リンゴダイエットは万病に向く健康法
リンゴダイエットは、女性のダイエット方法としてポピュラー。昔はいまみたいにいろんな方法がなかったですから、30〜40代の女性なら「知ってる」「やったことがある」という方は少なくないと思います(妻も、女子高生時代にチャレンジしたことがあるらしい)。
でも、リンゴダイエットはもともと米国の自然療法家が考案した健康術。こんな症状にすすめられています。
- 内臓の不調
- 皮膚の傷あとが消えない
- 血流の改善
- 関節炎、神経炎
- 貧血
- 脊柱のゆがみ
これ、ほんの一部です。
リンゴダイエットは、ほとんどあらゆる病気に対応できる根本的な健康法とされています。もちろんそのなかにはアトピーやリーキーガットをはじめとする皮膚症状も含まれている。
わたしが目をつけたのも当然。
もちろんやせられます。
ただし、Diet(ダイエット)と聞くと、わたしたちはすぐ痩身術を思い浮かべるけれど、英語圏では健康法(あるいは治療のための食事制限)という意味合いで用いられます。
デトックス効果抜群のリンゴダイエットは、元気なひとも年数回やると健康維持や増進にいいとされています。
やり方は簡単です。
くわしくは後述しますが、基本は3日間3食リンゴにするだけ。会社勤めの方でもできますね。昼食はリンゴ3~4個持っていって(買ってきて)、公園で洗ってかぶりつけばいい。三連休とか金土日がベターだとは思いますが。
リンゴダイエットの狙い
1.腸内を大掃除できる
リンゴダイエットの利点は、腸の大掃除ができること。腸内環境は、わたしたちの健康そのもの。だから、万病に対処できるというわけです(リンゴの栄養がどうとかいう話ではない)。
リンゴはとても消化しやすい食べ物です。入ってきたのがリンゴだけなら、あっという間に消化器を通りすぎていきます。腐敗するヒマがない。その際、リンゴの食物繊維ペクチンが、腸内のゴミ(毒素を出している連中)を根こそぎ持っていってくれます。腸管のひだまできれいにしてくれます。
夕方以降には浣腸をします。大腸にカスがたまると、そこで毒素が発生しますから、強制的に外へ出してしまうのです。
2.腸に修復時間を与える
腸壁に修復時間を与えられる、という効果もあります。
食べ物を食べると、消化器は消化作業に全力を投入します。このとき腸壁の修復は進みません。穀類やお肉など消化が面倒なものばかり食べていると、弱ったり穴の開いた部分はいつまでも癒えない。それどころか、ますます傷ついていく。
そこでリンゴ。通過時間が短いから、腸が自分を修復する時間をつくってあげられるわけです。リーキーガットの治療に役立つのです。
3.自食作用で、細胞をきれいにする
リンゴダイエットで、「自食作用」のスイッチをオンにすることもできます。わたしがいちばん期待しているのはここです。
自食作用については以下に書きましたから、そちらを読んでいただくとして、とにかくリンゴだけしか食べませんから、たんぱく質が体内に入ってこない。すると細胞たちは飢餓感を覚え、体内のゴミや毒素を分解して食べはじめます。断食と同じような効果が見込める、というわけです。
老廃物や毒素にまみれている肉体を浄化するのにもってこいなのです。
リンゴダイエットのやり方
1日目
- 朝、レモン1個分の果汁をしぼり入れた「白湯」を飲む。
- 1時間は飲み食いしない。
- その後はリンゴを好きなとき好きなだけ食べていい。
- 午後、肝臓と腸をオイルで念入りにマッサージ。
- 夕方以降(夜でもいい)、浣腸をする。
- 夜、オリーブオイルを大さじ一杯とる。
オイルマッサージの方法はこちらを参照。
2日目
1日目に同じ。
3日目
1日目、2日目に同じですが、最後にプレーンヨーグルトを500グラムを食べます。腸内細菌を正常な状態にするためです。
が、ヨーグルトとアトピーは相性がよくない。わたしはヨーグルトではなく、乳酸菌サプリ(おすすめ乳酸菌サプリ)を利用しました。からっぽの腸内に乳酸菌をドーンと放りこんであげます。
これでおしまい。
もしおなかが減っていたら、1時間後からはふつうの食事をしてOK。ほかの断食とちがって、回復食を摂る必要がないのも、リンゴダイエットの利点。
リンゴダイエットに関するアドバイス
注意点
浣腸のコツ
浣腸後はすぐに仰向けになって、自転車こぎをするとベターです。直腸(大腸の出口)だけでなく、結腸(大腸全域)から便を出すためです。自転車こぎのあとは座って前屈します。これを2〜3回繰り返します。こうすることで、大腸全体に薬液を行き渡らせるのです。
わたしはその後、膝を立ててお腹全体を時計回りにマッサージします。
りんごの品種、食べる量
デリシャスが推奨されています。日本ではあまり売られていないのですが、調べると「フジ(サンフジ)」や「世界一」はデリシャス系です。わたしはこのあたりを買ってきます。
これを、ふつうの方は1日に6~8個食べるようです。
リンゴは栽培過程で農薬をたくさん使いますから、アトピーの症状があったころは、皮はしっかりむいていました。いまはそのままかぶりつきます。皮つきの食感が好きだからです。リンゴの皮にはリンゴポリフェノールが含まれていますから、ほんとうはアレルギーの炎症を抑える効果もある。身体にいいのです。
もちろん買ってきてそのままかじっているわけではありません。ボールに水を張り、塩か重曹(大さじ1杯)を入れ、スポンジでゴシゴシ洗います。そのあと流水でまたゴシゴシ。これで農薬をしっかりと落とす。茎とおしりのへっこみの部分はカットします。ここは農薬がいちばんたまりやすい。
めまいや疲労感を感じたら?
