エプソムソルトは天然の入浴剤&下剤

エプソムソルト

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エプソムソルトは海のミネラルの一種、硫酸マグネシウムです。バスソルトとして使えば、体液の流れがぐんとよくなり、デトックスが進みます。内側からアトピーの治癒を助けるのです。同時に皮膚を外側から癒やす力もある。さらに下剤としても使えます。

ガラス瓶入りのエプソムソルト

エプソムソルトは入浴剤、下剤として活用

最初、「ソルト」なんていうから、なにかしら特別な塩なのだと思っていましたが、なめてみてもしょっぱくはない。調べてみると、硫酸とマグネシウムの無機化合物とのこと。

硫酸マグネシウムでした。

海の3番目のミネラル。

当然ながら、塩分なんて含まない。

エプソムソルト(というか硫酸マグネシウム)は古くから、整腸剤としてよく用いられてきました。そのほかいろんな症状に対する治療薬としても利用されており、現在もさまざまな飲み薬のベースになっています。

市販の入浴剤にもよく配合されています。海外の女優さんやモデルさんたちが美容目的で利用したりもしている。皮膚の新陳代謝ががぜんよくなるからです。

アトピーを癒やすのにも役立ちます。使い道は2つ。

  • 入浴剤
  • 下剤

1.エプソムソルトを入浴剤として使う

バスソルトとして使えば、こういう特典があります。

  • 循環器系と内分泌腺の正常化
  • 皮膚細胞の新陳代謝の活性化
  • 角質化した皮膚の改善
  • 悪血(体内の毒素)の除去
  • 関節炎やリウマチ、神経痛の緩和

わたしが注目したのは、とくに前半部分。アトピーの身体は、血管やリンパ(循環器系)、副腎(内分泌腺)が確実に弱っていますので。

さらに、スキンケア効果(ゴワゴワ肌をやわらかくする)や、血液中の毒素の排出を手助けしたり、炎症を抑えたりする働きもあります。

活用しないという選択肢はどこにもない。

入浴剤(バスソルト)としての使い方

エプソムソルトを風呂に入れる

  1. 浴槽に39~41度の湯を張る。
  2. 150~300グラムのエプソムソルトを入れる。
  3. よく混ぜて溶かす。
  4. 20分間入浴する。

販売元によると、濃度は0.1~0.2%くらいが目安だとか。ちなみに海水は0.2%。

なにはともあれ、これで塩分なしのミネラル風呂には入れるという寸法。やってみた感想はこんなふう。

  • 汗がものすごく出る。
  • いつものお風呂よりずっと温まる。
  • 肌がやわらかくなる。
  • 風呂あがりにあまり乾燥しない(保湿効果)。
  • 寝つきがよくなる。

塩浴(詳細は、半身浴の記事)とまったく同じです。

秀逸なのは、エプソムソルトで水道水の塩素を除ける点。いつものビタミンCも今夜はいらない。直接肌につけてマッサージすれば、黒ずみを薄くする働きもあるといいます。日焼けのあとの乾燥にもいい。

ところで、わたしのやり方は少々勝手がちがっています。それも書いておきます。

アトピー対策には、高濃度エプソムソルト風呂

2キロと200グラムのエプソムソルト

左側は2キロのエプソムソルト。右側は200グラム。
  1. 首までつかれるよう湯船を満たす。
  2. 湯温は42度の、ちょっと熱め。
  3. エプソムソルトを2キロ投入。
  4. 30分、湯につかる(冷めてきたら追い炊き)。
  5. 入浴後、オリーブオイルココナッツオイルで保湿
  6. 週に2度は入る。

エプソムソルトをここまで惜しげもなく使うのは、ひどい慢性皮膚炎にはコップ1杯や2杯ではとても足りない、と米国の有名な慢性皮膚炎専門の医師が話していたからです。それ以外のテクニックもこの医師から学びました。

これだけ大量に入れると、コップ1杯のときに比して肌の状態は格段によくなります。かゆみ対策としてもいい。でも続けるのが難しい。経済的に。なにしろ1回分1300円くらいします。ひと月換算で1万円を超えます。

というわけで、わたしはまた従来の塩浴(半身浴の一種)に戻りました(塩は安い)。

症状があったころ、ずっと塩浴をしていました。天然塩で肌をマッサージしたり、ときどきは浴槽にバサッと入れたりするわけです。頭皮の症状もこれでずいぶん楽になりました。

エプソムソルト風呂にも、同じような利点があります。ミネラル分が肌に浸透し、やさしく癒やしてくれます。

ただし、塩分(ナトリウム)による殺菌作用はありません。食材を塩漬けにすると、ばい菌が繁殖できないのは、ナトリウムの働き。エプソムソルトは、ナトリウムを含みません。

半面、塩分が給湯器や風呂釜を傷める心配はない。わたしが昔暮らしていた賃貸マンションの給湯器はさびだらけになって、ある日モーレツに痙攣するやいなやウンともスンともいわなくなりました。大家さんにたいそう叱られました。

ふだんは塩浴(浴槽には入れないで、マッサージのみ)で過ごし、症状があまりひどい場合だけ高濃度エプソムソルト風呂に入る、というのが現実的な使い方でしょうね。

もちろん、通常濃度のエプソムソルト風呂に週2回つかるだけでも、十分に意味はあると思いますけれど。

なお、わたしがエプソムソルトをあっさりやめたのは、当時は肌の表面を手当てしても意味がない、アトピーを治すにはまずの手当て、次に食事だと考えていたからです。

でもその後、体内浄化と毒素排泄――つまり解毒排泄器官の働きや、血液やリンパの流れをよくすることの重要性に気づき、エプソムソルトを再評価するようになった次第です。

だから、ふたたび腸を壊したときは利用しました(皮膚には症状がほとんどなかったので、通常濃度)。気持ちがいいから、治ってからもたまに入っています。別にミランダ・カーになりたいわけではありません。

エプソムソルト風呂の注意点

次の場合は向かないそうです。(1)心臓や血圧に疾患がある、(2)皮膚が割れている、(3)皮膚が過敏すぎて痛む、(4)ひとり暮らし(意識を失った際に助けてくれるひとがいない)。

エプソムソルト以外の入浴剤としては、竹酢液やクエン酸もおすすめです。

2.エプソムソルトを下剤として使う

薬局で売られている硫酸マグネシウム(エプソムソルトのこと)の効能書きをチェックしたら、「便秘」と書いてあります。そう、マグネシウムは下剤として使えるのです。腸内の水分を吸収して、便をやわらかくし、ふくらませるのです。緩下剤の「スイマグ」は有名です。

便秘は腸内環境の大きな悪化原因のひとつ。兆候があらわれたら、即刻解消すべきですね。

下剤としての使い方

1杯のコップの水に10グラムのエプソムソルトを入れる

使い方は簡単です。1度に5~15グラムを服用し、ただ水をがぶがぶ飲むだけ。1~2時間で効果があらわれます。即効性があるのです。

下剤として使う場合の注意

マグネシウムは心臓や腎臓が悪い方には向きません。高マグネシウム血症の方も使えません。下痢にも使えません。これは当然ですね(笑)。

民間療法では、水に溶かしたエプソムソルトとオリーブ油を1日に数回飲むと、肝臓のデトックスに役立つといわれています。

わたしは下剤として使ったことはありません。浣腸したほうが早いし確実だから(笑)。下剤として利用したい方は、入浴用のエプソムソルトではなく、医薬品の硫酸マグネシウムを入手してください。