一流料亭なみの味を実現する、出汁のとり方

出汁のとり方

この記事の重要度:

出汁のとり方を解説。ここぞ、というときの本格的な方法と、普段の簡便な方法の2通り。手抜き用の無添加の市販出汁も紹介。アトピーなら化学調味料はやめましょう。添加物アレルギーの方が増えていますし、弱っている身体がさらに傷つきますからね。

自家製だしでつくった味噌汁、ひじき煮、だしがらのふりかけ

アトピーの身体はとてもデリケート。添加物(化学調味料)は厳禁です。腸粘膜からそのまま血流に侵入してしまいます。

手間ひまかけてとったお出汁は、化学調味料に特有の、とんがっていてパンチの効いた風味とはまるで別物です。とてもやさしい。かけ値なしにうまいです。

うちの娘は小さいころからわたしの手製出汁で育っています。飲食店の化学調味料たっぷりの味噌汁を飲むと「これ、おいしくないね」と耳打ちしてきます。「こら、お店の人に聞こえるよ」とわたしはちょっとドギマギ。でもうれしい。

食事のたび、律儀に出汁をとっているわけではありません。手間がかかりますからね。時間のない日は市販出汁を利用することもあります。

ただし無添加の安全なものです。そういうものも最後にご紹介しますけれど、まずは出汁をとるコツ、いろはをお話しします。

出汁のとり方

まずは本物のお出汁のとり方から。昆布とかつお節を贅沢に使った、本物志向の出汁です。煮物からみそ汁まで何に使っても美味ですが、ちょっと手間がかかります。コスパもあまりよくない。あとで、もっと簡単かつコスパのいい方法も説明します。

材料

出汁の材料の昆布とかつお節

  • 水1リットル
  • 昆布10グラム
  • かつお節20グラム
おいしい出汁のとり方

1.昆布の汚れをふきとる

昆布の汚れをとる

テレビで以前、昆布漁のドキュメンタリーをたまたま観ました。昆布を海から引きあげ、浜辺か自宅の庭でそのまま天日干し。作業場で選別。それがそのまま家庭の台所に届いています。

だから小さなゴミや砂粒が混じっている可能性が高い。まずはキッチンペーパーや布巾でざっと汚れをふきとります。

水洗いはNG

表面の白い粉などはうま味成分のグルタミン酸です。で洗うと落ちてしまいます。固く絞った布巾で拭くくらいでOK。

2.30分(できたらひと晩)煮だす

昆布を水に漬ける

昆布と水を鍋に入れ、(夏場は冷蔵庫で)ひと晩放置します。時間がないときは省略してもOKですが、火を入れるまえに最低でも30分くらいは置いておきましょう。

3.火にかける

昆布を火にかける

鍋を火にかけて、昆布を煮だします。ずっと中火です。中火というのは、炎の頭が鍋の底につくくらいの火加減です。

4.昆布をとりだす

昆布をとりだす

沸騰する直前に、昆布をとりだし、火をとめて2~3分待ちます。差し水をしてもOK。

かつお節を投入するまえにお湯の温度を少しさげておくのが、おいしい出汁をとるコツ。コーヒーや日本茶と同じ。温度が高すぎると、味と香りをうまく抽出できません。

もっとおいしい出汁をとるには?

沸騰したら弱火にして、5分くらいアクをとりつづけます。5分くらいで昆布をとりだし、火をとめます。面倒ですが、すっきりした風味にしあがります。

5.かつお節を入れる

かつお節を入れる

かつお節を鍋に入れます。そのまま2分間待ちます。

もっとおいしい出汁をとるには?

ふたたび火(弱火)にかけ、沸騰したらアクをとりながら30秒、煮だします。

鰹削り節(かつお削りぶし、花かつお)を使う

鰹節削り節(かつお節削りぶし、かつおかれぶし削りぶし、かつおかれぶし削り、鰹削り節)、鰹削り節(かつお削りぶし、花かつお)

かつお節は2種類あります。

  • 鰹節削り節(かつお節削りぶし、かつおかれぶし削りぶし、かつおかれぶし削り、鰹削り節)
  • 鰹削り節(かつお削りぶし、花かつお)

