食品添加物と化学調味料に目を光らせる

食品添加物と化学調味料

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食品添加物はアトピーの大敵です。昨今のアレルギー疾患急増の背景には、化学調味料を含むこの食品添加物の濫用があると指摘する学者もたくさんいます。アトピーの方が避けるべき食品添加物や、無添加食品の入手方法について解説しています。

ビスケットの添加物

アトピーなら、食品添加物に目を光らせる

コンビニやスーパー、宅配の弁当や惣菜を食べて、胃もたれしたり、おなかが張ったりした経験、だれにでもあることと思います。

日持ちするよう防腐剤が使われていて、そういうものが胃や腸の粘膜を刺激するからです。

健康のためにと思ってランチに追加した、パック入りの野菜サラダは、じつは殺菌剤の水槽で何度も消毒されているし、あのシャキシャキ感はpH調整剤でつくられたものだったりする。

おにぎりみたいにシンプルな食べ物なら添加物も少なかろうと思っている方も少なくないけれど、じつは添加物がうん十と入っていたりする。

そのままでは家畜のエサにしかならないような食材だって、添加物を使えば人間の食べ物に生まれ変わる。

食品添加物の働き

食品添加物にはざっとこんな働きがあります。

  • 腐敗防止(日持ちする)
  • 味がよくなる
  • 製造原価がさがる
  • 見た目がきれいになる

添加物の役割をもうちょっとくわしくみてみます。

日持ちさせる
保存料、防かび剤、殺菌剤、防虫剤、酸化防止剤、アルコール
風味や見た目をよくする
調味料、たんぱく加水分解物、酵母エキス、ビーフエキス、ポークエキス、かつおエキス、昆布エキス、発酵調味料、酸味料、甘味料、香料、苦味料
食感をよくする
加工でんぷん、大豆たんぱく、乳たんぱく
品質を高める(色つやをよくする、変色を防ぐ)
増粘剤、糊料、乳化剤、結着剤、pH調整剤、着色料、酸化防止剤、カラメル色素、漂白剤、発色剤、光沢剤、着色安定剤
工場での作業効率をあげる
凝固剤、膨張剤、軟化剤、抽出剤、溶剤

※一部、食品衛生法上は添加物に分類されないものも含む。

食品業界に添加物は必要だが、アトピー完治には無用

食品添加物のおかげで、「食」の利便性が担保できているのも事実なのです。いろんな添加物があるから、現代の外食産業や食品業界はなりたっています。

添加物をぶちこめば、修行を積んだ職人なんぞいなくとも、だれでも簡単にそれなりのものがつくれてしまうし、自然食品のようにすぐに腐ってしまうこともありません。

おかげでわたしたちはその日の気分に合うお店に行き、好きな食べ物で胃袋を満たせるし、経済的かつ時間的なコストを考えると自炊するよりずっと安くつくわけです。昔のように毎朝、弁当を手づくりする手間もいらなくなったから、そのぶん別のことに時間を使えるようになったのです。

外食や中食(お店で買ったものを家庭やオフィスに持ちこんで食べること)は、忙しい現代人にはもはや不可欠といえます。

添加物は毒、だから徹底的に排除すべき。

そういって騒ぐ人たちもいます。けれど、いまの食糧事情を考えるとナンセンスです。

食品添加物をゼロするなんて事実上、不可能です。食品産業や飲食業界はたちまちたちゆかなくなります。

でも――。

アトピーの身体には、食品添加物は荷が重い。

アトピーの方の腸の免疫システムは脆弱(もろくて弱い)です。いろんな添加物が体内へ侵入してくるのをブロックできないし、解毒能力も低下しています。

安全性はたしかめられていない

だからアトピーが治るまで、わたしは食品添加物を厳に避けることにしたのです。

食品とちがって、食品添加物は人間が食べだしてからほとんど時間がたっていません。「安全性は確認ずみ」と当局や学者はいいますが、すべて短期間の動物実験で判断しているだけ。人間で調べているわけではない。

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動物実験でわかるのは、がんができるかとか、内臓や皮膚にあきらかな異常が起きるかとか、目に見えて衰弱するかとか、はっきりした影響だけ。わたしたちが添加物を摂ったときに起こる頭痛や腹痛、消化器の違和感、さまざまなアレルギー症状といった、口で説明しないと伝わらないデリケートな変化についてはわかりません。動物は人間の言葉を話せませんから。

まして長い歳月にわたって摂取しつづけた場合のリスクや、複数の添加物を組み合わせて摂取した場合の影響についてはまったくわかっていません。

せっかく健康的な食事を実践しているのに、そんなものを摂取していたら、せっかくの努力が水の泡です。

もちろん食品添加物以外にも、注意すべき化学物質はたくさんあります。排気ガスやトリハロメタン(水道水中の発がん性物質)、水道水の塩素、合成洗剤、殺虫剤、さまざまな薬品類、エトセトラ。

でも、いちばん避けるべきなのは、食品添加物。ほとんどの加工食品にどっさり使われているため、ほかの化学物質より摂取量がケタ違いに多いからです。

1日どのくらいの添加物を食べているのか?

