頭皮アトピー (脱毛、フケ)への対処法

頭皮のフケと脱毛

この記事の重要度:

頭皮アトピーでまず気になるのがフケ、そして脱毛。それが高じて起こる薄毛。ケアを怠っていたら、治ってからも薄毛が戻らず、後悔することに。かき壊して真皮を傷つけ、毛根が完全に破壊されると、ふたたび毛髪が再生することはないからです。

頭髪

頭皮アトピーはフケ、脱毛の原因

アトピーでいちばんつらかったのなにか? いま振りかえると、やはりあのかゆみでした。人前でぼりぼりやるのはみっともない。もう我慢ならないとなったら、会社のトイレの個室に駆けこんで、気がすむまでかきむしる。出血するほどです。もう遠い記憶ですが、あれはきつかった。

重症化していたころは、頭皮にも炎症が広がっていました。が、頭皮は肌と違って思いきりかくのがためらわれます。フケがたくさん出るからです。それでも辛抱たまらずかきむしると、毛髪にフケが大量に浮いてくる。洋服の肩のあたりが真っ白になる。それを念入りに叩いて落としてから、デスクに戻る(うーん、こんな文章を書いていたら、なんだか頭がかゆくなってきました)。われながらみじめでしたね。

さて、問題はこの先です。

頭皮をガリガリやっていると、そのうち真皮まで傷つけてしまうのです。これが抜け毛を引きおこす。髪の毛を整髪料でセットすると、手に毛髪がたくさんくっついてくるようになる。

アトピーで抜け毛、薄毛を起こすか?

患部が分厚くなると、頭皮のアトピーが抜け毛や薄毛の原因になるのは間違いがありません。毛根というのは、皮下3ミリしか伸びていませんからね。炎症が皮膚深部にまでおよぶと、抜け毛や薄毛を起こして当然です。

さらに傷ついた部分に雑菌が繁殖すると浸出液が出て、それが乾くとパリパリになる。そういうときに分厚くなった皮膚をひっかくとべりっと剥がれることがある。まとまった髪の毛もいっしょに剥がれ落ちてしまう。そういうことを繰りかえしているうち、わたしの後頭部の生え際はどんどん薄くなり、硬貨大の禿げが2か所にできていました。

さいわいアトピーが治ったあと、髪の毛はほぼ再生しました。でも少し薄いところが残っているのです(はた目にはほとんどわかりませんが)。頭皮はきちんとケアしておくべきでした。

この記事でお伝えしたいのは、抜け毛が始まっても落胆も悲観もする必要はない、ということです。治れば、昔以上に強くて健康な毛髪を取り戻すことは可能ですから。ただし、ひっかきすぎて毛根を破壊してしまわないよう、きちんとスキンケアを行なっておく必要があります。

頭皮アトピー(フケ、脱毛)への正しい対処

かゆみ対策を兼ねた、頭の洗い方です。抜け毛や薄毛、フケ対策としても役立ちます。

有名な皮膚専門医が自著のなかで紹介している方法を自分流にアレンジしたものです。

シャンプーのしかた

アトピーの頭皮ケアでいちばん大切なのは、

  • 無添加のシャンプー(石けん)、リンスを使う。
  • お湯や水は塩素除去したものを使う。

無添加石けん

ふつうの石けんやシャンプーは捨てました。洗濯洗剤もです。合成界面活性剤が肌を傷つけますし、炎症が確実にひどくなります。わが家は、石けんもシャンプーもリンスも無添加のものを使用。使いはじめから、お風呂あがりの悪化がなくなりました。

ビタミンC、アスコルビン酸

水道水の塩素も炎症部位をかなり刺激します。風呂につかるだけとかゆみが増すというなら、まっ先に塩素を疑うべき。ビタミンCを浴槽に1グラム入れるだけで塩素を取り除けます。シャワーを使いたい場合、脱塩素シャワーを使う手があります。詰め替え方式のビタミンCが、塩素をのぞいてくれます。

わたしの場合、石けんやシャンプーを無添加に変えるだけで、洗髪中や洗髪後のかゆみが驚くほど減りました(フケも減った)。試した方もみんな口をそろえてそういいます。

ふつうのシャンプーを使うとチクチクしたり、かゆみが何倍にもなったりするため、お湯ですすぐだけ、ということも一時期やっていました。いわゆる「湯シャン」です。

でもアトピーの頭皮は、健康状態がよくない。汚れやばい菌、フケをきちんと落とさないと、さらなる炎症悪化をまねく心配があります。抜け毛やフケも増えるかもしれません。無添加シャンプーを使いはじめてから、そういう心配はなくなりました。

