食事制限の栄養不足にプロテイン活用
食事制限を開始して1か月ほど経ったある日、手の爪先がぼろぼろと剥がれていることに気がつきました。数日たってもそれが治りません。いっそうひどくなっていく。少食による栄養不足に違いない。わたしは頭を抱えました。
爪がもろくなっているということは、とくにたんぱく質が欠乏している。しかしそのころ、肉はおろか、消化によいといわれる魚でさえ食べると悪化することがあって控えていたからです。
大豆は問題ありませんでした。でも納豆や豆腐、煮豆などでたくさん食べている。これ以上は摂りたくない。大豆は健康食品ですが、大豆イソフラボンの過剰摂取には害があります。かといって食事の量そのものを増やすと、胃腸を休ませることができなくなってしまう。
苦肉の策として思いついたのが、プロテインを摂取するということでした。以前、筋トレ用に買ったものがたまたま部屋にあり、目についたからです。プロテインは消化吸収にすぐれています。
ホエイプロテインで栄養失調から回復
利用したのはホエイプロテインでした。
「ホエイ」は、牛乳由来のたんぱく質(牛乳を温めたときに表面にできる膜)。アトピーに乳製品はご法度です。ほんとうならホエイプロテインなどは禁忌中の禁忌。実際、以前飲んだときは症状が悪化しました。
でも現在は、たんぱく質を分解してくれる心強い味方がわが家にいる。そう、カスピ海ヨーグルトの乳酸菌たちです。
わたしは、ヨーグルトを手づくりする際、ホエイプロテインを牛乳に混ぜることにしました。クレモリス菌FC株(カスピ海ヨーグルトの乳酸菌)が、牛乳のたんぱく質はもちろん、プロテインのたんぱく質もいっしょに分解してくれることを期待したからです。
結果は吉と出ました。完成したヨーグルトを食べても、症状の増悪はありませんでした。爪も1週間で元通り。
めでたしめでたしというわけです。
プロテイン利用時の注意点
ホエイプロテインなど、高純度のたんぱく質を大量に連用すると、乳製品のアレルギーを発症する可能性が高まります。この点、くれぐれもお気をつけください。
アトピーの方は、腸粘膜がスカスカだからです。プロテインのたんぱく質は本来、健康な腸にとっては分解しやすく吸収しやすいのが利点です。が、アトピーの場合はこれがアダとなる。きちんと分解されないまま、スカスカの腸粘膜から吸収されてしまいます。アミノ酸のサイズまで分解されていないホエイは、身体にとっては異物です。免疫が発動します。炎症反応が起こります。
変性たんぱく質はアレルギーを起こしやすい。だからソイ(大豆)プロテインも避けたほうが無難です。わたしは大豆アレルギーではありませんが、特定のソイプロテインを飲むとかならず蕁麻疹が出ます。大豆たんぱくの構造が変化しているからだと思います(ほかに説明のつけようがない)。
さらに未分解のホエイに対するこうした免疫応答を繰りかえしているうちに、ホエイに対する食物アレルギーが定着していきます。
わたし自身、乳製品アレルギーをいつからか発症していました。いちばんの原因はヨーグルト。毎日大量に食していましたから。が、そこにはこの時期のプロテイン摂取もいくらかは関与していたのかもしれません。
いずれにしろ、栄養素はやはり極力食べ物から摂取すべき。高度に精製あるいは加工されたものは、身体にとって不自然。やさしくありません。
まとめ
結論としては、たんぱく質不足は、自然なたんぱく源で解消すべきということになります。
たんぱく質の摂り方はこちらの記事にまとめています。
わたしがやるべきだったのは、精製たんぱくに頼ることではなく、良質のたんぱく質(新鮮な魚など)を適正な範囲で食べる、ということだったのです。当時は食べ方を誤っていたのです。冒頭に「魚でさえ食べると悪化することがあって控えていた」と書きましたが、あれはヒスタミン中毒のせいです。いまならわかります。
プロテインは優秀なたんぱく源とされていますが、アトピーの身体には低質であり、不向きです。