鰹節削り節は、カビつけと天日干しを繰りかえし行ない、数か月間熟成させたかつお節(枯節、本枯節)を削ったもの。コクとうま味、香りが格段にいいのが特徴です。

鰹削り節には、この工程がありません。ただのかつおの燻製(荒節)を削ったものです。安価で、いぶし臭が残っています。市場に出回っているものの大半がこちらです。

アトピーの方は鰹削り節(安いほう)を選ぶとベターです。「かつお削り節」とか「花かつお」と表記されています。

理由はいうまでもありませんが、カビアレルギーの反応が起きる可能性が高いからですね。

わたしは以前、かつお節を食べるたびに調子が悪くなっていたものです。安いのより高いもののほうが身体によさそうだ、と考えたのがアダとなりました。花かつおを買うようになってから、それがなくなりました。

6.濾す

だしがらのかつお節を濾す

キッチンペーパーでかつお節を濾します。

7.完成

おいしい出汁が完成

おいしい出汁のできあがり。

お吸い物や味噌汁に使うもよし、煮物に使うもよし。いつもの和食の風味がとびきりよくなります。毎日やるのが面倒な場合、数日分(2~3リットル)の出汁をまとめてとってしまってもOK。大量につくったほうがおいしいです。フリーザーバッグに入れて冷凍保存できます。

煮干しの出汁のとり方は?

煮干し

かつお節をたっぷり使うのはもったいないので、お味噌汁などには煮干しを使っています。出汁をとったあとの煮干しは、最良のカルシウム補給源。成長期の娘に食べさせています。

煮干し利用時のポイントは、頭と内臓の部分をとりのぞくこと。このひと手間で、えぐみが消えて、ぐっとおいしくなります。200ミリリットルの水に煮干し2匹でOK。

かつお出汁と異なり、煮干しは昆布といっしょに最初から鍋に入れます。ひと晩(時間がないときは最低30分間)置いておくのは同じ。鍋を火にかけて沸騰したら、弱火にしてアクをすくいながら5分くらい煮だします。それから昆布と煮干しをとりだす、これで完成です。

味噌汁の出汁の簡単なとり方

ここまでお話ししてきた方法では、料亭で使えるようなゴージャスな出汁がとれます。ここぞ、というときはこのやり方ですが、ふだんのわたしはもっと簡便にやっています。それでも十分おいしいです。

煮干しと昆布

3人分のみそ汁の材料。煮干し5~6尾(今日の煮干しは小ぶりなのでちょっと多め)と昆布(2センチ角にあらかじめカットして、保存容器に入れています)。油揚げもカットして、こちらは冷凍保存しています。

これを小鍋にそのまま放りこみ(頭も内臓もとらない)、水と具材(ワカメ、ネギ、豆腐、油揚げなど)を入れて、蓋をして火にかける。沸騰したら弱火で3分ほど。味噌を溶いたら完成です。いつもはこんな感じ。

出汁がら活用術

ふりかけにするとおいしいです。こまかく刻んでフライパンで乾煎りするだけ。わが家ではゴマをプラス。味つけはしょうゆとお酒のみ。

市販の無添加出汁、無添加スープの素

ここまで読んできて、「自分にはちょっとむずかしそう」とか「時間的に厳しい」と感じた方は、無添加調味料(市販だし)を利用する手があります。出汁をとるような時間的、精神的余裕のない日、わたしもこんなお助けアイテムの手を借りています。

無添加天然だし

出汁の原料(かつお節、煮干し、昆布、しいたけなど)がそのまま袋詰めされているパック。鍋に入れて煮だすだけで出汁がとれます。自家製出汁にはかなわない。が、それなりにうまい。使い終わったら、ぬか床の餌にしています。ぬか漬けの風味ががぜんよくなります。

だし栄養スープ

もっと楽ちんなのが、スープの素(国産原料使用、無添加)。熱湯に入れてかき混ぜるだけです。弱った身体への栄養補給にもなります。料理の味つけにも使えます。こういうのをひとつ台所に置いておくと、単身者の方はとくに重宝することと思います。

さいごに

食べ物は健康の基本。アトピーを克服するための核心部ともなります。家庭でのお出汁のとり方をマスターするいい機会。ぜひチャレンジしてみてくださいね。

よろしければわが家のレシピも参考にしてください。