バターコーヒー

バターコーヒー

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バターの乳脂肪は効率的なエネルギー源。腸内環境を改善する働きも。コーヒーは活性酸素や炎症を抑制、頭もよくなるとか。バターコーヒーはこの合わせ技。飲めば、朝から元気はつらつ、気分爽快。レシピを伝授します。でも、アトピーが治ってから楽しんでください。

バターコーヒー

コーヒーが大好きな人間って、だれでも一度は喫茶店のマスターになりたいと思ったことがあるのではないでしょうかね。けれど、ほかの商売と同じように、いったん職業にしてしまうと、なかなか大変なものらしい。

脱サラして喫茶店をはじめた知人がいますが、大量の豆の管理やらクレーム対応やらバイトくんの扱いやらで、日々骨身を削っている様子。時節柄、お客の入りもよくなく、資金繰りも厳しいそうです。

「喫茶店をはじめなければよかったと後悔していることがひとつある」

先日、だれもいない店内で彼はこう洩らしました。

おカネか? そう聞くと、

「喫茶店のお客さんにはもうなれないからね」

ほかのお店に入ることはあっても、内装や豆の品質、ブレンドのしかた、味と香り、ほかの飲み物食事のメニュー、接客……そういう五感で感じるものすべてを経営者の目でチェックしてしまうとか。1杯のコーヒーをもう純粋に楽しめないようになったというのです。それがつらい、と。

わかるなあ、その気持ち。

というわけで、コーヒー好きは家で試行錯誤しながら、自己流コーヒーの味と香りを追求、堪能しているうちが華。そうやってひとり悦に入っているのが幸せなのです。

さて、きょうはわたしのイチオシのコーヒーをご紹介。

最高にヘルシーなコーヒー、バターコーヒー

わたしは1日3杯、コーヒーを飲むことにしています。

基本はブラックですが、朝の1杯(朝食抜きの日)や、疲れたときの1杯をバターコーヒーにしています。

大さじ2杯の脂肪分を入れることで、エネルギーをただちに補給できるからです。

おかげで、朝食抜きでもバリバリ仕事がこなせる。

でも、ありがたいことに胃腸は休ませておける。血糖値にほとんど影響を与えませんから、午前中に腹の虫が鳴く、ということもないです。驚きです。

食べ物のエネルギー

エネルギーが摂取できる食物は炭水化物、たんぱく質、脂肪の3つ。炭水化物とたんぱく質は体内で1グラムあたり4kcalのエネルギーにしかなりません。が、脂質は1グラム9kcalのエネルギーを生みだす。バターコーヒー1杯で、200kcalほどのエネルギーが摂れるのです。さらにバターには腸をきれいにして、善玉菌(乳酸菌やビフィズス菌)を増やしてくれる酪酸塩が豊富に含まれています。

クリーミーでじつにうまいです。疲弊した脳が、身体が息を吹きかえすのを感じます。

炭水化物のように血糖値を急激にあげる心配もない。継続的に飲めば、むしろ血糖値はさがるようです。

コーヒーは抗酸化作用が強いことでも知られています。体内でアトピーアレルギーの炎症が起きていると、体内では活性酸素が大量につくられています。これが血管や細胞を傷つけている。コーヒーには、この活性酸素を減らす働きが期待できる。

コーヒーは、善玉菌を増やすポリフェノールも豊富。ポリフェノールというと、ワインを思い浮かべますが、コーヒーはワインよりポリフェノールが多いそうです。

さらに、コーヒーカフェインには脳内の炎症を食いとめ、認知力をアップさせる働きがあります。認知症を予防してくれることが研究でわかっています。

頭脳の働きがぐっとよくなるわけです。

なによりカフェインを摂取すると、気分がよくなります。ドーパミンとセロトニンが活性化するからです。ハイテンションで1日のスタートを切ることができる。

わたしが朝のコーヒーを欠かさない、いちばんの理由はそこにあります。

ただし、カフェインは肝臓や副腎に負担をかけます。副腎の働きが落ちると、免疫力が低下します。副腎疲労や、アトピーの症状の強く出ている方は、コーヒーや緑茶、ウーロン茶などのカフェイン入り飲料はストップするのが正解です。
用意するもの

バターコーヒーに必要なもの

  • 熱々のコーヒー
  • 発酵無塩バター、もしくは澄ましバター(ギー)大さじ1杯
  • MCTオイル大さじ1杯

発酵バターを使うのは、乳酸菌発酵しているぶん整腸作用が高いから。でも、ふつうのバターでもOKです。

わたしはバターでなく、澄ましバター(ギー)を使っています。乳製品全般に食物アレルギーがあるからです。

ギーは純粋な乳脂肪。カゼインなどの乳たんぱくをまったく含みません。バターもたんぱく質をほとんど含みませんが、乳製品にアレルギーがある場合は避けたほうがいい。

MCTオイルというのは、ココナッツオイルから中鎖脂肪酸を抽出したもの。スポーツマンの栄養源として利用されたり、病院の点滴の成分になったり、脂質吸収障害のある赤ちゃんのための粉ミルクに添加されたりしています。

とても吸収されやすく(エネルギーに変換されやすい)、栄養面でのメリットが大きいからです。

しかしわたし自身はそういう健康機能より、MCTオイルの風味を気に入っています。ココナッツオイルよりずっと洗練された、良質の生クリームのような味わいのです。

MCTオイルは、ココナッツオイルで代用してもOKです。

バターコーヒーになぜココナッツオイル?

