コーヒーのカフェイン、カビ、農薬は、アトピー悪化因子!?

コーヒーとカフェイン

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コーヒーはアトピーにわるい、とよくいわれます。カフェインは刺激物。豆は農薬まみれでカビ汚染の心配も。アトピーの方は本当にコーヒーを飲んではいけないのでしょうか。じつはコーヒーには利点も多い。そのあたりをきちんと解説します。

コーヒー

ちかごろ、朝食代わりにバターコーヒーをたしなんでいます。

ある日、コーヒーのことをもっと知りたいとふいに思い、いろいろ調べはじめました。そうしたら目からウロコがぼろぼろ落ちた。これまでコーヒーはわたしにとってたんなる嗜好品のひとつでしたが、見方ががらりと変わりました。

コーヒーのカフェインは悪化因子ではなかった

コーヒーは刺激物だからアトピーによくない、とよくいわれます。わたしも症状があるときはお酒とともにやめていました。

その理由はカフェインにあります。

カフェインは血糖値をあげることで知られています。ただし最近、コーヒーをたくさん飲めば糖尿病の発症率が下がる、という疫学調査が続々出てきていますから、さほど心配する必要はない。むしろ心配なのは、カフェインが肝臓や副腎にストレスを与えるという点です。

副腎がダメージを受けると、皮膚の修復が進まなくなります。免疫力も落ちます。アトピーの方には一大事。この点において、副腎疲労の方はコーヒーを控えるべきだといえます。とくにステロイド使用中やアトピー悪化時、副腎は疲弊しています。カフェイン類を控えるのが無難です。

副腎の疲れ具合をチェックする、手軽な方法があります。指でおなかをひっかいて反応をみるのです。健康な人はひっかいた部分が10~15秒以内に赤くなるそうです。が、副腎皮質ホルモンの分泌能が極端に低下していると、15秒が経過しても白いまま。

「セルジャンの副腎ホワイトライン」という試験で、アジソン病(副腎機能減退による内分泌疾患)の検査に利用されているそうです。副腎の疲弊度がさほどでもない場合、反応があらわれないケースもあるようです。わたしがやってみたところ、ちょうど10秒で赤くなりました。

副腎疲労のチェック方法、セルジャンの副腎ホワイトライン

しかし副腎疲労でないなら話は別です。じつのところ、コーヒーは健康面においてメリットのほうがはるかに大きいのです。

コーヒーはスーパーフード

コーヒーは、集中力や記憶力など、脳のパフォーマンスを飛躍的に高めます。脳卒中や糖尿病のリスク低減にも役立つことも研究でわかっているといいます。

善玉菌を増やすポリフェノールもたくさん含んでいます。腸内細菌のバランスを好転させてくれるのです。このポリフェノールの含有量、なんと赤ワインやチョコレートより多いのだとか。

がん予防にも役立つそうです。

コーヒーを1日4杯以上飲む男性は、前立腺がんの発症確率が約60%も低いことがわかっています。これは抗酸化作用や抗炎症作用が強いから。コーヒーを飲むことで特定のがんのリスクを減少させることができるのです。

コーヒーは積極的に飲みたい飲み物だったのです。

コーヒーは農薬&カビまみれ?

が、市販のコーヒーの多くは、農薬カビに汚染されているようです。

コーヒーノキ

農薬使用量はトップクラス

コーヒーの栽培には農薬を大量に使用します。あまたの農産物のなかでも、農薬散布量は3本の指に入るほど。しかも、コーヒーは後進国で栽培されることが多いためか、先進国では禁止されている農薬を使うこともあります。

コーヒーの9割からカビ毒検出

コーヒーはカビに侵されやすい農作物でもあります。米国の研究者がブラジル産コーヒーの生豆を検査したところ、9割以上でカビ毒がみつかったそうです。

レギュラーコーヒーのほぼ半分がカビに汚染されていることもわかっています。

オーガニックの生豆にはこれだけのカビ豆が含まれている

実際にチェックしてみるとわかりますが、生豆300g強にカビ豆や虫食い豆などの不良豆がこれだけ含まれています。ちなみにこのコーヒー豆の産地はコロンビア、銘柄はサンタマリア。無農薬栽培です。

カビ毒(アフラトキシンやオクラトキシン)は熱に強く、焙煎しても分解されません。肝臓を弱らせるし、発がん性もあります。わずかなカビ毒が身体に入るだけで、心と身体の働きが低下する。大量に体内にとりこめば、がんや真菌症、腎臓病、脳障害といったきわめてシリアスな障害を引きおこすこともあります。