日本人が1日に摂取している添加物は、10グラムといわれています。月に300グラム、年に3~4キロですね。

アトピーの子どもが昨今急増している背景には、こうした添加物の存在があると指摘する専門家も少なくありません。

ともあれ、アトピーの方は腸が弱りきっています。食べた添加物はそのまま体内に吸収されてしまう。それはとても怖いことだとわたしは思いました。

注意すべき食品添加物

食品添加物は山とありますので、全部を知ることは不可能です。

ですから、面倒でも原材料表示を確認し、見慣れぬものが入っていたら、都度、カタカタとネット検索するようにしています。基本的によくわからないものが入っていたら、わたしは買いません。

食べないよう気をつけている添加物

以下はとくに気をつけて避けている添加物です。発がん性があるといわれています。

  1. 発色剤の亜硝酸Na
  2. 着色料のカラメル色素
  3. 人工甘味料のアスパルテーム、スクラロース、アセスルファムK、ネオテーム、サッカリン
  4. 改良材の臭素酸カリウム
  5. 合成着色料のタール色素12品目(赤色○号の類)
  6. 防カビ剤のOPP、OPP-Na
  7. 殺菌剤の次亜塩素酸Na
  8. 酸化防止剤の亜硫酸塩
  9. 合成保存料の安息香酸Na
  10. 漂白剤の過酸化水素
  11. 化学調味料のアミノ酸、グルタミン酸ナトリウム、核酸
発がん性とアトピーは無関係、と思う向きもあると思います。

が、さきほども書いたように、動物実験でわかるのはがんなどのわかりやすい症状だけです。アトピーへの影響を含む、身体への微妙な影響なんて調べようないのです。

そもそも「がん」というのは、人間の肉体に起きるいろんなトラブルの最終形態です。体内毒素を解毒システムが処理しきれなくなると、最後にお出ましとなるのが「がん」。がん細胞は毒素を包みこむように増殖します。宿主の延命のためです。

発がん性物質がアトピーの症状を悪化させていることは容易に想像できます。

①発色剤の亜硝酸Na

発色剤の亜硝酸Na

添加すると色鮮やかになりますから、ハムやソーセージ、ベーコン、明太子やたらこ、いくらなどで大活躍しています。が、こうした製品の成分と化学反応を起こし、発がん性物質に化けることがあるのです。

②着色料のカラメル色素

着色料のカラメル色素

ソース類や炭酸飲料、ジュース類、カップ麺、お菓子などに使われています。発がん性のある成分が含まれています。

③人工甘味料のアスパルテーム、スクラロース、アセスルファムK、ネオテーム、サッカリン

人工甘味料のスクラロース、アセスルファムK

お菓子や市販の飲み物(ジュースやアルコール飲料など)、カロリーオフ製品などでおなじみの甘味料。砂糖の数百倍(ネオテームは7000~1万3000倍)の甘さがあることから、加工食品全般で重宝されています。

体内で消化吸収されず、血糖値にも影響がないとされていますが、ホルモン分泌異常や血糖かく乱などの可能性も指摘されています。

動物実験で腫瘍発症リスクがあることが確認、指摘されているものも少なくありません。

天然甘味料ならいいのか?

甘味そのものがアトピーにはよくありません。わたしは摂ると確実に症状がひどくなるのを感じました。というわけで、天然甘味料もほどほどにするのが正解。

とくにぶどう糖果糖液糖(異性化液糖、高果糖コーンシロップとも)は要注意。あるゆる加工食品で見かけますが、ほとんどは遺伝子組み換えトウモロコシからつくられています。がんやアレルギー疾患を引きおこすリスクがあがります。なにより砂糖以上に血糖値を急上昇させます。

ブドウ糖果糖液糖

このブドウ糖果糖液糖、米国では近ごろ使用禁止運動が盛んです。

④改良材の臭素酸カリウム

パン生地や魚肉ソーセージなどで使用されてきましたが、発がん性が指摘されてからは、世界各国の政府が使用を禁止。日本ではパンにだけ例外的に使用が認められています(現在はほとんど使われなくなりましたが)。

⑤合成着色料のタール色素12品目(赤色○号の類)

着色料は、漬け物から食肉や魚肉の加工食品、お菓子、シロップ、ジュース類まで幅広く使われています。発がん性の疑いがあるのは、赤色3、40、102、104、105、106号、黄色4、5号、青色1、2号、緑色3号。

もっとも危険なのは、着色料の赤色2号。かき氷のシロップとして有名ですね。原材料表示には「着色料(赤2)」と表記されます。発がん性がとくに高い。米国では使用禁止になりましたが、日本では使われています。

⑥防カビ剤のOPP、OPP-Na

輸入もののかんきつ類(レモン、オレンジなど)に使用されています。発がん性が非常に高いことがわかっています。

⑦殺菌剤の次亜塩素酸Na

おもに、コンビニやスーパーのカット野菜やサラダなどに使われています(表示義務がないので、原材料表示には書かれていません)。殺菌と消毒のためです。ほかの用途で有名なのは、カビ落とし。カビーキラーの主成分です。