MCTオイルやココナッツオイルをプラスするのは、健康機能がとっても高いから。

とくにアトピーの方が注目したいのは、高い抗真菌作用。

毎日、ココナッツオイルを摂るだけで、カンジダ症の改善、予防につながるのです。

MCTオイルとギー

写真左のMCTオイルは日本製。その隣は米国製 MCTオイル。いちばん右は澄ましバター(ギー)です。オーガニックの牧草で飼育された乳牛のミルクからつくられています。
バターコーヒーのつくり方
  1. 安全安心なコーヒー豆をミル(挽く)。
  2. カップにバターとMCTオイルを入れる(固まっていてもOK)。
  3. コーヒーをドリップする。
  4. ブレンダーで撹拌する。

撹拌するのは、身体がバターやオイルをエネルギーとして使いやすくなるからです。撹拌しないと、あぶらぎっていてまずい、という理由もあります。とにかくブレンダーできちんと混ぜあわせます。

バターコーヒーをブレンダーで撹拌

最初、家にあるブレンダーでかき混ぜていましたが、強力すぎて注意しないとコーヒーがこぼれてしまう(2~3人分をまとめて撹拌するのには向きます)。そこで目をつけたのが、ミルク泡立て器。IKEAの400円のがすぐに壊れたので、現在はHARIO製を使っています。さすがに頑丈です。カップ1杯のコーヒーには、こっちのほうが向きますね。洗うのもラク。とりまわしもラクです。

バターコーヒーの注意点

1.良質の豆を入手する

オーガニックのコーヒー生豆

わたしは良質の生豆をチョイスするようにしています。自分の目で確認しながら選別(カビ豆などの不良豆を除去)し、自宅キッチンで焙煎します。ミルする(挽く)のは飲む直前です。

面倒なら、スペシャリティーコーヒー(不良豆の選別ずみ)やオーガニックの豆を選ぶ手もあります。コーヒーにかぎらず安価な品物というのは、品質や管理状態がよくありません。カビ農薬などの汚染リスクが高い。

健康になるために飲んでいるバターコーヒーが、反対に健康に悪影響を与えていたらバカみたい。それならハナから飲まないほうが賢明です。

挽き立てのコーヒーが味わえる、というのもレギュラーコーヒー(粉)にはない、豆ならではの特典。

部屋にただよう香りがいつもと全然ちがう。鼻孔が喜んでいるのがわかる。うーん、言葉ではうまく伝えられませんね。百聞は一杯にしかず。ぜひお試しあれ。

2.自家焙煎する

できれば、焙煎は自宅で行なうとベター。

コーヒー豆は焙煎した瞬間から酸化がはじまります。それから2週間くらいは「熟成」と呼んでいい期間ですが、それをすぎると「劣化」。コーヒーの健康機能は期待できません。

レギュラーコーヒー(粉)を利用するなら、2週間で飲み切ってしまうのが得策です。

3.バターはグラスフェッド(牧草飼育)を選ぶ

グラスフェッドというのは、牧草飼育の意。

近ごろの牛はグレインフェッド――トウモロコシやモロコシ、米などの穀類で育てられた牛がほとんどですけれど、これは牛本来の食性とは異なります。

そういう乳牛のミルクやは栄養価が低いばかりでなく(オメガ3系脂肪酸が極端に少ないなど)、汚染されている危険性があります。エサに残留農薬やカビ毒が含まれている可能性がある。

だから、わたしはグラスフェッドのバターを選んでいます。さきほども買いたように、健康のために飲んでいるものが、気づかないうちに健康を害していたとしたら本末転倒です。

そんなに高いものではありませんしね。

1杯換算で60円弱。MCTオイルと合算すると1杯100円弱。あと豆代がかかりますが、外で飲むよりずっと経済的。なにより健康的。

あ、カフェインが体内に残っていると、あきらかに睡眠の質に影響が出ます。コーヒーは16時以降は飲まない、というのがわたしのルール。

ご注意

この記事は、アトピーだけれど、コーヒーが好きでたまらない、やめられない、という方のために書きました。どうせ飲むなら、健康的なものを楽しんだほうがいいからです。が、症状がひどいときは、コーヒーもバターも遠ざけたほうが無難。カフェインは副腎や肝臓にストレスを与えます。動物性脂肪(魚以外)は、消化器が弱っているときは負担が大きいですし、体内の炎症レベルをぐっと高めることがあります。

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