アトピーにいい食べ物が、治癒をスピードアップさせる

アトピーにいい食べ物

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アトピーの改善、完治に役立つ食べ物を徹底解説。野菜をもりもり食べ、生姜で身体を温め、主食は未精製の穀類に切り替える。食べ物の力で胃腸を強くし、消化促進、デトックス推進を行ないます。身体がきれいになると肌も輝きはじめます。

アトピーにいい食べ物を積極活用

アトピーの改善に役立つ食べ物を紹介します。毎日の食事に積極的に取り入れるべき食材ばかりです。

野菜はもりもり食べる

きんぴらゴボウとみそ田楽(こんにゃく)

きんぴらとみそ田楽。ゴボウもこんにゃくも、小腸から大腸までの大掃除に役立ちます。こんにゃくは、こんにゃく芋からつくられる、れっきとした野菜。

野菜はアルカリ性食品です。食べれば食べるだけ、身体の内側が浄化されていきます。

キャベツ、玉葱、大根、人参は、アトピーの身体に不足しているビタミンとミネラルを補うのに不可欠。このほかわたしがよく食していたのがは、こうした野菜たち。

  • こんにゃく、山芋、ゴボウ(大腸の働きを活性化)
  • ほうれん草、小松菜、ブロッコリー、セロリ(胃腸を浄化、病んだ腸を健全な状態に)
  • もやし、きのこ類(排便を促す)
注意点

①ほうれん草はシュウ酸を多く含みます。関節炎や結石症の方は、食べすぎに注意。

②きのこ類(野菜ではありませんが)は便通改善に役立つほか、乱れた免疫系を正常化して、アレルギーをやわらげる効果が高い。ただし、カビに敏感な方は交叉反応を起こす可能性があります。食べて症状が悪化するときは食べないというのが鉄則。

高繊維食品をとくに積極的に食べる

以上のような高アルカリ野菜をたくさん食べたのは、体内浄化に役立つだけでなく、食物繊維をたっぷり含んだ高繊維食品だからです。高繊維食品には、次のような利点があります。

  • 腸のぜん動運動を刺激する。
  • 腸壁をこするような働きによって大腸の掃除をしてくれる。
  • 食べ物を小腸から大腸へとスムーズに移動させる。

食物繊維は消化されません。腸内に停滞している糞便、肝臓から送られてきた老廃物、食べ物に含まれていた毒素など、人体にとって不要なものの排泄を促進します。だから有害物質は腸内に定着する時間もなく、腸壁からこそぎ落とされて排泄されてしまうのです。

野菜のほかにも高繊維食品はいろいろあります。

  • 穀類(押し麦、ライ麦、オートミール、ひえ、あわ、玄米、おそば)
  • 果物(リンゴ、アボカド、イチゴなど)
  • 種実類(ごま、栗、アーモンドなど)
  • 海藻類(ひじき、わかめ、焼き海苔など)

生姜には高い薬効がある

新生姜

わが家では欠かせない食材のひとつ。国産生生姜が基本。チューブタイプは使いません。加工食品は余分な成分を含みますし、薬効成分が変質しているからです。ちなみにニンニクもたまにすりおろして生で食べていました。ニンニクには、強いカンジダ殺菌作用があります。

生姜は毎日食べていました。生姜がないと漢方は成立しないといわれるほど、その薬効は高いのです。

身体を温め、全臓器を活性化させ、ガスを出し、消化を助ける。血液をさらさらにし、免疫力を高め、強い殺菌作用や抗真菌作用まである――。

まさに万能薬。料理にも使いやすいですね。すりおろしたり、みじん切りにしたりして、いろいろな料理に入れていました。

生姜湯や生姜紅茶もしょっちゅう飲んでいました。寒い時期は身体が芯からぬくもります。レシピはこちら。

主食を未精製の穀類に変える

精白すると、穀類からは胚芽やぬかの部分がとりのぞかれます。が、じつはそこにこそ栄養素が詰まっている。それがない穀類は、体内に入ると砂糖とほとんど変わりありません。砂糖を食べたときのように炎症とかゆみがひどくなるのはそのため。われらが天敵、カンジダの大好物でもあります。

