毎日2リットルの水でアトピー改善、水道水(塩素)は悪化原因

水と塩素

この記事の重要度:

水は、消化を助け、体内を浄化し、デトックスを促進します。水不足がつづくと、身体はさまざまな不調をきたします。アトピーを癒やすには毎日たっぷり飲むことです。けれども水道水の塩素は身体を内外から傷つけます。

水の流れ

水不足で、アトピーの症状が悪化している

本来、わたしたちの身体には排泄の通り道がたくさんあるのです。ところが水が不足すると、腎臓や腸を通して排泄されるべき毒素や老廃物が体内に蓄積していく。これが悪血(毒素や老廃物を含んだどろどろの血塊)をつくります。悪血が増えると、体内のさまざまな器官が弱り、心には緊張やストレスが蓄積し、やがて肉体に支障をきたすのです。

でも体内に定期的に十分な水が入ってくれば、肝臓や腎臓の働きはいまよりずっとしっかりします。悪血を溶かし、老廃物を体外へと排泄する正しい流れが体内にできてくる。血液やリンパの流れもよくなります。デトックスに水は欠かせません。

水の役割

わたしたちの身体は、25%が固体で、75%が水でできています。脳は85%が水です。

水は単に固体の隙間を埋めたり、なにかを運んだりするだけのものではありません。

  • 代謝をつかさどる。
  • 細胞膜では、水の流れからエネルギーがつくられる。
  • 脳でつくられるさまざまな神経伝達物資を全身に運ぶ。
  • 消化を手助けする。
  • 肝臓での食物の成分の処理に必要。

このように、身体のあらゆる機能を調整しているのです。

さらに、水が不足するとヒスタミンの産生が活発化することがたしかめられています。ヒスタミンには体内の水を制御する働きがあるからです。だから水不足は、ヒスタミンの製造と貯蔵、さらに放出をいっきに高めてしまう。

アトピーの方ならよくご存知のはずですが、ヒスタミンはアレルギーの原因物質です。だから水不足はアトピーや喘息、関節炎など、アレルギー性の炎症悪化の原因と指摘する専門家もいます。

反対に水を飲む量を増やすことで、体内のヒスタミンレベルを下げることができる。飲水量を増やすに従って、ヒスタミンの産生が低下することが動物実験でも確認されています。

アトピーの完治には1日2リットルの水

わたしはアトピーが完治するまで、水を1日2リットル以上飲むようにしました。1日に10杯の水ですね。これを一定間隔で忘れずに飲む。食前と食後にも1杯ずつ飲む。

食事のすぐあとに水を飲むと胃液が薄まるからいけないという人もいますが、昔の人は食後かならず緑茶を飲んだものです。わたしの祖母は「消化にいいから」といっていましたが、食後の水によってたしかに消化がスムーズになります(胃がもたれなくなった)。

ここで大切なのは、「ただの水」を飲むということ。

現代人は慢性的な水不足病です。お茶やコーヒー、炭酸飲料、ジュース、お酒は水の代わりにはなりません。体内では水と同じように処理されません。さらにそうした飲料には脱水成分が含まれています。身体に貯蔵している水分まで排除してしまうのです。

足りないのは、「ただの水」です。

十分な水は腎臓を洗い流します。繰りかえしになりますが、代謝物(老廃物)や環境毒素(食べ物に含まれる食品添加物農薬カビなどさまざまな毒素)は水が足りていれば、スムーズに外へ排泄されます。

注意点

水をたくさん飲めば、尿の量もそのぶん増えなければいけません。そうならない場合、必要量を超えてしまっているか、あるいは腎臓が弱っている可能性もあります。前者の場合、体内に水を溜めすぎてしまいます。むくみが生じます。飲水量を減らして、少しずつ身体を慣らしていくといいようです。後者の場合は、腎機能に障害がある可能性があります。薬による管理が必要かもしれません。医師に相談してください。

水の効果

1日に2リットル以上(2~2.5リットル)の水を飲んで、わたしはすぐに次のような効果を感じました。

  • 消化不良(胸焼け、胃酸逆流)が消えた。
  • 便がやわらかくなった。

消化というのはかなりの部分を水に頼っています。水だけを飲むと、すぐに胃を通り抜け、腸から吸収されることがわかっています。そしてその水は30分以内に胃に戻り、食べ物の消化を助けるそうです。消化不良に悩んでいる方は一度、水不足を疑ってみるべきです。わたしのように水を飲むだけで解消する可能性があります。

便通が改善したのも、わたしの便秘の原因のひとつが、水不足だったからでしょうね。体内の水分が不足していると、便は硬くなります。だれでも経験的に知っている事実ですね。

友人に水を飲むことをすすめたら、彼は上記にくわえて、

  • 抗ヒスタミン薬をやめられた。

という効果があったと話していました。

理由は前述のとおりですが、やはりヒスタミンレベルが下がったと感じたそうです。抗ヒスタミン剤は骨髄に強く働きかけ、免疫系を混乱させるそうですから、やめてほんとうによかったと思います。

ひとつまみの塩

水を飲む際は、天然塩をひとつまみ舌の上に落とします。

ヒスタミンの生産が高まるのは、水不足のほかにもうひとつ原因があります。カリウム過多です。体内のカリウムが増えると、ヒスタミンの産生が高まります。だから水といっしょに塩を摂る。ナトリウム(塩)が、カリウムの排泄を促してくれます。

