便秘(腸の健康)とアトピーに効果のあるツボ
以下は、腸の健康回復に役立つツボです。腸にほどよい刺激を与え、便意を連れてきてくれるツボが中心。アトピーの改善に役立つものも含まれています。
そもそもアトピーの原因は腸の不調ですので、これらはすべてアトピーの改善、完治に役立つといっていいと思います。
おなかのツボ
中かん(ちゅうかん)
便秘解消の基本となるツボです。おへその真上、みぞおちとおへその中心に位置しています。人差し指、中指、薬指をそろえて押しあて、お腹が少しへこむくらいまでマッサージします。あおむけになり、お腹の力を抜いて、リラックスしておこなうとベター。速効性のあるツボです。
天枢(てんすう)
中かんと同じく、便秘解消の基本となるツボ。弱った大腸の働きを改善します。場所は、おへその両脇。おへそから指3本分、外側へずれたところにあります。人差し指と中指、薬指を左右のツボにそろえて押しあて、上下に軽く揺するようにして刺激します。速効性のあるツボ。わたしが初めて刺激した日は、開始直後からお腹がごろごろして、たくさん放屁が……。
大巨(だいこ)
天枢から指幅3本分下にあるツボです。腰骨に両手をあて、親指で左右のツボを同時に刺激します。
関元(かんげん)
冷えが原因となっている便秘に効きます。おへそから指4本分程度、下にあります。人差し指と中指をそろえてツボにあて、ゆっくり力を入れて、ゆっくり力を抜く、これを数回繰り返します。
背中のツボ
脾兪(ひゆ)
消化器や水分の代謝に関わりの深いツボです。首のつけ根にある突起から背骨11個分、下へさがり、左右へそれぞれ指2本分ずれた位置にあります。親指でぐいと押す感じで、刺激します。
便秘点(べんぴてん)
一番下のろっ骨から指幅2本分下にいき、さらに背骨から指幅4本分外へいったところにあります。腰に手をあてて、親指でツボをよくもみこみます。
大腸愈(だいちょうゆ)
大腸の疲れによく効くツボです。痔の解消効果もあるそうず。左右の腰骨の上端を結ぶ高さで、背骨から指幅2本分、外側にあります。指でマッサージしてもいいのですが、指圧しにくいときは、あおむけになり、こぶしを背中の下にさしこみます。それから膝を立てて、身体を揺さぶると、身体の重みでしっかりともみほぐせます。
手のツボ
合谷(ごうこく)
ウサギのようにころころとした便が出ている症状に効果があるツボ。吹き出物やにきびといった、肌のトラブルにも効果があるそうです。親指と人差し指のつけ根、骨が分岐するあたりの内側です。水かきの部分ですね。反対側の親指を、人差し指の骨の下へぐいと押し込みます。あるいは、親指と人差し指ではさみこんでもみほぐすと、上手に刺激できます。
神門(しんもん)
手のひらを上にしたとき、小指側の手前に出っ張っている骨の下にあるくぼみです。親指で、思い切りもみこみます。
足のツボ
足三里(あしさんり)
消化器の機能不全を回復し、心身が元気になるツボです。痔にも効果があります。ひざの外側のくぼみから指4本分下、すねの外側のふちにあります。親指か中指を使い、ごりごりと思い切りもみこみます。
三陰交(さんいんこう)
長期間、便秘続きなら、このツボはおすすめ。むくみにもよく効くそうです。くるぶし上部から指4本分上にいったあたりの、すねの骨の後ろにあるくぼみです。押すと痛みますから、すぐにわかります。両手の親指をそろえてツボに押しあて、痛いと感じるまで突きます。息を吐きながら5秒間突き、吸いながら力を抜く、これを5セット行ないます。このツボは温熱刺激を与えると効果が増しますから、湯船のなかで半身浴でもしながらマッサージするか、お灸を据えるも手。
太衝(たいしょう)
お腹が張っていたり、便が詰まった感じがするときに有効なツボです。足のむくみにも効果があります。足の甲にあります。親指と人差し指の骨がまじわるところで、押すと少し痛む。親指でもみこむようにして、マッサージします。入浴中に、リラックスしておこなうと効果大。
耳のツボ
便秘点(べんぴてん)、神門(しんもん)、胃(い)
どれも手軽にマッサージできますから、気軽に試せますね。
ツボを指圧する際の注意点
ツボは通常、左右対象です。両方をバランスよく刺激するようにします。指圧を行なう際は、一箇所ずつゆっくりとそれぞれを5回程度刺激すると、効果が得られやすいといわれています。指の腹でマッサージするとすぐ指が疲れてしまうので、わたしは指圧グッズでツボ押しを行なうようにしていました。
