治った人はみんなやっていた! 半身浴

半身浴

この記事の重要度:

半身浴を行なうと、発汗や排尿によるデトックスがぐっと促進します。半身浴をしながらリンパマッサージを行なうと、さらに排毒が進みます。この記事では正しい半身浴の方法、半身浴の際に湯船に入れると保湿効果や殺菌作用が得られる入浴剤、そしてお風呂でのリンパマッサージの方法までをていねいに解説していきます。

半身浴

半身浴を行なうときはしっかりと水分と塩分を補給するようにしました。汗をたくさんかきますからね。水分を十分に補給しておかないと、血液やリンパ液がどろどろになり、流れが悪くなって、きちんとデトックスできません。水分補給を忘れる方が多いようですが、ここはとても大事。

半身浴は毎日行なう

半身浴を行なうと、身体に溜まった老廃物や毒素を汗といっしょに押し出すことができます。大量に発汗しますから、自分でもデトックスしているぞ、という実感と充実感が味わえます。

保湿の効果があり、肌もしっとりします。やるのとやらないのとでは、お風呂あがりの乾燥の度合いにはっきりとした差が出ます。頭皮に保湿剤は使えませんから、頭皮の症状が強いときはとくにおすすめです。

発汗によるデトックスのメリットはこんなにあります。

  • 体内の炎症レベルが低下する。
  • 肌がきれいになる。
  • 肌がしっとりする。
  • 消化力が高まる。
  • よく眠れるようになる。
  • やせる。

少食生活を送っているわけですから、やせる必要はありませんが(笑)。

最初の15分くらいはかゆみが強くなったように感じますけれど、それ以降は(症状の重さにもよりますが)時間の経過とともにかゆみがやわらいでいきます

わたしは毎日2セット実行。1日2回入浴することもあれば、途中で休憩をはさんで連続して行なうこともありました。そこまでやると脱水症状に近い状態になります。まるで自分を干物にしているような気分になりますが、半身浴はできるかぎり毎日行なったほうがいいと感じます。

半身浴のしかた

みぞおちから下を湯船につけて、ぬるめのお湯(37~40℃)に30分ほど浸かります。

身体の芯が暖まり、汗が滝のように噴出してきますよ。

半身浴は脱水症状に注意

半身浴の最中にめまいや脱力感があらわれるのは、脱水症状のサイン。塩分と水分を補充する必要がありますので、入浴前後にひとつまみの塩を入れたを1杯ずつ飲むようにしていました。

浴室にはよく熱い生姜紅茶400ccを持ちこんでいました。生姜の発汗作用を利用するのが狙いです。

アトピーを長くつづけていると(とくに薬の使用歴が長いと)、汗腺がうまく働かなくなるようです。そのせいで発汗すると悪化したように感じたり、汗をかくだけで蕁麻疹が出ることもあります。流れだした老廃物や毒素が汗腺に詰まってしまうのだと思います。

これを改善するには、とにかく汗をかきまくることだとわたしは考えていました。生姜紅茶は身体を芯から温め、汗をたくさんかかせてくれます。

生姜紅茶の代わりにハーブティー(カモミールティーやどくだみ茶)、第一大根湯を飲むこともありましたし、水だけの日もありました。カモミールティーは腸壁の修復に役立ちますし、腸の殺菌剤としての働きもあります。半身浴中に飲めば、汗腺からの毒素排出を促進するそうです。

半身浴中はリンパマッサージにいそしむ

30分も湯船に浸かっていたら、時間をもてあまします。

最初は本を読んでいましたが、表紙もページも汗でびしょびしょに(笑)。読書をあきらめて、わたしはリンパマッサージをはじめました。

塩浴と塩マッサージもおすすめ

食塩

塩浴にも塩マッサージにも食塩(塩化ナトリウム)は向きません。単なる刺激物です。ミネラルを含んだ塩がベター。海のめぐみを拝借する、ということですかね。

塩浴(ひとつかみの塩を浴槽へ入れての半身浴)は、身体を芯から温め、発汗量をさらに増やしてくれます。アトピーの肌は汗腺が退縮していますが、塩浴をやるとスムーズに汗をかけるのです。塩の浸透圧の働きのおかげでしょうかね。かゆみがぐっと楽になる、というのもうれしいポイントです。

