかつ卵黄は、体内の炎症レベルをあげる脂肪酸(アラキドン酸)を含んでいます。アトピーを悪化させる恐れが高いのです。

8.冷たいもの、辛いもの

冷たいものは消化に悪く、ほかの食物の消化の足を引っ張ります。トウガラシのカプサイシンはほんとうなら排毒効果が高く、血液や腸内を浄化してくれるものなのですが、弱った消化器には刺激が強すぎます。

わたしは辛いものが大好き。そばには七味や一味をまっ赤になるくらいかけていましたが、完全に治るまではきっぱりやめました。

9.酵母系の食品

腸内でカンジダが繁殖していると、カンジダと同じ酵母全般に身体が過敏に反応することが少なくありません。一般にイーストコネクションと呼ばれるものです。わたしもそうですし、当ブログの読者の方のなかにも非常に多いようです。この場合、製造過程で酵母を使う食品や、きのこ類(真菌類)に注意する必要があります。

注意すべき酵母系食品:パン、ビール、発泡酒、ワイン、お酢、かつお節

日本酒やみりん、ぬか漬け、お味噌なども酵母系食品ですが、わたしたちの身体は日本の伝統食にはわりあい寛容ですので、大抵は問題ありません(異常を感じたら中止すべき)。

が、かつお節に使われるカビと、お酢の酵母は例外のようです。だから、かつお節はカビつけしていないもの(花かつお)を使います。お酢に関しては大抵、カンジダ症の方もリンゴ酢だけは問題なく使えます。リンゴ酢はカンジダを殺菌する効果が高く、アレルギー反応も生じにくいからです。

酵母系の食品については食べたあとの様子を観察し、なにが大丈夫でなにがダメかをそれぞれ判断するほかありません。人によって反応がまちまちだからです。たとえばわたしは黒パンをよく食べていましたが、黒パンのパン酵母に反応する方もいます。

10.GMO(遺伝子組み換え)作物

GMO(遺伝子組み換え)作物は、単独でアレルギーを引きおこす可能性があります。確たる証拠はいまのところないのですが、米国ではGMO作物の普及と歩調を合わせるようにして子どもの食物アレルギーが急増しています。そもそもGMO作物の遺伝子は人体には異物で有害。アレルギーのリスクが高いと科学者たちは口をそろえます。

11.農薬

農薬の健康被害や、アレルギー疾患との関連性については、以前より多くの専門家が指摘するところ。海外では、政府が有機栽培を支援するための補助金を拠出したり、学校給食にオーガニック農作物を使うなどして、子どものころから食の安全に対する啓蒙を行なっている国もあります。有機農法のノウハウの蓄積も進んでいます。

ひるがえってわが国は、世界屈指の農薬使用国にもかかわらず、農薬への国民の関心は非常に薄い。ある調査で、日本人の6割が農薬をまったく意識していないこともわかっています。農薬を悪くいうと白い眼を向けられることさえあります。

農薬のおかげで、昔の人たちのように飢饉を経験せずにすんでいるのは事実。1億人の日本人の胃袋すべてを満たすには、もはや農薬は不可欠でしょう。が、アトピーを発症しているなら、農薬には意識を向けるべき。

さいごに

食毒(食べ物に含まれている毒素)というのは、食べた直後に異変が起こるわけではありません。少しずつ蓄積していきます。それが一人ひとりの許容量を超えたとき、まるで爆発するように表面化するのです。

こうした慢性毒性(長期毒性とも)が、食毒の恐ろしいところ。食べてすぐ病気になるなら、だれだって気をつけますね。でも食毒は、わたしたちが気づかないうちに少しずつ身体を蝕んでいく。だから日ごろからきちんと意識して食べ物を選んでおかないと、ずっと先にツケを払う羽目になるのです。

最後になりましたが、アトピーが治るまでは完全に禁酒しました。強いお酒は胃腸を荒らしますし、冷えた飲み物は胃腸の働きをにぶらせます。

キンキンに冷えたビールなどは最悪です。度数は低いものの、ビールや日本酒、ワインなどの醸造酒にはもともと身体を冷やす性質がありますから、腸内環境を確実に悪化させます。アルコールについては第五章でくわしく説明しますので、このへんで――。

第四章はこれでおわりです。

第五章では、体内に溜まった毒素の排泄――デトックスに着手します。


Foundation ECARF
Comparative dietary therapy effectiveness in remission of pediatric eosinophilic esophagitis. Carol J. Henderson, PhD, RD, J. Pablo Abonia, MD, Eileen C. King, PhD, Philip E. Putnam, MD, FAAP, Margaret H. Collins, MD, James P. Franciosi, MD, MS, MSCE, Marc E. Rothenberg, MD, PhD
Diet and eczema: a review of dietary supplements for the treatment of atopic dermatitis. Megan J. Schlichte,1 Abbey Vandersall,2 and Rajani Katta3
Review of evidence for dietary influences on atopic dermatitis. Mohajeri S1, Newman SA.
Physicians Committee for Responsible Medicine and Unbound Medicine
NHS
Protective effect of fruits, vegetables and the Mediterranean diet on asthma and allergies among children in Crete. Leda Chatzi, Gianna Apostolaki, Ioannis Bibakis, Isabel Skypala, Vasilki Bibaki‐Liakou, Nikolaos Tzanakis, Manolis Kogevinas, and Paul Cullinan
Finn R, Harvey M, et al. “Serum IgG antibodies to gliadin and other dietary antigens in adults with atopic eczema,” Clinical and Experimental Dermatology, April 1985; 10(3): 222?228.
Association of Atopic Dermatitis (AD) Severity to Milk and Egg Allergy Outcomes in a Cohort of Atopic, Food-allergic Children (COFAR) A.M. Scurlock, D.Y.M. Leung, H.A. Sampson, R. Lindblad, A.H. Liu, R.A. Wood, S.M. Jones, M. Plaut, W. Burks, D. Stablein, S.H. Sicherer
EGG ALLERGY IN ADOLESCENT AND ADULT PATIENT SUFFERING ROM ATOPIC DERMATITIS ? ASSOCIATION WITH CONCOMITANT ALLERGIC DISEASES. Jarmila ?elakovska, Kv?tu?e Ettlerova, Karel Ettler, Josef Buka?