遅延型食物アレルギー(IgG)

食物アレルギーには即時型(IgE)と遅延型(IgG)があります。本当に恐いのはIgGです。発現までに数時間、遅いと数日かかることもあり、その後は数か月(最長1年)も体内で炎症を引き起こします。IgGによる症状や、血液検査の方法をくわしく説明しています。

遅延型食物アレルギー、IgG(新3大悪化因子)

最終更新日:2017/02/06
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目玉焼き
長らく遠ざけていた卵とチーズを食べる気になったいきさつは、ブドウ糖代謝障害の記事に書いたとおりです。チーズに関しては、食べると翌日、お尻がむずむずするような気がしたため、なんとなくやめてしまいました。ですが、卵に関してはこんな奇妙な変化が起こったのです。

  1. ある日、目玉焼き3個を食べてみた。
  2. 1日たってもなにも起こらない。
  3. 毎日、昼食に卵3個を食べるようになる。
  4. 数週間後、左の首筋がガサガサしてきた。頭が重い。
  5. かゆみはほとんどないが、首筋が熱を持っている(炎症)。
  6. 卵を中止した。
  7. 3日たっても炎症はそのまま。
  8. 4日目に少し改善。
  9. 試しに卵を3個食べた。
  10. 翌日も改善した。卵は無関係と確信。
  11. そういえば最近、胃腸に不快感がずっとあると思う。
  12. 肉の食べ過ぎによる腸内環境の悪化が原因だと思う。
  13. 魚を食べるようにして、卵は1日1個に減らした。
  14. 炎症がとまらない。徐々に悪化していく。
  15. 本気でうろたえる。

そんなときでした。2週間前におこなった食物アレルギー検査の結果が届いたのは。

自己診断テストでグルテン過敏症の疑い濃厚となったわたしは、グルテンフリーの生活を送っていました。けれども、小麦はあらゆる食品に含まれています。完全に除去するのがかなり面倒です。そこで、本当にグルテン過敏症なのかどうかを調べておこうと思い、血液検査に踏み切ったのでした。

遅延型アレルギーIgG検査結果(肉卵以外の結果はぼかしをかけています。きわめてパーソナルな情報ですもので、いちおう……)

この検査は、日本ではまだ一般的でない遅延型アレルギーを調べるためのもので、小麦グルテンだけでなく、全96種の抗原のスコアがまとめてわかります。

結果を見て、目玉が飛びだしそうになりました。卵、最強スコアを叩きだしていました。卵黄、卵白ともにです。卵ほどではありませんが、予想どおりチーズも。それからヨーグルト。ほかにも少し。

まさかのヨーグルトでした。治療期、あんなに大量に食べていたのに……。特定の食品を繰り返し食べることで、食物アレルギーを発症するケースは少なくありません。そのせいかもしれませんね。それ以前からだとしたら、アトピーにいいと思っていたものに、ずっと足を引っ張られていたことになります。知らぬが仏とはまさにこのことです。

さて、ここから非常に重要な話をします。ちょっと難しいかもしれませんが、必要なことだけを簡潔に書きます。

じっくりと目を通してください。

遅延型食物アレルギー(IgG)

食物アレルギーには即時型(IgE)と遅延型(IgG)があります。日本で食物アレルギーというとIgEを指すことが多く、皮膚科で受けるアレルギー検査も基本的にIgEを対象にしています。

IgEは、数時間以内に起こる反応ですから、特定が簡単なのが特徴。卵を食べてすぐにじんましんが出たら、だれでも卵の仕業とわかります。検査などしなくてもいいくらい。

やっかいなのは、遅延型のIgGのほうです。IgGは、反応があらわれるまでに数時間~数日かかります。その後、数か月から最長1年も体内で生きつづけ、からだのあらゆる場所で慢性的な炎症や組織変性を引き起こします。

IgGによる症状は多岐に渡ります。慢性疲労、関節痛、リウマチ、偏頭痛、メニエル症候群、てんかん、自閉症、グルテン過敏症、セリアック病、過敏性大腸炎、そしてアトピー性皮膚炎。

関連する症状はこの表のとおりです。

グループ

食物アレルギー(過敏症)に関連する症状

消化器系腹部痙攣、肛門掻痒、口臭、食後膨満感、胆嚢疾患、過敏性腸症候群、舌苔、便秘、下痢、胃膨満感、粘膜便、未消化便、腹痛、フタ性潰瘍、おくび、吐き気、乳児疝痛、口蓋のかゆみ、大腸炎、クローン病、発育障害、鼓腸、潰瘍性大腸炎、嘔吐
神経系攻撃的行動、精神錯乱、空想過多、集中力欠如、興奮性、精神混濁、しびれ、不明瞭な発語、不安神経症、うつ病、活動過多、無関心、学習障害、無感情、無気力、勤労に対する心構えの欠如、情動不安、どもり
筋肉骨格系関節炎、関節のうずきと痛み、変形性関節炎、成長痛、筋肉のうずきと痛み、関節リウマチ
泌尿生殖器系夜尿症、頻尿、おりもの、月経前症候群、尿意逼迫、膣のかゆみ
呼吸器系ぜん息、慢性咳、粘液過多、運動誘発性ぜん息、嗄声、持続的に鼻をほじる、再発性静脈洞炎、のどの痛み、胸部うっ血、慢性鼻づまり、運動性アナフィラキシー、吐き気、鼻の横じわ、後鼻漏、鼻水、鼻づまり
心臓血管系アンギナ、高血圧、頻脈、不整脈、動悸、血管性頭痛
外皮系にきび、ふけ、疱疹状皮膚炎、湿疹、蒼白、発疹、もろい爪や毛髪、目の下のくま、乾燥肌、じんましん、乾癬、目の下の腫れとしわ
耳と目視界不良、耳痛、耳閉感、目のかゆみ、再発性耳感染、涙目、耳だれ(耳漏)、滲出性中耳炎、難聴、メニエル症候群、耳鳴り
そのほか過食症、めまい、意識喪失感、頭部圧迫痛、頻発性夜間覚醒、吐き気、肥満、手足やかかとの腫れ、むくみ、慢性疲労、食後の過度の眠気、疲労、頭痛、不眠症、悪夢、急激な体重変化、歯ぎしり

引用元/レイモンド M.スーエン、Dr.クリス・メレティス『Are the foods you eat』:29-32,US BioTek.

