アトピーの方が毎日の食事に安心して使用していい甘味料と、そうでない甘味料について説明します。
砂糖などの精製甘味料(糖質)は身体に毒
精製された甘味料(白砂糖など)は毒そのもの。食べると、身体は精製甘味料を代謝するため、アトピーの治癒に使われるべき種々のミネラルやビタミンを過剰消費します。アトピーに悪い食べ物の筆頭株です。
さらにこんなこともわかっています。
⑥の副腎疲労については、こちらの記事もぜひご一読ください。副腎が弱ると、副腎皮質ホルモンの分泌力が低下します。肌の治りが悪くなります。
砂糖が入っている食べ物や飲み物ももちろんよくありません。購入時は原材料表示をよくチェック。「砂糖」だけでなく、「果糖ぶどう糖液糖」とか「異性化糖」といった表示を見かけたら棚に戻しましょう。どれも非常に高度に精製されている甘味料です。
精製されていない甘味料(糖質)を使う
砂糖の代わりに黒糖やてんさい糖、きび砂糖、蜂蜜、オリゴ糖などを使う手があります。
精製されていない糖質は吸収がゆるやか。身体への負担が小さい。さらにビタミンとミネラルも補給できる。だからヘルシー。こんなふうにいわれているからです。
が、アトピーの場合、これは一部まちがい。
その食品がどのくらい血糖値に影響を与えるかを知る方法があります。「GI値」という指標をチェックするのです。
その食品に含まれる糖質が、血糖値をどのくらい上昇させるかを示す指標です。
GI値を調べてみるとわかるのですが、黒糖やきび砂糖、蜂蜜(生蜂蜜は別)は砂糖と大差がない。成分的にも砂糖とほぼ同じ。てんさい糖はいくぶんマシですが、やはり避けるのが正解です。
が、以下で紹介する甘味料に切り替えていれば、もっと楽に治せたと思います。
ちなみにオリゴ糖と生蜂蜜も使いました。こちらは正解。血糖値をあげないし、善玉菌も増やしてくれる。かなり助けられたと感じています。
アトピーでも問題なく使える甘味料(糖類)
それでは、アトピーにはどんな甘味料がOKなのか。まずはわたしの答え。
△エリスリトール、キシリトール、マルチトール
使える甘味料、使えない甘味料の一覧
使える甘味料とそうでない甘味料をひと目で把握するため、一覧表をつくりましたので以下へ載せておきます。
甘味料 | GI値 | 甘味度(1) | 補足 |
---|---|---|---|
使っていい甘味料 | |||
ステビア | 0 | 100~150 | 風味にクセはあるが、植物由来の甘味料で、各国の研究で安全性が確認されている。 |
オリゴ糖 | 10 | 0.4~0.6 | 善玉菌を増やす半面、カンジダのエサになることも。使いすぎに注意したい。 |
生蜂蜜(高品質) | 30 | 1.0 | 高品質(オーガニック)。果糖が多い(肝臓の負担になる)。食べすぎはNG。 |
使いすぎに注意したい甘味料 | |||
エリスリトール | 0 | 0.7~0.8 | 糖アルコール。体内で代謝されないため、血糖値をあげない。カンジダのエサにもならない。 |
キシリトール | 13 | 0.6 | 糖アルコール。カンジダの増殖を抑制する効果がある。特有の清涼感がある。 |
マルチトール | 26 | 0.7 | 糖アルコール。家庭用としては入手困難。市販の加工食品などに含まれていてもOKとする。 |
使うべきでない甘味料 | |||
砂糖 | 110 | 1.0 | |
グラニュー糖 | 110 | 0.8 | |
氷砂糖 | 110 | 1.0 | |
ブドウ糖 | 100 | 0.6~0.7 | |
三温糖 | 108 | 1.0 | 上白糖とほとんど同じもの。 |
麦芽糖(マルトース) | 105 | 0.5 | |
黒糖 | 99 | 0.9 | |
きび砂糖 | 98 | 0.9 | |
水あめ | 93 | 0.3~0.4 | |
果糖ぶどう糖液糖(異性化糖) | 90 | 1.0 | |
蜂蜜 | 87 | 1.0 | 熱殺菌されているため、生蜂蜜と異なり、栄養素や酵素が破壊されている。血糖への影響も大きい。 |
コーンシロップ | 75 | 0.3 | |
トレハロース | 72 | 0.45 | |
