漢方薬、ウコン、どくだみ

漢方

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漢方の世界において、悪血(瘀血)は万病の原因。アトピーも悪血のせいで起きると考えられています。アトピー改善に役立つ漢方薬(悪血除去薬)を活用。悪血除去にはウコンやどくだみ茶も役立ちます。

漢方薬で、悪血(瘀血)を除去

悪血(本当は「瘀血」と書き、「おけつ」と読む)は、東洋医学特有の概念。血液がうっ血したり毛細血管に滞っていたりする状態や、それが原因で起こる症状をいいます。症状というのは、

悪血の代表的な症状:冷え、のぼせ、コリ、痛み、高血圧、低血圧、貧血、脳血管障害、虚血性心疾患痔、皮膚疾患

とにかく万病は悪血から起きるといわれており、漢方薬や指圧、鍼、お灸ツボへの刺激)、瀉血などを駆使して悪血をとりのぞけば、健康が回復すると考えられています。漢方は、アトピーも悪血が原因と考えます。アトピーの原因は弱った腸です。その結果、血液が汚れて皮膚で炎症が起きていると解釈すれば、漢方の悪血の概念とも完全に一致します。

わたしはある時期、悪血が体内に異常蓄積し、皮膚が紫に変色し、身体がむくんだようになり、全身の筋肉は硬直し、強烈な肩こりと偏頭痛に悩まされ、それにともなって猛烈なアトピー重症化に苦しみました。脱ステからは数年後の再発時のことです。悪血がたまっていると教えてくれたのは、ある漢方医の先生でした。

その先生によると、老廃物や毒素、食品添加物やストレス、冷えなどが悪血をつくるそうです。それから、アトピーの方が忘れてならないのはステロイド。ステロイドなどのを長期使用した場合、その残留物である酸化コレステロールも悪血の大きな原因になるということでした。

さまざまな漢方薬を試しました。といっても、すべて悪血をとりのぞくためのものです。悪血をとる漢方薬を「駆悪血剤」といいます。使用してみた感想とあわせて、これから紹介します。

悪血度チェック

その前にまず、悪血が溜まっているかどうかをチェックする必要があります。当てはまる項目の点数をどんどん足していってください。

☑ 顔色がどす黒く、しみやそばかすが多い(5点)
☑ さめ肌(5点)
☑ 目の下にクマがある(3点)
☑ 手足が冷える(2点)
☑ 唇が紫色である(5点)
☑ 舌に暗い赤または紫のしみがある(5点)
☑ 舌の裏の静脈が暗紫色に腫れている(5点)
☑ 頭痛がある(3点)
☑ 肩や首すじがこる(3点)
☑ 関節が痛む(5点)
☑ 手足がしびれる(3点)
☑ 手の平に紅斑がある(3点)
☑ 胸を刺すような、あるいはしめつけるような痛みがある(5点)
☑ 物忘れしやすい(2点)
☑ リューマチ持ちだ(3点)
☑ ポリープや腫瘍がある(5点)
☑ おなかと足の静脈が浮き出ている(3点)
☑ 経血が黒ずみ、塊が混じる(5点)
☑ 生理痛がひどい(3点)
☑ 痔がある(2点)
☑ どろりとした黒便がでる(3点)

結果

3~6点:悪血ぎみです。
7~11点:悪血です。改善する必要があります。
12点以上:悪血が進行しています。即対処しましょう。

7点以上の方は、先をお読みください。以下は、わたしが使用していた駆悪血剤です。

①桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

健胃作用があり、頭痛にも効く「桂枝」、痛みをとる「芍薬」、体内の余分な水分をとる「茯苓」、血液循環をよくする「桃仁」「牡丹皮」などを配合しています。 半年ほどつづけました。卓効があった、という感じはないですが、アトピーの悪化を食いとめられた気はしましたね。

②丹心方(たんしんほう)

丹心方

悪血を改善する漢方薬。「芍薬」「川キュウ」「紅花」「木香」「香附子」「丹参」といった生薬を配合。頭痛、頭重、肩こり、めまい、動悸などの症状に効果があるそうです。

丹心方と処方の同じものを3か月ほど飲みました。朝昼はこれ、昼は桂枝茯苓丸という飲み方をしていました。数週間で症状が楽になったなあ、と感じたことを覚えています。ただ、1日あたり315円と安くないので、そのうちやめてしまいました。