アトピーの方に向いているのはだから、精製されていない穀類です。

玄米

わが家は長らく玄米食です。

玄米にはさまざまな利点があります。

  • ビタミンとミネラルの補給源になる。
  • ビタミンB1が糖質の吸収を遅らせてくれる
  • 肌の健康に不可欠な亜鉛が豊富。
  • 自然とよく噛んで食べるようになる。
  • 白米よりずっと腹持ちがいい。
  • 便通がよくなる。
  • 乳酸菌などの善玉菌の餌になる。
  • カンジダの増殖に影響がない(実際そう感じます)。
  • 放射性物質の排泄に役立つ。

玄米は弱酸性食品。酸性食品とアルカリ性食品の理論に従えば、白米(中酸性)、小麦(強酸性)より体内を酸性化し、血液を汚す度合いはずっと小さいということになります。気をつけたいのは、無農薬で栽培されたものか、残留農薬検査をきちんと行なっているものを選ぶということだけ。農薬は、胚芽やぬかの部分に残るからです。白米に農薬の心配がほとんどないのはこのためです。

アトピーが玄米で悪化するケースがあります。これは玄米にアレルギーがあるか、食べ方が間違っているからです。

玄米のライスケーキ

オーガニック玄米でできたライスケーキ。玄米パフを固めたものです。甘くないポン菓子みたいな食感ですね。1枚たったの10グラム。ふかふかですけれど、パリパリいわせながら頬張っていると、2枚くらいで食べたなあという満足感がわりと得られるのです。小食中はこんなのも便利でした。
玄米は白米と比較するとたんぱく質がやや多いため、アトピーにNGだという説があります。一時わたしも敬遠していたのですが、実際にはじめてみたらデメリットなど微塵も感じません。たまには白米が恋しくなる、という点をのぞいては(笑)。

おそば

わたしは麺類が食べたくなったとき、おそばを食べていました。

おそばは超健康食品です。そして穀類でも数少ないアルカリ性食品。ビタミンとミネラルの含有量が多く、消化されやすいデンプン、血管を強化するルチンを含みます。身体を温め、血流を改善してくれます。腎機能を高め、尿からの老廃物排出を手助けしてくれる。

さらに数ある麺類のなかでも、たんぱく質をいちばん多く含んでいます。このためアトピー治療中はおそばを敬遠する方もおられますが、おそばのたんぱく質は必須アミノ酸8種を含む良質のもの。わたしたちの身体にたんぱく質は不可欠です。食事制限でを食べないようにしている場合、とくに体内のたんぱく質が枯渇します。おそばはそういうとき、ベストなたんぱく質補給源となります。

ただし、食物アレルギーをお持ちの方もおられます。食べると症状が悪化するようなら、やめておきましょう。

十割そば

お昼は軽くおそばですませる、ということが多かったですね。もちろん食前の生菜食は欠かしません。購入時はそば粉の配合率を確認。そば粉2割(8割は小麦粉)というものも少なくないのです。わたしは国産そば粉使用の十割そばを買っています。

刻みネギ(免疫力を高め、解毒効果も高い)をたっぷりとかけていただきます。とろろをかけることもありました。山芋は消化酵素が豊富。消化吸収を強力に助けてくれます。

ちなみにトウガラシは好物ですが、やめていました。トウガラシのカプサイシンには解毒作用や、血液や腸内の浄化作用があるのですが、弱った胃腸には刺激物。アトピーには悪い食べ物です。腸粘膜の再建が終わるまで、一味や七味は避けるのがベター。

そばに農薬の心配はないの?