わが国ではコーヒーのカビ毒に安全基準を設定しています。水際検査をおこない、輸入制限をかけています。でものバリア機能が弱っているとき(リーキーガット、つまりアトピーの方)、口から入ったものはそのまま体内へ侵入します。たとえ微量であっても、農薬やカビに汚染されたコーヒーはなんとしても避けるべきでしょう。

アトピーの方はカビに敏感です。カビ入りのコーヒーを飲めば、当然ながらアレルギーの症状が出ます。カンジダアレルギーあるいはイースト菌の食物アレルギーを発症しているなら、カビに侵されたコーヒーは禁忌中の禁忌ですね。

わたしが養生中にコーヒーをやめていたのも、飲むと具合が悪くなることがあったからです。症状がひどくなったり、胸がむかむかしたり、ときには吐き気を催すことも。ふりかえるとあれは、カフェインのせいではなく、カビが原因だったのではなかろうか、と思うのです。

外食産業のコーヒーは大丈夫?

某コーヒーショップチェーン

ファミレスなどの飲み放題(ドリンクバー)は頼まないのが得策。安いものにはかならずカラクリがある。農薬やカビの汚染、さらに酸化の心配があるのはもちろんですけれど、化学薬品や食品添加物を大量に投下して、少しの豆から大量のコーヒーが抽出できるようにしているといいます。やはりタダほど高いものはないのです。

緑色の女神のロゴマークでおなじみの米コーヒーショップチェーンは、日本の安全基準にひっかかる南米の生豆をいったん米国に輸入し、焙煎してから日本国内へ輸出しているそうです(参考記事)。

米国にはコーヒーのカビに対する規制がないからです。その隙を突いているわけです。「その結果、1杯のコーヒーに、頭の働きや健康にまで悪影響をおよぼす量のカビ毒が含まれている可能性が高い」(ベストセラー本『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』の著者、デイブ・アスプリー氏)。

コーヒーの選び方

どんなコーヒー豆をセレクトするかは、健康な心身維持のためにとても重要ということがわかりました。スーパーやコンビニの棚にあるコーヒーがなぜ安いのか――これは低級豆を使っているばかりでなく、カビが生えやすい傷んだ豆を大量に含むからです。

というわけで、コーヒーを飲むなら、とにもかくにも農薬とカビに汚染されていないものをチョイスすべし、というのが結論です。

カフェインレスコーヒーは避ける

カフェインレスコーヒーは避けています。ふつうのコーヒーより、カビを多く含んでいるからです。カフェインレスのような似非コーヒーに高品質の豆を使うのはもったいない、という理由から、低品質の豆が使われることが多いからです。

カフェインは天然の抗菌剤です。カフェインを除去すると、カビが繁殖しやすくなるのです。

コーヒーはオーガニックが正解

コーヒー選びの正解は2つ。

ひとつめの正解は、オーガニックのレギュラーコーヒー(粉)を入手する方法。「有機JAS」のマークがついていればとりあえず安心です。有機JASの認定を得るには、品質管理から製造工程、検査態勢まで、万全の体制を整える必要があるからです。

オーガニックのレギュラーコーヒー

どっちも、ふつうのレギュラーコーヒーよりは格段にうまいです。もっとも、オーガニックの豆にもカビは生えます。完全に安全というわけにはいきません。

ちなみに「スペシャリティコーヒー」の名を冠したレギュラーコーヒーも、カビ豆などの不良豆を手作業で除去しているといいます。カビ汚染のリスクは少ないと思います。でも、オーガニックの「スペシャリティコーヒー」というものが見当たりません。

もうひとつの正解は、オーガニックの生豆を買って、カビの生えた豆を自分の眼で選りわけるという手。

わたしも以前はオーガニックのレギュラーコーヒーを利用していました。が、今回調べてわかったのは、コーヒー豆は焙煎したり挽いたりすると酸化が進むということ。とくに、いったん挽いた豆は3日もすれば完全に酸化して品質がぐっと低下するそうです。市販のレギュラーコーヒーは真空パック。ということは、開封後3日以内に飲みきればいいわけですが、わたしには無理……。

だから、いまは生豆を買っています。安心だし、なによりおいしいから。こんなにうまいのか、と舌を巻くほどです。コーヒーは鮮度が命、と気づかされました。考えてみればあたりまえですね。飲食物はなんでもそうですが、つくりたてがいちばんうまいのです。

コーヒーの生豆

家計に響くかなあ、とはじめるまえはちょっと心配しましたが、じつはそうでもない。ただし手間はかかる。

次の記事はコーヒーのレシピ。生豆の選び方、カビ豆など不良豆(欠点豆)をとりのぞく方法、焙煎のしかた、挽き方、おいしい淹れ方までをきっちりと伝授します。