煮小豆

煮小豆

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糖尿病やがんにいいと聞く煮小豆。じつはアトピーを癒やす手助けにもなります。ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富で、排毒効果が高いうえ、サポニンとポリフェノールが血液を浄化し、肌をきれいにしてくれるからです。つくり方や食べ方のコツなどをお伝えします。

煮小豆

小豆は、高デトックス食品

排毒効果バツグンとの呼び声が高い煮小豆。糖尿病にいい、がんにいい、こんな話をよく耳にします。末期がんを煮小豆で治した、なんて方までいるとか。

でも小豆の主成分は、糖質とたんぱく質。それなのにどうして糖尿病やがんにいいのか。

良質のたんぱく質のほか、ビタミンやミネラルなどさまざまな栄養素をバランスよく含んでいるからです。

たとえば糖尿病の人びとは、小豆に含まれる大量の食物繊維を注目している。これが血糖値の上昇を強力に抑えてくれるのです。

が、小豆に注目すべきなのは、なにも糖尿病やがんの患者さんだけではありません。アトピーの方にぜひ目を向けてほしい。

小豆100グラムあたりのおもな栄養素は?

小豆の成分の円グラフ

炭水化物58.7g(糖質40.9g、食物繊維17.8g)
たんぱく質20.3g
脂質2.2g。
ビタミンB1 0.45mg
鉄 5.4mg
カリウム 1500mg
エネルギー 339kcal
1食分の目安 40~50g(煮小豆100~125g)

このなかで特徴的なのは、ビタミンB1、カリウム、食物繊維です。

小豆のビタミンB1の効果

ビタミンB1は、体内で合成できないビタミン。不足すると毒素や老廃物が体内にどんどんたまってしまう。するとアトピーはますますひどくなる。

さらにビタミンB1には、肝臓に負担をかける有毒物質を解毒する働きもあります。ということは、小豆を食べていると解毒力、排泄力がアップするのです。

小豆のカリウムの効果

カリウムもたっぷりです。100グラムに1500mgもありますからね。バナナの4倍以上です。カリウムに利尿作用があるのはご承知のとおり。小豆で、体内の老廃物や毒素の排泄はぐっと進むのです。

小豆のミネラル分

カリウムのほか、鉄分やカルシウム、マグネシウム、亜鉛といった、アトピーを癒やすのに不可欠なミネラルも含みます。

小豆の食物繊維の効果

大量の食物繊維を含むというのも、アトピーの方には見逃せないポイント。こっちは、100グラムに17.8グラム。食物繊維の王様、ごぼうの3倍以上です。

小豆の食物繊維は、腸内の毒素や宿便をからめとって外へ運びだしてくれます。便秘対策にもうってつけ。

ビタミン、ミネラル以外の薬効成分

乾燥小豆

小豆の薬効成分でほかに代表的なのが、サポニンとポリフェノール。

小豆のサポニン

外皮に含まれているサポニンは、カリウムと同じように利尿作用をうながします。そればかりでなく、腸を刺激して便通をよくしたり、血液をきれいにしてくれる働きもあります。

小豆のポリフェノール

ポリフェノールには、抗菌と抗酸化作用があります。活性酸素を抑え、肌をきれいにしてくれます。血糖値の急上昇がゆるやかになる、という効果もあります。副腎疲労の方は要注目ですね。

小豆の健康機能を活かすなら煮て食べる(煮小豆)

小豆だけでがんが治るのかどうかは知りませんが、デトックス効果が異様に高い食べ物である、ということだけはよくわかりました。

アトピーの汚れた体内を強力に浄化してくれそうです。

小豆のこのありがたい健康機能をそのまま受けとるには、煮るのがいちばん。

煮小豆のつくり方

ふつうの豆類とちがって、戻しはしません。吸水させると、胴切れ(皮が破裂すること)しやすくなるからです。

あんこをつくるときなどは、ゆでこぼしをしてアクや渋みをとるのですが、薬効を期待する場合、ゆでこぼしもしないのが正解。

煮汁には栄養がたっぷり溶けだしていますし、アクはサポニンがぎゅっと濃縮していますからね。

1.洗う

小豆を洗う

ザルで洗って、よく水を切ります。浮いてくる小豆は捨てます。煮たあとでも、噛むとゴリゴリしたりします。

2.炒る

小豆を炒る

5分ほど、フライパンで炒ります。香ばしいにおいがして、紫色になったらOK。今回は炒りすぎです。写真を撮っていたら、少し焦げてしまいました。

ただし、火の通りが甘いより、少し焦げた豆が混じっているくらいのほうが、煮たときのムラは少なくなります。

3.煮る

小豆を煮る

鍋に入れて、弱火で煮ます。は小豆の3倍強。小豆200グラムなら700ミリリットル、300グラムなら1リットルくらいが目安。

今回はステンレス鍋ですが、いつもは土鍋を使っています。フタをして煮ます。しないと煮汁なんて残りません。焦げます。

4.できあがり

煮あがった小豆

煮る時間は60分くらい。小豆によって変わりますが、指でつまんだら皮がやぶけるくらいまで煮ます。途中でかきまぜたりしないこと。

小豆200グラムは、500グラムくらいの煮小豆になります。冷蔵保存なら翌々日くらいまでもちます。

わが家では冷凍が常。解凍するときは自然解凍。電子レンジのような無粋なものは使わない。せっかくの栄養素が壊れてしまいます。

煮小豆の食べ方

煮小豆40グラム

糖尿病の方は、食前に40グラムに煮小豆を食べるそうです。写真は40グラムぴったり。ひと口でいけるくらいの量です。

が、わたしは血糖値うんぬんでなく、アトピー完治を早めるためのデトックス効果を期待しましたので、治るまで煮小豆をちょくちょくご飯代わりに食べていました。

玄米、さつまいも、がぼちゃと煮るとおいしい

小豆といっしょに炊いた玄米

玄米といっしょに炊くこともあります。

煮小豆は味つけしていませんので、正直おいしくない(まずくもない)。でも玄米といっしょならおいしくいただけます。アミノ酸のバランスもぐんとよくなります。

同じ理由から、さつまいもやかぼちゃと煮るのもおすすめ。

そうそう、おしるこやぜんざい、あんこにするとうまいのですが、ビタミンが激減します。砂糖がビタミンを根こそぎ奪いとってしまいますので。

煮小豆には宿便排泄の働きも

煮小豆で宿便が出ることは有名な話(試したことがないので、本当かどうかはわからない)。宿便は、断食でも出ます。が、1日断食ではまず顔を出してくれない。アトピーの症状が出ていたころに3日間の断食を一度やったことがあります。そのときは最終日にようやく出ました。7日くらいかかるケースも少なくないようです。

ところが煮小豆は食べていても宿便が出るそうです(3~5日くらいだとか)。

ただし、この間に飲み食いしていいのは、煮小豆(朝と夕方に茶碗1杯)と白湯だけらしい。ということは、これも一種の断食といっていい気はします(笑)。

いずれにしろ、血液を汚すおおきな原因のひとつが宿便。宿便に別れを告げ、血液の浄化を一気に完了したいなら、煮小豆断食にトライしてみるのも手かもしれません。

注意点

小豆の食べすぎは、甲状腺機能に影響が出る恐れがあるそうです。甲状腺になんらかのトラブルのある方はやめておいたほうがいいでしょう。

小豆のすばらしさをさんざん語っておいてなんですが、最後にひとことだけ。アトピーを治すための宿便対策なら、わたしはリンゴダイエットを選ぶかも。食事量を減らさなくていいし、ずっとおいしいから(笑)。