メープルシロップ | 60~73 | 0.6 | 砂糖や異性化糖を添加されたものもとても多い。本物かどうかの見分けにくい。 |
てんさい糖 | 65 | 1.0 | |
乳糖 | 46 | 0.2~0.4 | |
パームシュガー | 30 | 0.9 | GI値は低いが、カンジダのエサになる。 |
アガベシロップ | 30 | 1.4 | 血糖値をほとんどあげないが、中心成分は果糖。肝臓に負担をかける。 |
果糖(フルクトース) | 20 | 1.2~1.5 | 果糖は肝臓で代謝されてそのまま内臓脂肪に変わる。肝臓に負担がかかる。(2) |
ソルビトール(ソルビット) | 9 | 0.6 | 糖アルコール。下痢を起こしやすく、アレルギーを引きおこすことも。 |
使ってはいけない人工甘味料 | |||
アスパルテーム | 0 | 180 | 人工甘味料は肝臓に大きな負担がかかる。発がん性も疑われる。 |
アセスルファムK | 0 | 200 | 人工甘味料は肝臓に大きな負担がかかる。発がん性も疑われる。 |
サッカリン | 0 | 400 | 人工甘味料は肝臓に大きな負担がかかる。発がん性も疑われる。 |
スクラロース | 0 | 600 | 人工甘味料は肝臓に大きな負担がかかる。発がん性も疑われる。 |
(1)砂糖を1とした場合の甘さの度合い。(2)果糖は血糖値をあげませんが、そのまま内臓脂肪に変わります。肝臓に負担がかかりますし、内臓脂肪は体内の炎症を引きおこします。さらにカンジダのエサにもなる。ということでNG。 |
memo
それぞれの数値については、調査時の条件などによってばらつきが生じるようです。あくまでひとつの目安としてご覧ください。キシリトールのカンジダ抑制効果については、イタリアのPatermo大学歯学部の研究論文が参考になります。
よく勉強されている方は、エリスリトールやキシリトールなどの糖アルコールが「使いすぎに注意したい甘味料」に入っていることに疑問を持たれるかもしれません。
その理由をつづけて説明します。
人気の糖アルコールは注意して使う
糖アルコールは、砂糖と同じ「糖質」のひとつです。熱や酸などに強く、身体が消化吸収しにくい。つまり血糖値をあげにくい。さらに腸内微生物の餌になりにくいという特徴があります。カンジダ症でも問題なく使えるわけです。
それだけを見ると、「夢の甘味料」といってもいいくらいです。
わたしも糖質制限を実践していたころ、エリスリトールばかり使っていました。でも最近はやめている。
というのはある日、エリスリトールをどっさり入れたあんこを食べていたら、妻が体調不良を訴えたのです。いわれてみれば、わたしも気分がよくない。
それでいろいろ調べてみたところ、糖アルコールは製造過程に酵母を使うことを知りました。ということは、イーストコネクション(カンジダ症に起因する、酵母の交叉反応)が起きる可能性があるということです。
そもそも糖アルコールは自然界に存在する糖質ですが、市販品を大量生産するためにトウモロコシを発酵などの工程を経て、高度に精製されてつくられます。
糖質制限が脚光を浴びていることもあって、糖アルコールは現在大人気ですけれど、そうしてみるととくに「夢の甘味料」でもないぞ、とわたしは思いなおしました。
糖アルコールの危険性を示すデータはありません。同様にその安全性に関する科学的なデータもありません。長期間は使わないほうがいいと感じています。
そういうわけで、わたしは生蜂蜜やステビア、オリゴ糖などを使いすぎないように利用するのがいちばんと考えています。
人工甘味料は絶対に使わない
もはや語るまでもありませんね。
「カロリーゼロ」とか「カロリーオフ」という言葉にだまされてはいけません。カロリーがないから血糖値をあげない、これが人工甘味料の謳い文句ですが、実際には血糖に影響を与えて糖尿病の発症リスクを高めることや、腸内産細菌のバランスを崩すことなどがわかっています。
政府の関係機関である独立行政法人農畜産業振興機構のホームページにもこんな記載があります。
動物実験で発がん性が確認されているものも少なくありませんし、そのほかにも危険性を示すデータがいろいろあがってきています。