お灸の効果
お灸は、もぐさをツボに置いて燃やすことで、熱刺激を与える治療法。内臓の病変は身体の表面にあるツボに投影されるから、そこへ刺激を与えてやれば健康が取り戻せる、という考え方です。
昔は、お年寄りがよくお灸を据えていたものです。わたしのじいちゃんも、縁側に腰掛けて、お灸をしょっちゅうやっていました。わたしの父は悪さをしたら、文字どおり本物のお灸を据えられたそうで、背中や肩にいまも火傷跡が残っています。父はお灸のことを「やいと」といい、思いだすといまだに恐怖を感じるようです。わたしも子どものころは、悪さをすると「やいと据えるぞ」とよく脅かされたものです。本当に据えられたことはありませんが。
やり方は、2つあります。
ひとつは有痕灸。直接、皮膚にもぐさを乗せて、火をつけます。ごく軽い火傷を負います。父が据えられたのはこれですね。
もうひとつは無痕灸。生の生姜やニンニクを皮膚に置き、そのうえにもぐさを乗せて点火。ワンクッション置くことで、熱の刺激がやわらぎます。無痕灸で火傷をすることはありません。
一般に、消化器や呼吸器の慢性疾患、神経痛、リウマチなどの方がよく利用されますが、そのほかにも対象となる病気は多岐にわたります。刺激するツボ(約360の正穴と約150の奇穴が定められている)によって、さまざまな病気に効果があるといわれます。そのなかには、アトピーや蕁麻疹、皮膚炎の体質改善を目的としたツボもあります。
有灸痕は、温熱効果にくわえ、あえて小さな火傷を負わせることで、身体から白血球増加や免疫物質生成、毒素排出などの反応を引きだすものです。無灸痕より効果が高いです。わたしの場合、単なる健康増進でなく、病気治療が目的だったので、有灸痕をやってみることにしました。
お灸による火傷が怖くて断念
有灸痕の狙いは、火傷によって、ヒトの免疫の底力を引きだしてやろうというものですから、火傷の跡が残ることがあります。水疱ができることもあります。わたしは、手の甲にある「合谷」というツボに繰り返しもぐさを乗せていたら、やがて火傷跡がくっきりとできてしまいました。
「合谷」以外に、肩先にある「肩ぐう」、ひじにある「曲池」、ひざのうえにある「血海」、ひざのしたにある「足三里」などに有灸痕を据えていました。どれも、アトピーの体質改善につながりそうなツボです。
お灸をはじめると、かゆみがすっと引くのがわかりました。終わるともとに戻りますが、やっているあいだは、かゆみを少し忘れさせてくれます。が、わたしはいつまでも慣れませんでした。父と同じように、やいとが怖い(笑)。
もぐさをこよりのように結って、小さくちぎり、ツボに乗せて、線香でちょんと火をつける。もぐさがチリチリ燃えはじめ、皮膚に熱を感じた瞬間に指でつまんで消す、これを繰り返すのですが、一瞬とはいえ、相手は火ですからやはり熱い。怖じ気づきます。
それにお灸を据えるたび、妻が書斎に「煙たい煙たい」といいながら駆けこんできて大騒ぎするので、ひと月ほどでやめてしまいました。東洋医学は長期戦必至です。わたしはフェードアウトしてしまいましたが、続けていればなにがしかの効果はあったのかもしれません。
お灸のやり方
用意するもの
もぐさ、線香、線香の燃えかすを落とすための灰皿、ライター、水で濡らしたティッシュペーパー。
お灸の手順
①ツボ※にマジックなどでちょんと印をつける。
②もぐさをちぎって手のひらに置き、人差し指で細長くよじります。
③それを米粒の半分くらいの大きさにちぎります。これが1回分。
④濡らしたティッシュで、ツボを軽く湿らせます。
⑤そこへもぐさを乗せます。
⑥線香で、もぐさに点火します。
⑦もぐさが8割燃えて、チクンと熱刺激があった瞬間に指でもみ消します。
⑧ひとつのツボに5~10回ほど繰り返します。
⑨1日1回、毎日つづけます。
※ツボの位置、対応する病気などは、「せんねん灸」のホームページがくわしいです。
ツボ押し(指圧)やお灸の注意点
ツボ押し(指圧)もお灸も自宅で手軽にできますが、れっきとした医術です。事前に医師や鍼灸師に相談することが推奨されています。とくに免疫力が極端に落ちている方や、糖尿病の方は火傷から感染症にかかることもあるそうです。始める前に主治医への相談が必要です。妊娠中の方も、流産のリスクがあがるツボもあるといいますから、医師に相談してくださいね。