どんなかたちで顕在化するかは一人ひとり異なります。その人の弱い部分にあらわれるからです。原因食物をそうとは知らずに食べつづけていると、抗体は体内でどんどん増え、免疫システムや肉体が大きなダメージを受けてしまいます。

初めのうちは症状が出なくても(反応がわずかで気づいていないだけ)、食べつづけているうちに抗体が蓄積していき、ある時期から自覚症状が出てくる、ということもあるわけです。

こんなものを自分で特定しようとしてもまず不可能です。わたしも身をもって体験ずみです。食物アレルギーを正確に知るには、血液検査をおこなうほかに手はありません。

食物アレルギーのほとんどがIgEでなく、IgGの仕業だということは、米国ではもはや常識だそうです。IgGによる症状は広範で、発症人数を正確につかむのは困難ですが、米国だけで5000万人、あるいはアメリカ人の50%がIgGに苦しめられている、と推測する専門家もいます。

「これら(上表)の症状に該当するものがあれば食物アレルギー検査を受けましょう。身体に誤った燃料を供給して、無意識のうちに健康を害している可能性があります」

臨床医学的検査の老舗として知られる、USバイオテック創業社長のレイモンド・スーエン氏はこう語っています。

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IgG抗体検査の結果を受けて

検査結果を知ったわたしは、その日から卵と乳製品の除去食に切り替えました。すぐにからだが楽になりました。胃腸の不快感が消えました。全身がふわりと軽くなり、ひさしぶりに頭がすっきりした感覚が味わいました。数週間で炎症はすっかり治まっていました。

※あとから思えば、小麦を食べたときと同じ症状でした。遅延型食物アレルギーの特徴のひとつなのかもしれません。

20代後半まではなんでも好きに食べていました。なにも問題はありませんでした。卵アレルギーや乳製品アレルギーが後天的なものであることは疑う余地がありません。十数年間という長い歳月、腸管バリアがまともに機能していなかったせいで、抗原が体内に侵入しほうだいだった、これがアレルギーのスコアをあげた、と考えるのが妥当でしょう。

それが証拠に、治療期にひんぱんに食べていた生姜やオートミールなどにも少し反応が出ていました。

アトピーを患っている期間が長引けば長引くほど、アレルギー反応を引き起こす食べ物が増えていき、スコアがあがっていくことは、容易に想像がつきます。

この点だけをとっても、アトピーはなるべく早く治してしまうべきですね。同時に、健康な腸内環境を維持することの大切さをあらためて思い知りました。

IgGはあらゆる不調の原因です。アトピーでなくても1度くらい調べておくと、QOL(生活の質)が向上するかもしれません。

なお、IgGはIgEなどと異なり、自然に治ってしまうことも少なくないそうです(免疫寛容という現象)。原因物質を半年くらい食べないようにしたら、スコアがぐんとさがった、といったこともめずらしくはありません。いつかわたしももう再検査してみたいと考えています。

難点は検査費用が高いことです。保険がきかないからです。こんなに重要な検査がどうして保険適用外なのか不思議でなりません。

食生活の改善にとりくんでいるが完全に治らない、グルテンフリー食や糖質制限食を実践してもすっきりしない、という場合は1度、食物アレルギーを疑ってみてください。

遅延型食物アレルギー検査(IgG抗体検査)の方法

日本で遅延型食物アレルギー検査(IgG抗体検査)を実施しているのは、一部の病院にかぎられます。やってみようというなら、インターネットで探すか、近所の病院に電話して聞いてみるほかありません。

ちなみに、わたしが調べたところ、どこの病院も同じ海外製の検査キットを使用しているようです。これです。

遅延型アレルギー血液検査キット

この検査キットには、血液を染みこませるストリップ(血液を染みこませる布のついた、プラスチック板)や、ランセット(ボタンを押すと飛びだす針)などが入っています。個人で買うこともできます。

病院で検査をおこなうと、診察料や説明代金、検査費などが上乗せされますから5万円くらいかかります。しかも、結果が出るまで3~4週間程度かかります。個人でやれば、2週間ほどで結果が出ますし、費用も3万円以下に抑えられますから、わたしは自分でやりました。

自分でできるかどうか不安な方は、こちら(添付の検査手順)をご覧ください。採血などの方法がわかります。大人ならまず大丈夫。子どもも、親がやれば問題ないでしょう。

けっして安くはありませんが、検査を受けた方々の書き込みを読んで、即座に決心が固まりました。大正解でした。知らなければ、残りの人生に大きな影響があったはずです。

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管理人/イチロー

アトピー歴十数年。妻と娘との三人暮らし。数年前、ずっと目をそむけてきたアトピーが仕事もできないほど悪化。否応なく病気とがっぷり四つに組み、百日かけてねじふせました。その実践術のすべてを公開します。ひとりでも多くの方が、あの苦しみから逃れられますように。
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