GMO作物の危険性 ~新たなアレルギーを引きおこしている!?

GMO(遺伝子組み換え)作物

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GMO(遺伝子組み換え)作物に注入される外来遺伝子は、人間の体にとって異物。アトピーの方のように食べ物に体が敏感な場合、新たなアレルギーの引き金を引く可能性が高いのです。GMO作物の発がん性を証明した実験もあります。問題なのが、日本はGMO作物の消費大国であること。気をつけないと、知らないうちに大量に口にしています。

遺伝子組み換えトウモロコシ

トランプ大統領の突然の離脱宣言によって、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)は有名無実化しましたが、あのまま米国主導で成立していれば、日本にもGMO(遺伝子組み換え)作物が怒濤のようになだれこんできたはず。

わが国では現在、GMO(遺伝子組み換え)作物の表示が(完全ではないにしろ)義務づけられています。が、TPPの枠組みのもとで、それも撤廃されていた可能性が高いのです。

間一髪、危機を回避した、というところです。いつまた危機がやってくるかはわかりませんが……。

GMO(遺伝子組み換え)作物は、アトピーに関係する

なぜ当ブログがGMO作物についてお話しするかというと、アトピーや喘息といったアレルギー疾患に関係しているからです。

GMO穀物やGMO大豆、GMO野菜には、害虫に強くするためにある種の毒素(Bt毒素)が組みこまれます。わたしたちの身体はこの毒素を異物と判断するため、アレルギー疾患をまねく可能性があることが指摘されているのです。科学者たちは、植物に外来の遺伝子を導入することで 、感受性の高い人たち(アトピーの方はみんなそう)に新たなアレルギー反応を引き起こす可能性があると推測しています。

しかもGMO作物のこの遺伝子は、腸内で消化される際も「崩壊」しないことがわかっています。

残念ながら現状、GMO作物とアレルギー疾患との、直接の関連性を立証する研究はありません。

しかし、米国ではGMO作物と普及率の増加と、食物アレルギーの発症率の増加にあきらかな相関関係が見られるそうです。たとえばGMOピーナッツが主流となった1990年代後半から2002年代前半にかけ、子どものピーナッツアレルギーが倍増。いまでは子どもの50人にひとりがピーナッツにアレルギーを持っています。

子どもたち

GMO作物が爆発的に普及する10年間に、子どもの17人にひとりが食物アレルギーを発症。全国の病院のER(緊急救命室)では食物アレルギーの緊急事態が265%増加したといいます。こうしたデータを見ると、子どものアトピーの原因になっているケースもあるのでは、と感じますね。

GMO(遺伝子組み換え)作物は危険

GMO作物の関連企業は、当然ながら「GMOは安全」と喧伝しています。でも、それはまっ赤なウソだと糾弾する科学者たちがいます。

その急先鋒が、仏カーン大学の分子生物学教授教授、ジル=エリック・セラリーニさんです。セラリーニさんは実験によって、GMO作物に強い発がん性があることを確認しました。

ラットこの実験では700日間、遺伝子組み換えトウモロコシをラットに与えました。すると対照群(遺伝子組み換えでないトウモロコシを与えたラットたち)に比べて、腫瘍の大きさが2~3倍となり、メスの死亡率も2~3倍になったそうです。さらに実験では1年くらいあとに腫瘍が出現することもわかりました。

つまりGMO作物には長期間食べつづけることで、発がんするという長期毒性があるというわけです。

そもそもGMO作物の種苗を販売する企業は3か月程度の動物実験を行なうだけで、それで「GMOは安全」と宣言していたのです。ちなみにいまも、自分たちのGMO作物によって消費者が被るリスクを回避するための研究を開始する気配はありません。

GMO作物との関連が疑われる疾患はほかにこんなものがあります。

  • Ⅱ型糖尿病
  • 自閉症

GMO作物の、日本へ輸入量は増加している

日本国内ではいまのところ、食用としてのGMO作物の栽培は行なわれていません。でも輸入量は、2000万トンを超えていて、輸入穀物の半分以上はすでに遺伝子組み換えです。たとえばトウモロコシはほぼ100%輸入に頼っているのですが、その9割以上はGMO品種です。

同様に大豆や菜種も9割以上がGMO品種です。いつの間にか、日本はGMO作物の消費大国になっていたのです。

輸入作物のGMOと非GMOの比率

主要なGMO作物の年間輸入量の推定値です。財務省貿易統計(2016年)、食料需給表(2015年)、ISAAA年次報告(2016)などをもとに作成しています。国内のお米の消費量は700万トンほどですから、日本人はその3倍近いGMO作物を消費しているということですね。

GMO作物は意識して避ける

ポップコーン

国内で流通しているGMO作物の代表は大豆、トウモロコシ、じゃがいもなど。こうした輸入農作物については「遺伝子組み換えでない」と書かれたものをきちんと目利きするようにしています。とくに毎日の食事で注意したいのが、次のような加工食品です。

  • お醤油、豆腐、お味噌、納豆、油揚げ、豆乳
  • コーン缶、ポップコーン、コーンフレーク
  • ポテトチップスやフライドポテト

遺伝子を組み換えられた農作物がアトピーの直接の原因という可能性は少ないと思いますが、なるべく避けるのが賢明なようです。


農林水産省「遺伝子組換え農作物をめぐる国内外の状況」
農林水産省「遺伝子組換え農作物の現状について」
厚生労働省「遺伝子組換え食品Q&A」
消費者庁「食品表示に関する共通Q&A」
環境省「バイオセイフティークリアリングハウス」
「Conclusiveness of toxicity data and double standards」G.E.SeraliniR.MesnageN.DefargeJ.Spiroux de Vendomois
「Food and Chemical Toxicology」Gilles-Eric Seralini, Emilie Clair, Robin Mesnage, Steeve Gress, Nicolas Defarge, Manuela Malatesta, Didier Hennequin, Joel Spiroux de Vendomois
「Biological effects of transgenic maize NK603xMON810 fed in long term reproduction studies in mice. 」(Report-Federal Ministry of Health, Family and Youth. 2008)Velimirov A, Binter C, Zentek J.
「Effects of diets containing genetically modified potatoes expressing Galanthus nivalis lectin on rat small intestine.」(Lancet 354)Ewen S, Pustzai A.
「A three generational study with genetically modified Bt corn in rats: biochemical and histopathological investigation. Food Chem.」(Toxicol. 2008)Kilic A, Aday M.
財務省貿易統計(2016年)
食料需給表(2015年)
ISAAA年次報告(2016)