切り干しだいこん

「切り干しだいこん」のレシピ

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今日の主役は切り干しだいこん。だいこんの根っこを細切りにして、天日で寒風にさらすようにして乾燥させた保存食です。日光をたっぷり浴びることで、甘みと風味が増し、栄養分も増える。目立って多いのは、ビタミンB群とカルシウム、カリウムです。お肌をすこやかにしてくれるひと品なのです。

切り干しだいこんは、うちの娘の大好物。今夜も、水戻しした切り干しを炒めていたら、鼻をひくひくさせながら、キッチンにやってきて、

「このにおい、なあに? くんくん、なあに?」

なんていいながら、わたしの腰のまわりをうろうろ。

わたしは小さいころ、切り干しだいこんが苦手でした。けれども娘は1歳のころから保育園の給食で食べていたためか、舌が慣れているようです。あるいは保育園の先生方のスパルタ教育のたまものかもしれない。

なにしろ娘が通っていた保育園では、食べ物の好き嫌いがある子、食べ残しをする子の頭を叩くそうなのです。子どもたちは、嫌いなものでも食べざるをえない。一時期、妻と真剣に転園について話し合ったこともあるのですが、とにかく野菜も魚もよく食べる子どもに育ってくれたのは事実。かなり複雑ではありますが、まあいまはもう昔話(笑)。

さてさて、切り干しだいこんはアトピーの改善のための食事の副菜にもってこい。食物繊維が100グラム中約21グラムととても多く、腸内環境の改善に役立ちますし、ビタミン(ビタミンB群など)も豊富。アトピー肌を身体のなかから癒やしてくれます。

このレシピグルテンフリー対応ですが、糖質制限には向きません。切り干しだいこんの成分の半分は糖質で、もともとの大根のそれとは比較にならないくらい多いからです。

用意するもの

切り干しだいこん40グラム、にんじん1/2本、だし汁2カップ、しょうゆとお酒各大さじ2杯、ごま油(オリーブ油でも可)小さじ1杯

切り干しだいこんのつくり方

  1. たっぷりを張ったボールに切り干しだいこんを浸けます。
  2. にんじんを千切りにします。
  3. 15~20分後、ざるにあげて、よく水を切ります。
  4. お鍋にを引き、切り干しだいこんとにんじんを炒めます。
  5. だし汁としょうゆ、お酒を入れて、強火で煮立たせます。
  6. 煮立ったら、中火でじっくり煮ていきます。
  7. 煮汁がなくなったら、できあがり。

切り干しだいこん

われながら美味です。娘にほとんど食べられてしまいましたが……。切り干しだいこんに最適なのは、愛知県の宮重だいこんという品種だとか。わが家は宮崎産をよく買います。スーパーでは中国産が多いのですが、買いません。

切り干しだいこんの王道レシピは、ここで紹介したものですけれど、三杯酢や木の芽みそと和えたり、油揚げやさつま揚げと煮たりしてもおいしいのです。地域によっては、さつまいもを薄く切って天日干しした切り干しもあるそうです。どんなお味なのでしょうかね。一度、食べてみたいものです。

「切干の むしろを展(の)べて 雲遠し」(富安風生)

この俳句を読むと、日本の原風景がまぶたの裏に浮かんできます。冬の風物詩ですね。