③血府逐お丸(けっぷちくおがん)

血府逐お丸

中国で清の時代から処方されている、最も有名な駆悪血剤です。血をきれいにし、血液循環を改善してくれるといわれます。

丹心方がなくなってから、これを試しました。数週間後からゆるやかに効きはじめたという印象です。3か月くらいで瀉血療法をはじめたので、やめてしまいましたが。

④当帰養血精(とうきようけつせい )

当帰養血精(とうきようけつせい )

気血を補う生薬を多く配合。血のめぐりをよくし、血量を増やすそうです。駆悪血剤ではないのですが、悪血をとることで、血液が不足ぎみになる、つまり貧血になると聞きましたもので、併用しました。当時は東洋医学に心酔していましたので、サプリメントの鉄剤ではなく、こちらを選択しました。

漢方と好転反応

漢方に好転反応(めんけん)はつきものだそうです。漢方医もそう言います。だから症状が悪化しても我慢して続ける方が多い。身体に合わないのか、回復の兆しなのか判断が難しいからです。

が、中医学では好転反応が3日以上続くことはないともいわれています。あまり長期間、症状の悪化が見られるようなら、薬を変えるか、セカンドオピニオンを仰ぐのも手かと思います。

漢方薬のほか、ウコンとどくだみも併用

こうした駆悪血剤にくわえ、じつはウコンとどくだみも同時期に使用していました。いろいろ調べていて、ウコンが血をきれいにし、悪血をとりのぞいてくれると知ったからです。水や豆乳と混ぜて、飲んでいました。わたしが買っていたのは、屋久島で有機栽培されたウコン100%の粉末です。

ウコンにはいくつか種類があり、それぞれに健康機能が異なります。

ウコンと聞いて、真っ先にイメージするのは肝機能強化や二日酔い対策ですが、これはウコンが含むポリフェノールの一種、クルクミンの働きによるもので、秋ウコンが多く含有しています。クルクミンは強い抗酸化作用や老化防止作用をもつともいわれています。

わたしがお世話になっていたのは、屋久島で無農薬、無化学肥料で育てられたウコンです。錠剤やドリンクタイプでなく、混じりっけなしの100%粉末。有機なのに、メーカー品などとくらべると、うんと値段が安いのです。当時、わたしは農家から直接買っていましたが、いまはネット通販で、同じものが同じ価格で買えるようです。

春ウコン

春ウコンに多く含まれるのは、精油成分やミネラルです。クルクミンも含みます。このため、肝臓だけでなく、五臓六腑にいいといわれます。殺菌作用や抗がん、コレステロール減少、胃液抑制、強心などを期待して飲まれる方が多いそうです。毎食後1g(小さじ半分)をに溶いて飲んでいました。朝は春ウコン、昼はガジュツ、夜はクスリウコン、という感じです。ウコンはクセが強く、最初は飲みづらいですが、しばらくすると慣れます。というか、風味が恋しくなります。身体が欲するのかもしれません。

ガジュツ

クルクミンの含有量は少ないのですが、春ウコン同様に精油成分を多く含みます。その数、約100種。消化促進、潰瘍、肝臓病、腎臓病のほか、アレルギーや冷え性、血行不良にいいそうです。

クスリウコン

ほかのウコンより、クルクミンと精油成分、ミネラルが豊富です。有害物質の体外排泄をうながし、消化を助けるそうです。

どくだみ(十薬)

デトックス目的で、十薬(じゅうやく)もよく愛飲していました。どくだみ茶ですね。慣れると、複雑な風味が恋しくなります。市販品は中国産ばかりですが、味が薄くて、身体に変化をもたらしてくれる気がまるでしませんでした。国産が手に入るなら、そちらをおすすめしておきます。

さいごに

なお、わたしの場合、あまりに悪血の量が多かったせいか、駆悪血剤を飲み、運動半身浴で汗をたっぷりかく生活を送っていても、なかなか症状が改善しませんでした。もともと太る体質ではないにもかかわらず、この時期は体重が10kgほど増えていました。

このころは少食や断食をしていませんでした。腸を休ませることの意義を知らなかったためです。

駆悪血剤にも多少の効果はあったように思いますが、その後、瀉血によって悪血を強制的に撤去したら、肉体的違和感は消えて、体重も元に戻りました。