「塩は天然の抗ヒスタミン剤」だという専門家もいます。アレルギー疾患を抱えている方は、ヒスタミン過剰を防ぐために、塩の摂取量を増やすといいそうです。

また塩分の不足は、一部の細胞が酸性化する原因ともいわれます。細胞内の酸性度が高くなると、遺伝子が壊れ、発がんにつながるという指摘もあります。がん患者を検査すると、その多くで塩分が足りていないことがわかったそうです。

いずれにしろ、水の摂取量を増やして、塩を摂らずにいたら、体内から塩分が失われるのは当然です。汗や尿からも塩分は排泄されていますから。

水道水の塩素がアトピーを発症、悪化させている

知り合いの外国人は、「日本の水には毒が入っているから飲めない」といいます。「毒?」と聞き返すと、「塩素」という返事が返ってくる。

後述しますが、たしかに日本の水道水の塩素濃度は世界一。外国人から見ると、わたしたちの飲み水は「毒の水」ということになるようです。が、わたしも子どものころは校庭の水飲み場で塩素くさい水道水を蛇口から直接がぶ飲みしていました。それで平気だった。だから、「毒の水」はさすがにいいすぎだろうと思います。

ただし、アトピーの身体はきわめてデリケートです。アトピーになってからは水道水を一切口にしないようにしています。アトピーが完治してからもです。

田舎育ちの方が都会に引っ越して、水が変わったらアトピーを発症した、という話もよく耳にしますね。以下はその反対の例ですが、印象に残っているのでお話しします。

水がおいしいことで有名な、甲信越のある地域の老舗酒蔵の杜氏から、こんな話を聞いたことがあります。

「最近、山にダムができて、このあたりの水道水が地下水からダムの水に変わりました。そしたら、小学生の娘が急にアトピーになっちゃった。かわいそうで、弱り果てています。学校でもアトピーの子、増えているそうです」

その土地はそこここで湧水が湧き、道の駅では伏流水を無料で持ち帰れるようになっていたりして、水に不自由しているわけではないのです。ダムは、地元の有力者のごり押しでつくられたそうです。

水ならなんでもいい、とはいかないということです。

塩素濃度世界一の日本では、アトピーが急増

水道水はトリハロメタンや重金属などを含んでいる心配があります。トリハロメタンというのは、水道水中の有機物と塩素が反応してできる有毒物質です。発がん性が非常に高いといわれています。

トリハロメタンより恐いのは、残留塩素。日本の水道水の塩素濃度は世界一です。都市部の家庭の蛇口における塩素濃度は1ppm弱(東京は別)で、プールの水(プールの残留塩素濃度は法律で0.4ppm~1ppmと決められている)と同等かそれ以上なのです。

塩素を入れるのは、いうまでもなく殺菌のため。細菌などの微生物の繁殖を防ぐのが目的ですね。だから腸内の友好的な微生物も殺しています。

事実、日本人のアトピー罹患率が世界でも飛び抜けて高いのは、水道水が原因、と指摘する専門家もいます。彼らは塩素が肉体にダメージを与えるからと説明していますが、わたしは塩素が腸内細菌のバランスを崩すからではないかと思う。

そんなわけで、飲み水はナチュラルミネラルウォーターと決めています。料理には浄水器の水を使う。が弱っていると、水道水のなかをただよう有害物質がどんどん体内に入りこんで、微量でもダメージを与えています。

飲み水はきれいであればあるほどいい。飲み水はミネラルウォーターがベター。最低でも浄水器は必須。

お風呂の水の塩素もアトピーを悪化させる

湿疹や炎症があるときは、お風呂の水が刺激になることが少なくありません。湯船に浸かるとかゆみや痛みが増すという場合、あらかじめお湯から塩素を除去しておくと、痒みや痛みがやわらぎます。わたしの場合、風呂あがりの乾燥もそれでかなりマシになる感じがしました。

さすがにお風呂の水にミネラルウォーターを使うことはできません。浄水器もダメです。あっという間にカートリッジが交換時期を迎えてしまいますからね。数日に1回のペースで交換する羽目になります。

お風呂の水の塩素は、ビタミンCで除去できます。薬局では「アスコルビン酸」という名称で販売されています。付属のさじに1杯(1グラム)投入して、よくかき混ぜるだけでOKです。わたしはシャワーを使わず、浴槽のお湯で全身を洗っていました。シャワーがどうしても使いたい場合、「脱塩素シャワー」というものがあります。ビタミンC入りのカートリッジをシャワーヘッドにセットして使うものです。くわしいことはこの記事に書いています。

さいごに

体内でもっとも大切な浄化装置である「水の循環システム」によって、組織はすみずみまで洗われ、腸は浄化されているのです。水によって体温は一定に保たれ、体液は維持されています。

水を飲むことはすなわち、体内を浄化するうえでいちばん基本的かつ大事なことです。運動半身浴の後など、のどが渇いたときだけでなく、1日を通して十分な水を飲みましょう。


『体の不調を治す! 水飲み健康法』(宝島社)森下克也・監、『医療マフィアは【伝統療法】を知って隠す なぜ《塩と水》だけであらゆる病気が癒え、若返るのか! ? ローコスト&ハイクオリティな養生法の超実践ガイド! 』(ヒカルランド)ユージェル・アイデミール・著、『体をつくる水、壊す水 ~10年後に差がつく「水飲み”腸”健康法」30の秘訣』(ワニブックス)藤田紘一郎・著、『病気を治す飲水法』(中央アート出版社)バトマンゲリジ・著、『身体が若返る水の飲み方選び方』(マイナビ)藤田紘一郎・著、『医師が教える 不調を治す水の飲み方・選び方 「4つの体内水」を流して健康になる本』(KADOKAWA/中経出版)森下克也・著