洗い方ですが、

  1. 髪の毛をお湯にしっかりひたす。
  2. シャンプーをよく泡だてて、指の腹でやさしく洗髪。絶対に爪を立てない。
  3. 泡立った状態で、そのまま10分放置(汚れを浮かす)。痛みがあるようなら、時間を短縮。
  4. 熱めのお湯でよく髪の毛をすすぐ。
  5. 以上をもう一回繰り返かえしてから、タオルで髪の毛をざっと拭く。

髪の毛が長い場合、3番目の「10分間放置」のときに、頭上で髪の毛をたばねるとよいです。シャンプーが垂れて眼に入るようなら、シャワーキャップをかぶる手も。それでも液だれするようなら、タオルをシャワーキャップの内側に巻きこめばOKです。

アトピーが治るまで、わたしはベリーショートにしていました。手入れがラクです。石けんだけで、頭のてっぺんからつま先まで全部洗えます。上記のような手間をかける必要がありませんから、男性には短髪をおすすめします。

ヘアカッター

美容院通いをやめて(頭皮がぼろぼろだったので、美容師さんに気兼ねした)、バリカンを買いました。すぐに慣れて、狙った髪型にしあがるようになりました。美容師さんとの鏡越しの会話が苦手なもので、いまも自分でカットします。お金も時間もかかりませんしね。写真のパリカンは十数年前のものですが、いまだ現役バリバリカン(めんぼくない)。

リンスのしかた

リンスにも合成界面活性剤や化学物質が入っていますから、ふつうのものは避けましょう。無添加リンスを買ってもいいのですが、無添加リンスの成分はクエン酸と水です。自分で簡単につくれます。

なお、いまから紹介するのは、かゆみをとるためにリンゴ酢を使う方法。お酢にもクエン酸が含まれていますから、リンゴ酢にはかゆみを減らすのと同時に、無添加リンスと同じ保湿効果も期待できます。

わたしは基本、リンスはしません。短髪だから。この方法は、頭皮のかゆみ対策として行なっていました。
  1. 洗面器にお湯180ccを入れる。
  2. そこへリンゴ酢60ccを入れる。
  3. しっかり混ぜる。
  4. 頭皮全体にゆっくりとかける。
  5. 1分くらい頭皮をやさしくマッサージ(傷があると、少しチクチクします)。
  6. 2分間放置。
  7. ぬるま湯ですすぎます。
  8. 冷たい水ですすぎます(しあげ)。
  9. タオルドライ(タオルでよく髪の毛を拭く)。

洗髪後に大切なのはこの2つ。

  • ドライヤーを使わない(頭皮が乾燥する)。
  • セットには、整髪料やスプレーを使わない。

頭皮に発疹があるなら、ヘアカラーや白髪染めは厳禁。アレルギーや感染を起こす恐れがありますし、刺激が強いので炎症がひどくなります。

頭皮アトピー(フケ、脱毛)にはひまし油が効く

日本ではさほどポピュラーではありませんが、ひまし油は世界的に有名な在宅療法用オイルです。抗菌性が強く、日本人にとってのどくだみやよもぎ、生姜のような存在。

ひまし油に含まれているオメガ3系脂肪酸は、毛根への血液循環をうながします。毛髪の成長が加速するのです。ひまし油で頭皮をマッサージすれば、髪の毛が強くなる、太くなるといわれています。

頭皮アトピーの抜け毛や薄毛、フケの対策にも、ひまし油の力を借りるべきです。抗菌性、抗カビ性が強いので、髪の毛をケアしながら、頭皮感染も抑えてくれます。

ひまし油

頭を洗ったあと、気になる部分の頭皮をひまし油で入念にマッサージします。それからすすぐ。すんなりとは落ちません。工業用の潤滑油としても用いられるくらいです。粘度が非常に高い。お湯に大さじ1~2杯の重曹を溶かしてすすぐといい感じです。

さいごに

入浴後に頭皮が乾燥するという場合、竹酢液や木酢液、あるいはエプソムソルトなどを入れた湯船で半身浴をして、頭からもたっぷのと汗をかくのも効果的です。自分の身体から出る油分で乾燥を抑えるのです。頭にはワセリンもヒルドイドも使えませんからね。

繰りかえしになりますけれど、頭皮アトピーに大切なのは爪を立てないことです。ひっかいてはダメ。患部が広がって細菌感染をまねきます。毛根が完全に壊れてしまうと、アトピーが治っても髪の毛は元通りに生えてきません。