ほうれん草はビタミンたっぷりの葉野菜。とくに多いのはベータカロテンで、身体のなかでビタミンAに変化し、皮膚の健康を維持し、免疫力を高め、風邪を予防し、発がん性物質の毒性を弱めたりと、いろいろな働きがあります。
このほかに鉄分、それから皮膚の健康維持と回復に欠かせないビタミンB群、ビタミンCなども豊富に含みますから、アトピーの身体がよろこぶ食べ物といえますね。
ただし、反栄養素のシュウ酸が多いので、食べすぎは控えます。
ほうれん草には東洋種と西洋種があり、葉が幅広で、ちょっと泥臭い風味のある、昔ながらのほうれん草は西洋種。最近出回っているクセのない食べやすいものは、西洋種と東洋種を交配させたもの。「サラダほうれん草」と呼ばれていて、生でもおいしくいただけます。
さて今夜のレシピは、ほうれん草を使った炒め物。
用意するもの
ほうれん草1束(6~8株)、れんこん半個、無添加だしの素小さじ2杯、オリーブ油
ほうれん草炒めのつくり方
- ほうれん草を熱湯で1~2分、下茹でします。
- れんこんは幅4ミリほどに切って、水にさらしておきます。
- ほうれん草を流水で冷まし、幅5センチくらいにカット。
- フライパンに油を引き、れんこんをさっと炒めます。
- ほうれん草を入れて、だしの素で味つけします。
- 塩で味を調えたら、できあがりです。
ほうれん草はアクが強いので、調理前に熱湯で下茹でしてもOK。ただ下茹ですると、ビタミンが溶けだしてしまいます。だからわたしはアク抜きをしません。手抜きではありません(笑)。
ほうれん草だけだと少しくさみが出ますが、れんこんが入ることで気にならなくなります。腸の掃除に役立ちますし、シャキシャキ感がたまらない。箸がとまりません。ひとりでひと皿、ぺろりと平らげてしまいました。じつは今夜はひとり飯。食事の直前に夫婦喧嘩勃発。妻が娘を連れ、姿をくらましてしまったのでありました。
漢方の世界では、腸をうるおし、便通を改善する野菜として扱われています。つまり便秘の特効薬。そういえば、こんな俳句がありました。
「夫(つま)愛す はうれん草の 紅愛す」(岡本眸)
夫の好物はほうれん草。だから、ほうれん草の根元の赤い部分までいとおしく感じてしまう、こんな細君の愛がひしひし伝わってくる俳句です。
わたしはこの歌人の耳の垢がほしい。うちの妻に煎じて飲ませるために……。
関連記事