そばはもともと稲作に向かない痩せた土地で栽培されていた農作物。だから化学肥料がなくても立派に育ちます。

農薬もあまり使用されません。「蓼(たで)食う虫も好き好き」ということわざをご存知ですね。たいていの虫は苦味のある蓼科植物を敬遠するけれど、なかにはそれを好む虫もいる。そこから転じて、人の好みはいろいろということの喩えになったわけです。

そばは蓼科。つまり、虫がほとんど寄りつかない植物なのです。

そのほかの穀類

玄米とおそば以外で、精製されていない穀類には次のようなものがあります。玄米食に抵抗がある場合、治るまではこうしたものを主食にするとベターです。白米がどうしても食べたい場合、雑穀を混ぜて炊くという手があります。白米だけを食べるより、身体への負担をぐっと減らせます。

  • あわ
  • ひえ
  • きび
  • 押し麦(大麦を蒸して乾燥させたもの)
  • ライ麦
  • キヌア
  • アマランサス
  • オーツ麦(オートミール)

オートミールは、わたしもよく食べていました。最近はグルテンフリーに注目が集まっていることから、あわやひえ、きびなどでつくられたパスタや中華麺などもスーパーで見かけるようになりました。中国産原料のものが多いようですが、そうでなければ利用してもいいと思います。

種実類(ナッツとシーズ)

穀類ではありませんが、ナッツやシーズ(種実類)は便利な食品。糖質制限をしていたころ、よく食べていました。腹持ちがいいし、穀類への渇望を減らしてくれます。

わたしのお気に入りはおもにこんなもの。

  • アーモンド(ビタミンEが豊富)
  • くるみ(オメガ3系脂肪酸を含む)
  • マカダミアナッツ(オメガ3系脂肪酸を含む)
  • ヘーゼルナッツ(どんぐりそのもの)
  • ひまわりの種(ビタミンとミネラルのバランスがいい)
  • かぼちゃの種(ほとんど中国産……)
  • 亜麻仁(オメガ3脂肪酸がたっぷり)
  • ごま(抗酸化作用が強い)

ナッツやシーズは糖質をあまり含みません。そもそも低GI食品ですので、たくさん食べても血糖値をあげにくいのです。ただし種実類の多くは酸性食品。食べ過ぎには注意。

アーモンド、カシューナッツ(種実類のなかでは際立って糖質が多いので、わたしは食べませんでしたが)、ひまわりの種、ごまはアルカリ性食品です。

ナッツ

難点は、一度食べはじめるととまらなくなるところ。過食はやはり、消化器には大きな負担です。ナッツやシーズのほとんどが、アレルギーを悪化させる(リノール酸)を含みます。この点からも食べすぎはNG。油で揚げたり化学調味料が入っているものは避け、素焼きを選びます。生ナッツは火を通したものより栄養価が高いのですが、生の種実にはやや毒性があります。24時間水に漬けておけば毒素が消えて、栄養機能が高まります。

比較的アレルギーを起こしやすい食品です。異常を感じたら、食べるのはすぐに中止すべき。カビに汚染されていることも少なくありまのせん。数週間もかけて貨物船で運ばれてくるわけですから、季節によってカビが生えるのも無理からぬ話。輸送中のカビ対策、虫害対策、腐敗対策として、防カビ剤や殺菌剤、防虫剤、防腐剤などが収穫後にどっさりふりかけられることも少なくありません。「ポストハーベスト」と呼ばれ、最近は問題視されるようになってきましたね。

ちなみにわたしの場合、さすがにカビ臭いものにあたったことはありませんが、食べて異常を感じたことが何度かありました(米国産のひまわりの種をたくさん食べたら、ひざ頭に赤い発疹がいくつか出現したり)。カビのせいか、はたまた防かび剤のせいなのかはわかりませんけれど、そういうときはためらわずに捨てています。

果物(食べすぎに注意)

