こんにゃくの効果
こんにゃくにたっぷり含まれている水溶性食物繊維のこんにゃくマンナンは、腸の掃除屋です。世間ではダイエット食の代表的な食べ物のように扱われていますが、腸内環境を整える力は相当なもの。
こんにゃくマンナン(グルコマンナンとも)は胃腸で消化されず、消化器を移動するあいだに水分を吸って膨張し、便をどんどんやわらかくしていくのです。その道中、腸内のゴミ――有害物質や腐敗便などをからめとって、体外へと排泄する。お肉を食べた日などはこんにゃくを最後に食べておくと、いつまでも腸内にとどまって腐敗するということが減らせます。
こんにゃくは豆腐同様、水分がほとんどを占めています。全体の97%が水です。だからカロリーほぼゼロ。たんぱく質やビタミンなどの栄養素もほとんどありません。でもこれが、アトピーを治そうと少食生活を実践中の方には願ってもない利点になるのです。たくさん食べても身体に負担をかけず、十分な満腹感が得られるからです。
血糖値の上昇を抑える働きもあります。副腎疲労や糖質制限を実践中の方にもおすすめ。さらに水溶性食物繊維には腸内の乳酸菌を増やす働きもあります。
というわけで、こんにゃくの王道レシピを紹介します。
こんにゃく350グラム、お味噌、お酒大さじ6杯、甘味料大さじ1杯
- 味を染みこみやすくするため、こんにゃくの両面に深さ3ミリ、幅5ミリほどの格子状の切れ目を入れます。
- こんにゃくを沸騰したお湯で4~5分茹でます。
- お味噌とお酒、甘味料を別の鍋に入れ、火にかけます。
- 沸いたら、弱火でとろみがつくまで、かきまぜながら煮詰めていきます。
- こんにゃくのうえに田楽味噌をかけていただきます。
アトピーには黒こんにゃくがおすすめ
こんにゃくは、里芋の仲間のこんにゃく芋からつくられます。こんにゃく芋は平安時代、インドシナ半島からわが国に伝来したといわれています。
市販のこんにゃくの多くは、こんにゃく芋の球根をいったん粉末にし、石灰を足して固めてつくられます。生芋でできた「生芋こんにゃく」と区別するために「粉こんにゃく」と呼ばれています。わたしは生芋こんにゃくのほうが好きですね。
ついでにお話ししますと、白いこんにゃくと黒いこんにゃくがありますが、あれは、こんにゃく芋を製粉する際、皮を剥くか剥かないかの違い。海藻が入っているから黒いのだ、という人がいますが間違いです。アトピーを癒やす食事としておすすめなのは、黒こんにゃく。皮も混ざっているほうが、腸内を掃除する力が強いからです。
ついでのついでに書きますと、しらたきは白こんにゃくから、糸こんにゃくは黒こんにゃくからできると思われている人が多いのですが、これも間違い。しらたきは、こんにゃく芋の粉末を練ったものを細く絞りだして固めたもので、糸こんにゃくは完成したこんにゃくを細くカットしたもの。
こんにゃく、じつにややこしいやつなのです(笑)。