有機物と化学反応を起こすと、発がん性物質が生まれます。

最終商品に残留しない、ということを条件に食品への使用が認められいいます。が、ファミレスのサラダバーや居酒屋の料理などから塩素臭を感じることがあります。あれ、きっと落としきれていないはず。

⑧酸化防止剤の亜硫酸塩

酸化防止剤の亜硫酸塩

酸化防止剤のほか、防腐剤や保存料としても役立ちます。ワインにはほぼかならず使われていますし、ドライフルーツの漂白剤としても利用されます。

亜硫酸塩は、胃腸炎や腎臓トラブルを引きおこす恐れがあります。アレルギー症状を悪化させる可能性も指摘されています。

アトピーの症状軽減のために糖質制限を行なっている方のなかには、ワインを常飲するケースもある思いますが、飲みすぎには注意が必要。

⑨合成保存料の安息香酸Na

調味料、果汁、清涼飲料水や栄養ドリンクなどで使用されます。ビタミンCと化学反応を起こし、白血病の原因となるベンゼンに変わることがあります。

⑩漂白剤の過酸化水素

タケノコの水煮やしらすなどの漂白に使用されます。発がん性があるとわかっています。食べ物に塩素のような味やにおいを感じたら、そのままゴミ箱へ放りこんでいます。

⑪化学調味料のアミノ酸、グルタミン酸ナトリウム、核酸

化学調味料のアミノ酸、グルタミン酸ナトリウム、核酸

原材料の欄には「調味料(アミノ酸等)」などと表記されていますが、正体はグルタミン酸ナトリウム。「味の○」や「だしの○」の主成分ですね。いまやありとあらゆる食品に使われています。

グルタミン酸ナトリウムは昔から赤ちゃんの脳障害の原因となるとか、成長ホルモンや生殖機能、甲状腺の障害を引き起こすとかいわれていて、米国のFDA(日本の厚労省に相当)が「奇形誘発性と発がん性が認められる」と日本の厚労省に通告してきたという経緯もあります。家族にも一切食べさせないようにしています。

煮干しと昆布の出汁

わが家の味噌汁の出汁は、こんぶと煮干しの水出しが基本です。前日の晩に冷蔵庫へ入れておけば、翌日には上品な出汁がとれます。こんぶは捨てるのが惜しいので、佃煮にしたり、大豆と煮たりしています。
「天然だし」「化学調味料無添加」と書いてある商品を最近よく見かけますが、一部に天然だしを使用しているだけだったり、化学的な処理で抽出したうま味成分(たんぱく加水分解物など、食品衛生法上は添加物に分類されないもの)を使っているだけだったりします。

なお、原材料表示に「調味料(アミノ酸等)」「pH調整剤」「乳化剤」などと書かれている場合、そのなかには複数の添加物が含まれているケースが多い、ということも知っておくべきです。

現行の法制度では、使用目的が同じならまとめて表示してもいい、ということになっているからです。このため実際にどのくらいの添加物が入っているか、わたしたちはわからないのです。

表示免除について

添加物の開示をまぬかれるケースもあります。原材料に使われている添加物や、ばら売りの食品(パン屋さんのパン、ビニール袋に自分で詰める魚など)、店内製造の食品(スーパーがつくった弁当や惣菜など)です。

買い物の際は、原材料をかならず確認する

コンビニ弁当やカップラーメンなど、わかりやすいものを避けるだけでは、自分や家族の健康は守れません。

しょうゆや味噌、ドレッシング、焼き肉のタレ、カレールーといった調味料から、味つけの、お漬け物、納豆(付属のだし)にまで幅広く使われているからです。スーパーにあるごくふつうの加工食品にも添加物はたっぷり。

でも、無数にある添加物をすべて覚える必要なんてないのです。

  • 購入前に食品の裏をチェックするクセをつける。
  • 台所にないものがたくさん書かれていたらそっと棚に戻す。
  • 安いものに、安いという理由だけで飛びつかない。
  • 安いものにはかならずワケがあると心得る。

これだけで、身体に入ってくる添加物はずいぶん減らせるはず。

ちなみに食品の買いだしは、仕事が忙しいとネットスーパーやネット通販を利用することが多くなります。でも、原材料表示までしっかり記載してくれているお店はごくまれです。

その点、イトーヨーカドーのネットスーパーなら、セブンプレミアム(自社開発商品)については原材料表示の写真を掲載してくれているので、パソコン画面で確認が可能です。ありがたいですね。

無添加の漬け物、ケンコーコム

健康系のネット通販サイトなどでも、全商品の原材料をきちんと表記しているところがあります。写真の無添加の漬け物や梅干しは、そういうお店で定期的にまとめ買いしています。

食品購入時は、原材料をかならずチェックします。食品添加物や、悪い――リノール酸を多く含む植物油脂(安いものはトランス脂肪酸を含む)、トランス脂肪酸たっぷりのマーガリン、ショートニングを使ったものは避けます。

健康に長生きするため、アトピーが治ってからも続けています。

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