めまいがしたり、体力の消耗が激しい場合は中止します。しかしそうした症状は、低血糖が原因であることがほとんどです。生蜂蜜か黒糖を少しなめたら回復するということも多いようです。
身体に合わない場合はやめるのが正解です。リンゴにアレルギーがある人もまれにおられます。カンジダが繁殖している場合は安全に行なえない可能性もあります。
腸内細菌のバランスがくずれていると――とくにカンジダが大増殖していると、リンゴの糖質が彼らをますます増やしてしまう恐れがあるからです。このためカンジダ治療に向かないケースもあります(人による)。
あるいは食物繊維によって一時期に善玉菌が増殖し、カンジダの活動を抑えているのかもしれません。腸内でなにが起きているのか知るために、『ミクロの決死圏』のようにミクロ化した潜水艦で腸内を探検してみたいものです。
とにかくなんらかの異常を感じたり、なんの効果も感じないという場合、リンゴダイエットはやめておくのが得策だと思います。
なにかトラブルが起きても自己責任です。不安な方は事前に医師に相談するべきでしょう。糖尿病や低血糖症といった持病のある方はかならず主治医の判断を仰いでください。
1日版リンゴダイエットの方法
3日間も耐えられないという方には、1日バージョン(以下)があります。基本は上記の1日目と同じ。ただし浣腸を翌朝に行なう。これだけ。
リンゴダイエットの達人所感
1~2週間に1回はやります。基本は1日版ですが、どうも近ごろ腹具合がよくないぞ、と感じたときは、3日版です。もはや達人の域です(笑)。
リンゴダイエットの体験談をつづったブログなんかを見ていると、2日目あたりからだんだんと飽きてきて、3日目はにおいをかぐのもうんざりなんて書いてあります。大半の人は、最終日は1日目の半分も食べられないみたいです。妻も1日目で断念したといっていました。
挫折の最大の原因はやはり、他人がふつうの食事をしているのを目の当たりにしたり、うまそうなにおいをかいだりすることにあるようですね。たまらなくみじめになる、と。
わたしは平気なのです。リンゴダイエット中も、家族のぶんの食事の支度をしています。隣でカレーを食べていてもへっちゃらです。リンゴに飽きることもありません。1日10個くらいをむしゃむしゃ食べます(これは食べすぎ)。ただ、オイルマッサージをよく忘れてしまう。リンゴしか食べないと、頭の回転が鈍くなるようです。
身体は軽くなります。便通も絶好調。リンゴが天然の下剤となり、十二指腸(小腸の入り口)から大腸までを清めてくれるのでしょうね。肌の調子も、目に見えてよくなってきます。あきらかに素肌がきれいになります。ダイエット効果はほとんど感じませんが(体脂肪率6%ですもので)、太りぎみの方はやせると思います。中性脂肪の気になる方にはおすすめ。
難点は、眠くなることでしょうか。いつも早い時間に猛烈な睡魔に襲われ、娘といっしょにベッドに入ります。ストンと眠りに落ちてしまう(おかげで休肝日がつくれる)。
ちなみに同じ3日間のダイエットでいえば、「ニンジンリンゴジュース断食」のほうがよほどつらい。とにかく一日中お腹がすいていて、力がまるで出ませんでした。ラジオ体操をするだけで、めまいがしましたからね。リンゴダイエット中はジョギングもできます。
やってみるとわかりますが、お腹まわりがすっきりするだけでなく、頭もすっきりします。腸内のデトックスによって、脳もなんらかの恩恵をこうむるのかもしれません。ダイエット期間中はつまらないことをくよくよ気に病むこともなくなります。
終わったらもとに戻りますが(笑)。