果物はほとんどがアルカリ食品です。体内のアルカリ化に貢献してくれる。食べ過ぎなければOK。アトピーにいいのは、

  • リンゴ(1日1個食べてもいい)
  • ブドウ(便秘解消に役立つ)
  • キウイフルーツ(抗酸化作用の強いビタミンCとビタミンEが豊富)
  • パイナップル(消化酵素が豊富)
  • パパイヤ(消化酵素が豊富)

ほとんどの果物は自分が消化されるだけの消化酵素を含んでいます。通常わずか30分ほどで吸収され、血液を浄化してくれますが、ほかの食べ物といっしょに摂ると消化に時間がかかってしまい、この利点は活きません。単独で空腹時に食べるのがベター。

わたしは果物をおやつ代わりに食べていました(毎日ではありません)。パイナップルとパパイアは強力な消化酵素を持っているので、魚を食べた日のデザートとして食べると、消化の促進が期待できます。

ただし果物の主成分は果糖です。果糖には血糖値をあげないという利点があるのですが、肝臓でそのまま中性脂肪になるため炎症がひどくなる恐れがあります。肝臓にも負担がかかります。体内ではたんぱく質と結合して「AGE」になります。AGEは老化の原因物質です。

カンジダや悪玉菌の好物という点も問題。過食すると、カンジダや悪玉菌が繁殖し、腸内毒素が増えるのです。(かなり)控えめにする、ということを心に留めておく必要があります。

カンジダ症が重症だという自覚のある方は、果物は腸内細菌のバランスがとれるまでは制限したほうがいいようです。

プルーンなどのドライフルーツは便秘にとても効きますが、糖質のかたまりですので基本的に避けるのが正解。オートミールに少しばかりのレーズンを入れるくらいは許容範囲としていました。

なお、果物は(野菜も)国内で栽培されたものを選びます。わたしは治るまで、宅配サービスで無農薬や低農薬の果物を買っていました。いまは八百屋やスーパーで買いますが、やはり新鮮なものをよく吟味します。

輸入農作物は避けます。理由は3つ。

  • 外国の農薬の散布量に関する基準は(国にもよるが)日本よりゆるい。
  • 他国への輸出を前提に栽培している農作物は信用が置けない。
  • ポストハーベスト(収穫後に散布される農薬)の問題がある。

梅干しは毎日食べる

12年熟成ものの梅干し

12年熟成させた梅干し。地方へ行くと、土地の農作物直売所へ立ち寄るようにしています。野菜や特産品などを買いこむためですが、そのときかならず梅干しも買っています。近所の農家のおばさんたちの手づくりですので、余計なものが一切入っていないのです。

すっぱいものは胃腸の炎症に効くそうです。お酢や梅干しですね。お酢としょうゆ、かつお節を千切りサラダにかけると非常に美味です。

カンジダ症が進行するとイーストコネクションを引きおこすことがあります。カンジダだけでなく、ほかの酵母や真菌類全般にアレルギー反応が起きるようになるのです。こうなるとお酢(酵母発酵によって製造)、かつお節(製造工程でカビを使って熟成させる)はNG。

この場合、お酢はカンジダ症でも大丈夫な純リンゴ酢(無農薬リンゴを天然発酵させたもの)を使えばOK。かつお節は、カビつけされていないもの(花かつおやかつお削りぶし)を使えばOKです。

添加物の使われた梅干し

梅干しは毎日1個食べていました(いまも)。無添加のものを買います。スーパーの梅干しの原材料表示を見ると、化学調味料や人工甘味料などがたっぷりです。どうしてこんなに添加物が必要なのでしょうか。そのほうがおいしい、という消費者が多いのでしょうか。みんなが買うのをやめれば、まともな食品がもっと増え、安価に流通するのかもしれませんね。

さいごに

アトピーの治癒を早めるには、なにをどんなふうに食べるかが重要です。

完全に治るまでは、農薬やポストハーベスト(収穫後に散布される防カビ剤、防腐剤)、カビ汚染、食品添加物などの心配のない、安全な食材を選ぶ、ということもとても大切です。


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