ただ、塩を入れたお湯を追い炊きすると、湯沸かし器がさびつきそうな気がします。そう考えて、わたしはやがて、自然塩を肌に直接もみこむようにしてマッサージする方法に切り替えました。

塩マッサージのやり方
両手に塩をたっぷりとつけて、全身をゆっくりマッサージ。やがて、ぬめりのある汗が噴きだしてきます。塩の浸透圧の力で、皮下の老廃物や毒素といっしょにヒスタミンなどの炎症性物質も押し出されてくるようです。

塩浴以上にかゆみを治える働きが強く、入浴後の肌も塩のミネラルがしっとりさせてくれます。

塩浴も塩マッサージも、皮膚に傷があると当然ヒリヒリします。が、それでもアトピーのあの突きあげるような掻痒感よりはずっとマシでした。いつもなら入浴後はかゆみが増しますが、塩浴後あるいは塩マッサージ後はかゆみもしばらく治まるのです。

そんなわけでわたしは、半身浴で汗をたっぷりかいてから塩マッサージを行なうようにしていました。が、一時的に症状が悪化することもあります。スキンケアとはとても呼べない手当て方法ですからね(笑)。

ミネラル塩、自然液

毎日のことですから、天然塩は高くつきます。1回分(300~400グラム)が100円~200円します。わたしは卸業者さんを探し、25kg(精製塩にミネラル添加したもの)の袋買いに切り替えました。1500円ほどでした。これなら1回20円ほど。コストパフォーマンスが格段にちがいます。フェロシアン化合物が入っていないものを選んでいます。塩が湿気で固まらないようにするためのものですが、毒性の強いシアンから作られる化合物の一種です。

半身浴にぴったりの入浴剤

竹酢液とクエン酸

竹酢液とクエン酸を半身浴中の入浴剤として使うと、保湿効果が得られます。入浴後の肌がしっとりするのを感じました。雑菌の繁殖も抑制してくれます。

塩マッサージはわたしのイチオシ。ところがほかの人にすすめると、相手の表情がいつも曇るのです。顔をしかめる人もいる。「傷だらけの素肌に塩をすりこむなんて、正気の沙汰ではない」。口には出さなくても、そういう思いが空気をビンビン震わせて伝わってきます。

気持ちはわかります。

そういうときは気を取り直し、次のいずれかを勧めるようにしています。

半身浴におすすめの入浴剤1.竹酢液

竹酢液(あるいは木酢液)を使うと、お風呂あがりの肌がつるつるになります。ヒスタミンを抑制する働きがありますから、かゆみも減らせます。殺菌力が強いので、ブドウ球菌が繁殖しているとき(浸出液が多いとき)におすすめ。

半身浴におすすめの入浴剤2.クエン酸

クエン酸にも雑菌を殺し、繁殖を抑制する作用があります。クエン酸を溶かしたお湯は保湿効果が高いので、入浴後の乾燥がひどい方におすすめ。皮膚の新陳代謝を高める働きもありますので、皮膚の再生が早まります。入浴剤としての使い方はこちらをご覧ください。

なお、竹酢液も次のクエン酸も中程度の酸性(pH値2.5前後)。肌が傷だらけだと沁みます。お湯に浸かるだけで痛いという場合は、次のエプソムソルトをお試しあれ。

半身浴におすすめの入浴剤3.エプソムソルト

アトピーの方に入浴剤としてもっとも優秀なのが、エプソムソルトです。竹酢液やクエン酸のような殺菌作用はありませんが、角質化した皮膚の新陳代謝を活性化する、体内の毒素排泄を促す、入浴後の乾燥を抑えてくれる、こんな効果が期待できます。さらに発汗を促し、身体を芯から温めてくれます。

さいごに

本気でアトピーと闘っているという方にひとこと。

闘病生活というのは、ふだんは気持ちの糸がぴんと張り詰めていますが、時々その糸がぷつんと切れそうになることがあります。堅固だったはずの決意が砂の城のように崩れはじめ、昨日まで絶対に完治すると信じていたのにそれが疑わしく思えてくる。猛烈な不安感や孤独感が来襲する。

それでもだれも助けてくれない、ひとりで戦うしかほかにどうしようもない、とか思ったら、鼻の奥がつんとしてくる。目頭が熱くなってくる。

そんな瞬間がわたしにもありました。

でもこうして「いま」がある。

バスタイムはリラックスして過ごしてくださいね。